国家試験までのスケジュールと学習方法

編集協力 医療ライター/真ノ宮ゆな、TECOM/医学評論社
看護師国家試験当日までのスケジュール例

看護師国家試験当日までのスケジュール例

STEP 1 必修対策

必修対策(基礎固め)は「過去問題」「模擬問題」で効率よく進めましょう。

「人体の構造と機能」と「疾病の成り立ち」を優先的に学習

必修問題では、「8割以上の得点で合格」という絶対評価が採用されています。また、必修問題で問われる基本的な知識をきちんと理解していなければ、応用力や判断力を試す問題にも対応できません。夏休みの時間もたっぷりと使い、遅くとも夏休み中までには必修対策(基礎固め)を済ませておきましょう。

必修対策(基礎固め)では、「人体の構造と機能」と「疾病の成り立ち」(必修問題の出題基準では目標Ⅲ)を優先的に学習していきます。なぜなら、これらは試験で出題されるすべての問題を解く上で“土台”となる部分でもあるからです。

とはいえ、試験の出題範囲は膨大ですので、「ひとつひとつの用語を調べてノートにまとめる」というような学習方法は効率的とはいえません。また、実習・卒業研究・就職活動などのイベントと両立していくことを考えると、「いかに短い時間の中で、要点をつかんだ学習を進めていくか」が合格のカギとなります。

過去問題や模擬問題の活用。設問の「テーマをおさえる」ことが大切

そこでお勧めしたいのが、過去問題や模擬問題の活用です。過去問題や模擬問題には、試験の出題傾向や出題基準に沿った重要ポイントが網羅されています。過去問題や模擬問題を中心に学習を進めることで、試験の出題傾向を把握しながら、基本的な知識を繰り返し確認することができます。過去問題や模擬問題は書店やインターネットで手軽に購入できます。また、最近では看護師国家試験対策に役立つ携帯アプリも充実していますので、上手に活用しましょう。

ただし、過去問題や模擬問題を活用する際には、「問題が解けた」というところで満足するのではなく、「テーマをおさえる」という作業を必ず行うことが大切です。「どのようなテーマが問われているのか」に着目し、テーマに関する周辺知識も併せて確認することが合格のカギとなります。

出題例 ①

【第104回午前問題4】
医療従事者による十分な説明に基づく同意を示すのはどれか。

1. エンパワメント
2. コンプライアンス
3. リスクマネジメント
4. インフォームド・コンセント

4

【第100回午前問題3】
インフォームドコンセントの説明で正しいのはどれか。

1. 病歴を個室で聴取すること
2. 処置の優先順位を判断すること
3. 説明をしたうえで同意を得ること
4. 障害者と健常者を区別しないこと

3

第100回では、インフォームド・コンセントの定義について質問。反対に、第104回では「説明に基づく同意」というキーワードから「インフォームド・コンセント」という用語を選ばせる問題になっています。

出題例 ②

【第104回午前問題23】
静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。

1. 10~30度
2. 35~40度
3. 55~60度
4. 75~80度

1

【第101回午後問題22】
注射針を皮膚に対して45~90度の角度で刺入する注射法はどれか。

1. 皮下注射
2. 皮内注射
3. 筋肉内注射
4. 静脈内注射

3

第101回では、針を45~90度の角度で刺入する注射法を選択する問題が出されました。正解は「筋肉内注射」です。第104回では、注射針の刺入角度というテーマは同じですが、静脈血採血時の刺入角度を問う問題でした。第101回の問題をきちんと誤答肢まで勉強していれば、解答は容易です。しかし、ただ問題と正解を覚えていくだけの勉強法では、少し切り口を変えただけの問題を取りこぼしてしまうおそれがあります。

ワンポイントアドバイス

ここで大切なのは、単純に過去問題を解いていくのではなく、例えば出題例では「インフォームド・コンセント」というテーマ、「注射針の刺入角度」というテーマが問われやすいという点に着目することです。出題例2で述べたように、正解の選択肢だけでなく、誤答肢についてもきちんと確認していくことが非常に重要です。さらに、使用する器具や手順、注意点など、関連するポイントについても確実に答えられるように準備しておきましょう。

また、選択肢に登場した内容が、形を変えて別のテーマで出題されることもあります。例えば出題例1で採り上げた第104回午前問題4で考えてみますと、誤答肢だった「エンパワメント」や「コンプライアンス」、「リスクマネジメント」といったワードが主題となって出題される可能性があるということです。過去問題や模擬問題を解く際は、正解だけでなく、関連した解説もよく読み込んでおきましょう。

これらは必修問題だけではなく、一般問題・状況設定問題にも共通することです。

過去問集・アプリの選び方

国試対策のための過去問集やアプリは、自分の使いやすいものを選ぶのが第一ですが、正答率の掲載されているものを選ぶとよいでしょう。
正答率は、勉強の優先度を決めるために非常に役立ちます。例えば、正答率が高いにも関わらず自分ができなかった問題は、優先的に復習する必要がある問題です。また、正答率の高い良問は、国家試験で繰り返し類似問題が出題される可能性がありますので、特に関連知識を含めて確認しておくようにしましょう。

STEP 2 実習と国試対策

「実習=国試対策」!実習と国試対策を連動させましょう。

「実習が忙しくて受験勉強ができない」と嘆く学生はとても多いですが、実習には国試対策に役立つ場面がたくさんあります。「実習=国試対策」として、実習と国試対策を連動させることが合格への近道となります。

① 看護過程の展開をしっかり行う

看護過程では、患者の疾患を解剖生理と照らし合わせながら理解したり、状況に応じた看護ケアの必要性を判断するなど、幅広い知識とそれを統合する能力が求められます。担当する患者の事例を通して「人体の構造と機能」「疾病の成り立ち」「発達課題」「薬理作用」などの基本的な知識を整理しつつ、国試対策にも役立てましょう。

また、看護計画の立案と実施に関連して、「観察項目」「ケア」「患者への説明・指導」に関する基本的な知識をおさえましょう。これらは、必修問題をはじめ、一般問題や状況設定問題でも多く出題されます。さらに、患者の状況や個別性に合わせた計画を意識すると、より充実した看護につながるだけでなく、応用力や判断力を試す問題にも対応できるようになります。

② 患者やスタッフとの関わりも大切な国試対策

患者とのコミュニケーション技術や、看護管理・看護提供システムに関するテーマについては、過去の国家試験でも多く出題されています。患者やスタッフとの関わりも、大切な国試対策のひとつです。

コミュニケーション技術に関する出題例

【第104回午前問題36】
看護師と患者の信頼関係の構築において最も考慮すべき要素はどれか。

1. 病院の方針
2. 看護師の思い
3. 患者の価値観
4. 家族の経済状況

3

【第102回午後問題33】
聴覚障害のある患者とのコミュニケーションで正しいのはどれか。

1. 補聴器の使用中は低音で話す。
2. 手話のときは口元を動かさない。
3. 音の反響が強い場所を選択する。
4. 感音性難聴の場合は大きな声で話す。

1

看護管理・看護提供システムに関する出題例

【第104回午前問題9】
機能別看護方式の説明で正しいのはどれか。

1. 1人の看護師が毎日異なる患者を受け持つ。
2. 内容別に分類した看護業務を複数の看護師が分担して実施する。
3. 1人の看護師が1人の患者を入院から退院まで継続して受け持つ。
4. 患者をいくつかのグループに分け、各グループを専属の看護師チームが受け持つ。

2

③ 基礎看護技術は「手順」「根拠」「注意点」をおさえる

バイタルサイン測定、清拭、温罨法など、実習中は基礎看護技術の連続です。基礎看護技術については、必修問題・一般問題の出題範囲として幅広く出題されています。また、ここ数年では、視覚素材(写真)を用いた問題も目立っています。各技術における手順や根拠、注意点などをしっかりと確認しておきましょう。

出題例

【第104回午前問題44】
成人の心臓マッサージ法の圧迫部位を図に示す。

正しいのはどれか。

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④

3

【第102回午前問題25】
肘正中皮静脈からの採血における駆血部位の写真(①~⑤)を別に示す。 正しいのはどれか。
ただし、×は刺入部である。

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

2

STEP 3 模擬試験

模擬試験にチャレンジしましょう!

① 試験当日のリハーサルとして積極的に参加する

模擬試験は、試験当日を想定した試験時間や出題形式で行われます。本番さながらの緊張感を味わえますので、試験当日のリハーサルのつもりで積極的に参加しましょう。試験時間内に問題を解く気力・体力・集中力を試す絶好のチャンスでもあります。

② 自分なりのルールを決めておく

ケアレスミスや時間配分ミスを防ぐため、自分に合ったルールを事前に決めておくとよいでしょう。模擬試験では、事前に決めたルールに沿って問題を解く練習も兼ねて、試験当日に向けて調整しましょう。

(例)選ぶべき選択肢は「適切なもの」?「不適切なもの」?
回答する選択肢は「1つ」?「2つ」?
ケアレスミスを少しでも防ぐためには・・・

【ルール】ひと目でわかるよう、問題文の該当箇所を○で囲む!など

(例)限られた時間の中で、確実に答えられる回答を増やしておきたい・・・

【ルール】回答に自信のある問題には「○」少し迷った問題には「△」
分からない問題には「×」を書いておく!
見直しは「○」→「△」→「×」の順に行う!など

③ 成績表を上手に活用する

模擬試験の成績表が届いたら、全国正答率と自分の回答を照らし合わせ、「全国正答率が高いにも関わらず、正しく答えられなかった問題」をピックアップしましょう。

「全国正答率が高い問題」は、「本来であれば誰もが解けるような基本的な内容」といえます。それが正しく答えられなかったということは、「得点しやすい部分が正しく理解できていない」ということ。「全国正答率が高い問題」は、基本的な知識をおさえることで十分フォローできる可能性が高いですので、得点アップにつなげましょう。

④ 解説書で“点につながる勉強”をする

過去の国家試験を分析し、特に今年度出題が予測されるテーマを240問に詰め込んだのが模擬試験です。どの会社の模擬試験でも、受験すると必ず「解説書」がついてきます。この解説書を使わない手はありません。模擬試験の解説には、得点に直結する内容が凝縮されているのです。不正解だった問題はもちろん、正解できた問題についても、ひとつひとつの選択肢の解説までしっかり目を通すことで、切り口の違った類題にも対応できるようになります。

おまけ ● 試験直前は最終調整&体調管理に努める

試験直前は、これまで解いた過去問題や模擬問題の見直しや、苦手な科目や暗記項目の最終確認に費やしましょう。この時期は、新しい問題に手をつけるよりも、これまで解いた問題に目を通す方が、試験当日への自信や安心感につながります。

また、試験当日に向けて、早寝早起きのリズムを整えることも大切です。起床から脳が目覚めるまで2~3時間かかるといわれていますので、遅くとも0時には就寝し、6時には起床するようにしましょう。万全のコンディションを保つことが肝心です。

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