看護師国家試験の出題ポイント

編集協力 医療ライター/真ノ宮ゆな、TECOM/医学評論社

最近の出題の傾向

  • Point 1 いま、国試はこうなっている!
  • Point 2 新傾向問題と対策
  • Point 3 過去問題は何より重要
  • Point 4 でも、それだけじゃ合格できない!
  • Point 5 平成26年版出題基準はここに注目
  • Point 6 トピックス問題にも備えれば万全

Point 1 いま、国試はこうなっている!

国試勉強を始めるうえで、まずは最新国試の傾向を把握しておくことが重要です。早速、2015年〈平成27年〉2月に実施された第104回国試を中心に、最近の国試の動向をみてみましょう。

時間配分が難しい!国試の問題構成

下の図の通り、最近数年の国試は午前問題・午後問題各120問の出題で、それぞれ必修問題25問、一般問題65問、状況設定問題30問(3連問×10症例)という構成です。 出題方式はマークシートで、4肢択1を中心に5肢択1、5肢択2が毎年ある程度出題されます。また、第102回(2013年〈平成25年〉実施)より、0~9までの数値をマークする形の計算問題が導入され、毎年1~2問出題されています。
注意しなければならないのは、解答に時間がかかる5肢問題や計算問題、状況設定問題が後ろに固まっているという点です。特に状況設定問題は配点が1問2点です。「時間が足りなくて最後まで解けなかった」などということになれば致命的です。
余裕をもって最後まで解答できるよう、模擬試験などで十分シミュレーションをしておきましょう。

第104回国試の問題構成

第104回国試の問題構成

必修問題でも5肢択1が出題される年もある。その場合、必修問題の最後に配置
状況設定問題では5肢択1、5肢択2は数問。ランダムに配置

苦手科目は大丈夫?科目配分も見ておこう

どの問題が出題基準のどの科目に該当するかは公表されていませんが、出題基準との照合などからおおむね推測することができます。第104回国試では下表の通りでした。 平成26年版出題基準で追加された「看護の統合と実践」は、過去問題の蓄積が少ないので要注意です。また、明らかな苦手科目がある人は、遅くとも夏休み頃までに平均レベルに引き上げることを目指しましょう。

第104回国試の科目別出題数
必修問題 50問
科目 一般問題 状況設定問題(3連問)
人体の構造と機能 12問
疾病の成り立ちと回復の促進 12問
健康支援と社会保障制度 9問
基礎看護学 21問
成人看護学 19問 4症例(12問)
老年看護学 12問 3症例(9問)
小児看護学 10問 3症例(9問)
母性看護学 9問 3症例(9問)
精神看護学 9問 3症例(9問)
在宅看護論 9問 2症例( 6問)
看護の統合と実践 8問 2症例( 6問)
一般・状況設定問題 計 130問 20症例(60問)

※科目配分はTECOMティ・エム・エス編集部の解釈による

Point 2 新傾向問題と対策

看護基礎教育課程のカリキュラム改定や出題基準改定を経て、国試も毎年変化しています。近年では、視覚素材問題の導入、計算問題での非選択式の導入、5肢問題の導入など、大きな変革がありました。
また、時代のニーズに伴い、医療安全や倫理、法律の遵守など強化されているテーマがあります。臨地的な問題がより重視されるようになり、短文事例問題や優先度を判断する問題などが増えてきました。これらの問題についても対策を立てておく必要があります。

近年重視されている問題と新傾向問題

① 視覚素材の問題

第98回国試より、視覚素材(写真)を用いた出題形式が導入され、毎年2~4問程度出題されています。厚生労働省は、臨地実習での学びや実践能力の評価をより的確に行うためにも、今後も国試において視覚素材(写真)を活用していくとしています。必修問題としての出題もありますので、得点源にしたいものです。
具体的には、基礎看護技術の問題や、病態をアセスメントする問題が出題されています(出題例1)。第104回では4問の写真問題がありましたが、すべてエックス線写真など、基礎医学的な内容でした。
教科書に掲載されている写真に意識して目を留めてみてください。また、出題例2のように、過去問題の類似問題も多くみられます。医師国家試験など、他の医療職の国試で出題された写真も参考になるでしょう。

出題例1

【第103回午前問題17】
水平移動時の移送方法の写真(①~④)を別に示す。適切なのはどれか。
水平移動時

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④

3

【第102回午前問題75】
体幹部の写真を別に示す。
最も疑われるウイルス感染症はどれか。

1. 伝染性軟属腫
2. 伝染性紅斑
3. 水 痘
4. 風 疹

3

出題例2

【第104回午前問題38】
成人の立位の腹部エックス線写真を別に示す。この所見から最も考えられる疾患はどれか。

1. 胆石症
2. イレウス
3. 潰瘍性大腸炎
4. 十二指腸潰瘍

2

【第103回午前問題40】
立位の腹部エックス線写真を別に示す。この状態で出現している所見はどれか。

1. 体液波動
2. 皮膚線条
3. 腹部膨満
4. 皮下静脈の怒張

3

② 計算問題

第102回国試より、計算問題において、0~9までの数字を組み合わせて2桁選ぶという解答方式の問題が導入されました。選択肢から選ぶ形式より難易度は上がるものの、問われる内容は従来から見られる基本的な計算問題です。過去の国試で繰り返し出題されている計算問題は、確実に解けるように練習しておきましょう。例えば、点滴の滴下速度や酸素ボンベの使用可能時間、栄養状態の評価に関する問題などは頻繁に出題されています。

出題例

【第104回午後問題90】
5%のクロルヘキシジングルコン酸塩を用いて0.2%希釈液2,000mLをつくるのに必要な薬液量を求めよ。 ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第 1 位を四捨五入すること。

解答: ①②mL

① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

①8、②0

【第102回午後問題89】
身長160cm、体重64kg である成人のBMIを求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第 1 位を四捨五入すること。

解答: ①②mL

① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

①2、②5

③ 5肢択1、5肢択2問題

第98回国試より、正しい知識の習得を確実に評価することを目的として、従来の4肢択1形式に加え、5肢択1および5肢択2の出題形式が採用されています。厚生労働省は、出題回ごとに出題割合に大きな差異がないよう配慮して出題するとしています。
特に5肢択2問題は、選んだ選択肢が2つとも正解でなければ得点になりません。いっそう正確な知識が求められるということです。

過去5年間の国試で出題された5肢問題の数
必修問題 一般問題 状況設定問題
5肢択1 5肢択2 5肢択1 5肢択2 5肢択1 5肢択2
第104回(2015年) 0 0 11 17 4 3
第103回(2014年) 4 0 5 16 1 1
第102回(2013年) 9 0 20 12 1 8
第101回(2012年) 3 0 12 15 3 5
第100回(2011年) 4 0 7 13 3 8
④ 短文事例問題

近年、国試では臨地的な判断力や対処能力を問う問題が重視されています。それを反映した傾向の1つとして、毎年、一般問題で短い事例問題が出題されています。第104回国試でも、30問が出題されました。
臨地的な判断力を磨くためには、知識を増やすだけでなく、日ごろの授業や実習などを通じて、能動的に考えるクセを付けておくことが重要です。特に、複数の看護問題がある場合の優先度を考える練習をしておきましょう。

出題例

【第104回午後問題69】
Aさん(80歳、女性)は1人で暮らしている。内科と整形外科とを受診しているが、2週前から内服薬の飲み間違いがあり、主治医から訪問看護師に服薬管理の依頼があった。
Aさんがセルフケアを維持して内服するための訪問看護師の服薬管理の支援で最も適切なのはどれか。

1. 内服薬は薬局から訪問看護師が受け取る。
2. 自宅での内服薬の保管場所を分散する。
3. 内服指導を診療科ごとに依頼する。
4. 内服薬を1回分ごとにまとめる。

4

⑤ 医療安全や倫理に関する問題

看護師として不適格な者を選別する目的で、「患者等の生命を直接脅かす行為」「触法行為」「非倫理的な行為」に関する出題を強化する方針が、2008年〈平成20年〉の『国家試験制度改善部会報告書』において出され、近年、拡充が図られてきました。2012年〈平成24年〉の報告書でも、薬剤に関する内容や感染管理・医療安全等のリスクマネジメントに関する内容を充実すべきという方針が示されており、今後もこの傾向は続くものと思われます。しっかり過去問題を確認しておきましょう。

出題例

【第104回午後問題42】
抗癌薬の点滴静脈内注射中の患者が刺入部の腫脹と軽い痛みを訴え、看護師が確認した。
直ちに行うのはどれか。

1. 刺入部を温める。
2. 注入を中止する。
3. 注入速度を遅くする。
4. 点滴チューブ内の血液の逆流を確認する。

2

Point 3 過去問題は何より重要

国試勉強において、過去問題を解くことは必須です。特に正答率70%以上の良問は、繰り返し解いて確実に正解できるようにしておきましょう。

類似問題は必ず得点する

以前に問われた国試問題が、選択肢を1つだけ変えたり、または問い方を変えたりして、再び出題されることがたびたびあります。特に、必修問題ではよくみられます。国試本番で確実に解答できるように、過去問題を何度も解いて記憶に残しておくことが大切です。また、過去に一般問題として問われた問題が今度は必修問題として、逆に、必修問題として問われた問題が今度は一般問題として、再び出題されることもあります。
最近の国試でみられた類似問題の例を挙げます。出題例1は、完全に同じ問題です。

出題例1

【第104回午前問題19】
女性患者の床上排泄で洋式便器をあてる位置を図に示す。
適切なのはどれか。

1

【第101回午後問題19】
女性患者の床上排泄において洋式便器をあてる位置を図に示す。
適切なのはどれか。

1

出題例2

【第104回午前問題26】
胸管で正しいのはどれか。

1. 弁がない。
2. 静脈角に合流する。
3. 癌細胞は流入しない。
4. 主に蛋白質を輸送する。

2

【第101回午前問題27】
リンパ系について正しいのはどれか。

1. リンパ管には弁がない。
2. 吸収された脂肪を輸送する。
3. 胸管は鎖骨下動脈に流入する。
4. リンパの流れは動脈と同方向である。

2

出題基準の頻出テーマをおさえる

出題基準は範囲が膨大ですが、過去数年の国試を見ると、頻繁に出題されている項目とそうでない項目があります。勉強の優先度として、まずは頻出のテーマを確実におさえることが重要です。頻出問題は成績に結びつきやすいので、勉強のモチベーションにもつながります。早めに頻出テーマをおさえることで、気持ちにも余裕が生まれるでしょう。出題基準の頻出項目は、各社の国試過去問集や、国試対策アプリなどに掲載されています。最近では、頻出問題だけを抽出する機能がついたアプリも登場していますので、ぜひ勉強に役立ててください。

Point 4 でも、それだけじゃ合格できない!

過去問題は重要ですが、それだけで合格はできません。第104回国試は、過去10年間ではじめて出される出題基準項目が多くみられ、過去問題ばかりに頼った勉強法では厳しい内容でした。つまり、勉強の仕方が合否を分けたと言えるでしょう。来年以降、国試を受験される方は、このことをふまえて的確な勉強計画を立てることが必要です。

頻出問題でも問われ方に注意

過去に何度も出題されている頻出の内容に関しても、定番の問われ方だけでないことがあります。例えば第102回国試では、おなじみの労働基準法の問題で次のような出題がありました。

出題例

【第102回午後問題30】
労働基準法において、就業中の妊産婦から請求がなくても使用者が処遇すべきなのはどれか。

1. 産前6週間の就業禁止
2. 産後6週間の就業禁止
3. 深夜業の就業禁止
4. 育児時間の確保

2

産前産後の休業については国試で何度も出題されていますが、「産前6週(本人の請求)、産後8週(使用者の義務)」と機械的に覚えてしまっている受験生が多いのではないでしょうか。しかし、労働基準法では「本人が希望した場合には産後6週を経過すれば就業可」という付帯条件がつけられているので、正解は選択肢2となります。 このような問題に対応するためには、問題と解答を丸暗記するのではなく、条文全体をきちんと理解することが必要です。

予想問題や模擬試験を活用しよう

各出版社などが提供している予想問題や模擬試験は、出題基準と過去の国試をもとに、特に出題が予想される問題を厳選してつくられています。出題基準項目を1つ1つ追っていくような勉強法は現実的に難しいですので、ぜひ、これらのコンテンツを利用しましょう。

科目別 注意したいポイント

【必修問題】
  • おおむね基礎的な良問だが、8割正解しなければ合格できない。
  • 出題基準の小項目266のうち、50問が出題される。
  • 第104回国試では、必修で今回はじめて出題された項目が多くみられた。例えば午前問題2(目標Ⅰ-1-B-f)、午前問題6(目標Ⅱ-7-E-c)、午前問題13(目標Ⅲ-11-A-f)、午後問題25(目標Ⅳ-16-H-d)など。
  • 取りこぼしは許されないので、過去出題がない項目についても確認しておく必要あり。
【人体の構造と機能】
  • 知識の丸暗記ではなく、看護ケアと結びついた“生きた知識”が重視される傾向。
  • 必修問題と同様に、第104回では過去10年ではじめて出題される項目が散見された。
  • 視覚素材問題にも注意。解剖はビジュアル的にイメージできるようにしておく。
【疾病の成り立ちと回復の促進】
  • 人体の分野と同様に、看護ケアの根拠としても重要。
  • 第104回ではエックス線写真のアセスメントが出題。
  • 看護に期待される役割が大きくなっている現在、看護師にも臨床場面で基本的な病態を判断する能力が求められている。
【健康支援と社会保障制度】
  • 範囲が膨大だが、頻出問題が比較的ハッキリしている。
  • 一方で、トピックス的な問題も毎年多い。
  • 法律の改正にも注意が必要。
【基礎看護学】
  • 医療安全や緊急時の対応に関する問題は重要。第104回でも、感染予防の問題(目標Ⅱ-大項目3-E)が3問、安全管理の問題(目標Ⅱ-大項目3-F)が1問など、多めに出題された。
  • フィジカルアセスメントや基礎看護技術など、臨床に直結する知識も確実にしておく。
【成人看護学】
  • 平成26年版出題基準で項目の内容が具体的になったので、確認しておきたい。また、強化された「がん看護」「リハビリテーション」などの項目も要注意。
  • 出題範囲が広いので、日頃からの勉強が大切。授業や実習で学んだことが活きてくる。
【老年看護学】
  • 第104回は、頻出テーマの出題がほとんどだった。その分、過去問題と切り口を変えた出題に注意が必要。
【小児看護学】
  • やや難問もあるので、「成長と発達」など得点しやすい部分を確実におさえたい。
  • 近年、全体的に遺伝や先天性疾患の出題が増えているが、小児看護学でも多い。
【母性看護学】
  • 平成26年版出題基準で目標Ⅱ(女性のライフサイクル各期における看護)の内容が強化された。第104回で多数出題されたので、今後も要注意。
【精神看護学】
  • 近年、患者の内在する力を活かし、患者の主体性を重視して援助していく姿勢が重視されている。
  • 第104回では「リカバリ〈回復〉」についての問題がはじめて出題。
【在宅看護論】
  • 頻出テーマが繰り返し出題されているが、切り口を変えた問題にも注意。
  • 短文事例問題が多い。
  • 関連する福祉制度の改正にも気を付けたい。
【看護の統合と実践】
  • 難問はあまり出されていないが、過去問題が少ないので今後どのような問題が出されるかは未知数。
  • 記憶していなければ解答できない分野もある。

Point 5 平成26年版出題基準はここに注目

現在の国試は、2013年〈平成25年〉に改定された『保健師助産師看護師国家試験出題基準 平成26年版』に基づいて出題されています。改定前の『平成22年版』と比較すると、基本的な骨組みは変わっていませんが、項目の整理・見直し、用語の統一などが図られ、近年の社会情勢を反映した内容の拡充が行われています。大きく強化された部分は、いま国試において重視されている内容とも言えますので、チェックしておくとよいでしょう。

人体の構造と機能

① 大項目になった「細胞・組織」、「体液」、「体温」

平成22年版では中項目として挙げられていた「細胞・組織」の分野が大項目になり、内容が拡充されました。この分野はiPS細胞や遺伝子治療など、いま注目されている最先端医療とも関わっており、これまでよりも詳細な内容を問われる可能性があります。
「体液」「体温」についても、これまでは小項目として出題基準に掲載されていましたが、平成26年版では大項目として再編されました。これに伴い設けられた小項目の内容もしっかりとおさえておきましょう。

② 看護と結びつけた体系的な理解を

近年の看護教育課程では、「人体の構造と機能」を、単なる医学的知識の暗記ではなく、看護ケアと結びつけて理解することが重視されるようになってきました。例えば「食べる」という行為の援助では、「食べ物を口に運ぶために必要な機能」「嚥下の仕組み」「消化・吸収の仕組み」などを体系的に学習することが、ケアの根拠の理解につながります。平成26年版で追加された新項目の中で、「呼吸筋」「消化管運動と反射」「排尿反射」など、日常の看護援助と深く関わるものは特に今後出題される可能性があります。

基礎看護学

① 「フィジカルアセスメント」はしっかり身に付けておく

以前から「観察技術」「ヘルスアセスメント」という表現で出題がありましたが、平成26年版では「フィジカルアセスメント」として再編されました。視診、触診、聴診などによる情報収集から、次にどんな治療・看護が必要でどうつないでいけばよいかを看護師として分析・判断する能力がこれまで以上に求められています。看護基礎教育カリキュラムでも、フィジカルアセスメントを重視する傾向にあります。近年は、国試でもやや難易度の高い問題が出題されています。

出題例

【第102回午前問題82】
心音の聴取部位を図に示す。
肺動脈弁領域の聴診部位はどれか。ただし、点線は心臓を示す。

2

② 手順だけでなく根拠を理解する

看護過程の展開における重要な概念として、「根拠に基づいた看護(EBN)」が提示されています。基礎看護技術の分野でも、援助方法だけでなく、その行為の意義を理解することが求められるようになっています。

成人看護学

① 大項目「がん看護」が追加

平成22年版の化学療法、放射線療法の項目を活かしつつ、「がん看護」という大項目が設けられました。がんは日本人の死因の第1位であり、国試でも毎年かなりの問題数が出されます。手術療法、化学療法、放射線療法、造血幹細胞移植など各治療をよく理解し、それぞれの状況に対する援助方法や副作用への対応などを確認しておきましょう。
また、緩和ケアについては、従来、終末期の看護として出題がありましたが、平成26年版では「がん看護」の中項目にも挙げられました。がん医療では、病気の時期に関わらず全人的苦痛の緩和を行っていくことが浸透しつつあり、診断から全病期を通じた緩和ケアの理解が求められています。

② 項目が具体的に! 疾患名や検査名などが追加

全体的に、小項目に具体的な疾患名や治療方法、検査名が明記されました。これまでよりも出題内容が明確になったため、勉強しやすくなったとも言えるでしょう。 第104回国試では、平成26年版で名前が挙がった検査や治療についてピンポイントで問う問題がありました。例えば「眼底検査」(午前問題51)や「脳血管造影」(午後問題55)です。小項目に明記されている内容は確認しておきましょう。

例えば、「感覚機能障害のある患者の看護」の項目を見ると…

看護の統合と実践

① 新科目として追加された「看護の統合と実践」

第101回国試から、各分野の知識を統合して実践に応用できる能力を問う「看護の統合と実践」が試験科目に加えられました。第102回までは、「看護の統合と実践」は各科目の内容を統合したものとされ、おおまかな方針が公表されていたのみで、具体的な出題基準項目は設けられていませんでした。
平成26年版で、1つの科目として出題基準項目が示されました。出題基準項目は3つの大項目「看護におけるマネジメント」「災害と看護」「国際化と看護」と、それに伴う中項目の構成になっています(小項目はなし)。

② 第103回、104回ではしっかり出題

第104回国試では、一般問題で8問、状況設定問題で2症例の出題がありました。第103回も同程度の問題数です。内容は、国際的な医療保健の動向、統計など知識を問うものから、外国人患者への対応、災害時の看護などより実践的な問題まで幅広く出題されています。
現在までの所、さほど難解な出題はありませんが、過去問題の蓄積が少ないので注意が必要です。知識を問う問題も多いため、教科書や参考書で覚えるべき点を確認しておきましょう。

出題例

【第104回午前問題75】
災害発生後の時期と災害看護活動の組合せで最も適切なのはどれか。

1. 災害発生直後~数時間 ― 食中毒予防
2. 災害発生後3日~1週 ― 外傷後ストレス障害〈PTSD〉への対応
3. 災害発生後1週~1か月 ― 廃用症候群の予防
4. 災害発生後1か月以降 ― 救命処置

3

【第103回午後問題79】
Aさんは、3年前に来日した外国人でネフローゼ症候群のため入院した。Aさんは日本語を話し日常会話には支障はない。Aさんの食事について、文化的に特定の食品を食べてはいけないなどの制限があるがどうしたらよいかと、担当看護師が看護師長に相談した。
担当看護師に対する看護師長の助言で最も適切なのはどれか。

1. 日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す。
2. 文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す。
3. Aさんの友人から文化的制限に配慮した食事を差し入れてもらうよう話す。
4. 文化的制限に配慮した食事の提供が可能か栄養管理部に相談するよう話す。

4

Point 6 トピックス問題にも備えれば万全

高齢社会、在宅看護、がんや生活習慣病の増加、核家族化、虐待、災害など、近年の社会問題を反映した出題が目立っています。テレビやインターネットで報じられるニュース、時事的な話題にもアンテナを張っておくとよいでしょう。

少子高齢化と人口減少に関する問題

人口問題に関する出題は、毎年必ずと言ってよいほどみられます。社会保障制度や在宅看護との関連も深く、今後も幅広く出題されることが予想されます。統計数値などは『国民衛生の動向』でしっかり確認しておきましょう。

出題例

【第104回午後問題1】
日本の平成24年(2012年)における合計特殊出生率はどれか。

1. 0.91
2. 1.41
3. 1.91
4. 2.41

2

災害医療・看護に関する問題

近年、震災など大規模な災害が相次いでおり、災害看護が大きく注目されています。国試では「看護の統合と実践」をはじめ複数の科目に組み入れられており、トリアージや救命救急処置、PTSDに関する内容などが出題されています。また、原発事故に伴い重要視されている放射線の影響についても、看護師として基本的知識を持っておく必要があります。

出題例

【第102回午後問題80】
放射線被ばく後、新たな発症について長期の観察が必要な障害はどれか。

1. 胃 炎
2. 食道炎
3. 甲状腺癌
4. 高尿酸血症
5. 皮膚のびらん

3

そのほか、時事的な問題

例えば2014年〈平成26年〉には、西アフリカでのエボラ出血熱の流行、日本国内でのデング熱感染、危険ドラッグ、就業構造の変化、微小粒子状物質〈PM2.5〉による大気汚染などが話題になりました。
第104回国試では、女性の年齢階級別就業率や、微小粒子状物質についての出題がありました。
このような時事的な問題は、毎年ある程度出題されます。医療・保健にかかわるトピックスも日頃からチェックしておくと万全でしょう。

出題例

【第104回午前問題34】
大気汚染に関する環境基準が定められている物質はどれか。

1. 二酸化炭素
2. 一酸化窒素
3. フッ化水素
4. 微小粒子状物質

4

皆さんの国試合格をお祈りしています!

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