看護師国家試験の目的と概要

編集協力 医療ライター/真ノ宮ゆな、TECOM/医学評論社

看護師国家試験の目的

「看護師国家試験はなぜ行われるのか」について、考えたことはありますか?「資格を与えるにあたって厳正な審査を行うため」というイメージが根強いようですが、みなさんはいかがでしょうか。まずは、看護師国家試験の目的について正しく理解しましょう。

看護師国家試験はなぜ行われるのか?

合格後すぐに、プロの看護師として働けますか?

看護師国家試験は、「合格後すぐに、プロの看護師(=即戦力)として働けますか?そのために必要な知識や技術を習得していますか?」ということを確認するために行われます。国家試験と聞くと、「すごく難しそう」「レベルが高い試験に違いない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に出題されるのは「看護師として最低限必要な基礎知識」を問う問題ばかりです。

看護師国家試験の出題内容(例)

合格率は90%前後。“落とすための試験”ではない

また、看護師国家試験の合格率は毎年90%前後で安定しています。大学入試のような“ふるい落とすための試験”とは違い、合格ラインをクリアできた人はすべて「合格」となります。看護師国家試験は、基礎的な知識をしっかりと身につけていれば、必ず合格できる試験です。決して“落とすための試験”ではないということを覚えておきましょう。

過去10年間の看護師国家試験合格率(厚生労働省)

実施年度 受験者数 合格者数 合格率(%)
第104回(平成27年2月実施) 60,947 54,871 90.0
第103回(平成26年2月および3月実施)* 59,725 53,495 89.6
第102回(平成25年2月実施) 56,546 50,232 88.8
第101回(平成24年2月実施) 53,702 48,400 90.1
第100回(平成23年2月実施) 54,138 49,688 91.8
第99回(平成22年2月実施) 52,883 47,340 89.5
第98回(平成21年2月実施) 50,906 45,784 89.9
第97回(平成20年2月実施) 51,313 46,342 90.3
第96回(平成19年2月実施) 50,766 46,000 90.6
第95回(平成18年2月実施) 48,914 43,211 88.3

*第103回は、大雪のため、2月の本試験に加えて3月に追加試験が実施されました。

ただし、油断は禁物!

① 出題範囲が膨大
看護師国家試験は、「出題基準」(試験で出題されるテーマや項目を、科目ごとに一覧としてまとめたもの)をベースに出題されます。出題範囲が膨大であり、近年では応用力や判断力を問う問題も目立つことから、単なる暗記やテクニックだけで試験を突破するのは難しいといえます。

② 既卒者の合格率が低い
既卒者(現役で一発合格できなかった受験生)の合格率は例年30~50%と低い傾向にあります(第104回39.2%、第103回42.5%、第102回35.7%)。これは、働きながら学ぶことの厳しさや、試験へのモチベーションを維持することの難しさを反映した結果と考えられます。「現役で一発合格」を目指して国試対策を行うことが理想的です。

ワンポイントアドバイス

国家試験までの1年間は、実習・卒業研究・就職活動など、何かと慌ただしいですが、毎日少しずつでも知識を積み重ねていくことが大切です。

看護師国家試験の概要

看護師国家試験の概要については、毎年8月初旬に官報で発表されるとともに、厚生労働省ホームページに掲載されます。変更点や改正点がないか、受験前に必ず目を通しておきましょう。ここでは、問題種別と第104回看護師国家試験(平成27年〈2015年〉)の概要についてご紹介いたします。

問題種別

看護師国家試験は①「必修問題」、②「一般問題」、③「状況設定問題」で構成されています。
出題内容の詳細は『保健師助産師看護師国家試験出題基準 平成26年版』に示されており、これに準拠して出題されます。

問題種別 ①必修問題 ②一般問題 ③状況設定問題
(1状況あたり3連問)*
概要 出題基準は「看護師としてとくに基本的かつ重要な知識及び技能について、専門基礎分野及び専門分野から構成」。基本的な知識があれば、必ず答えられる内容。 科目ごとの出題数は毎年ほぼ決まっているものの、解剖生理から疾患、看護ケアまで幅広く出題される。出題科目は「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」「健康支援と社会保障制度」「基礎看護学」「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「在宅看護論」「看護の統合と実践」。 患者の状況に応じて看護過程(アセスメントから看護計画の立案、実施、評価まで)を展開する応用力や判断力が求められる。現場に直結する内容のため、1問あたりの配点を高く設定(1問2点)。出題科目は「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「在宅看護論」「看護の統合と実践」。
配点 1問1点 1問1点 1問2点
出題数 50問 130問 60問
合計点 50点 130点 120点
評価基準 8割以上の正答率(=絶対評価)
※8割(50問中40問)以上の正答率が問われる「絶対評価」を採用。一般問題や状況設定問題の正答率が高くても、必修問題を8割以上クリアしなければ「合格」にならない。
一定以上の正答率(=相対評価)
※年によって合格ラインが変わる「相対評価」を採用。例年「6割以上」が目安。(第104回64.1%、第103回本試験66.8%、第102回64.0%)
試験時間 午前・午後合わせて5時間20分
近年は午前・午後各120問ずつの出題で、それぞれ2時間40分の試験時間で実施されている。

*平成24年〈2012年〉4月に行われた「医道審議会保健師助産師看護師分科会」の審議により、状況設定問題については従来の「1状況あたり3連問」に加え、「1状況2連問」でも出題される方針が示されました(総出題数の変更はなし)。第104回までのところ、2連問の出題はまだありませんが、今後出題される可能性は残っています。

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