第4章 腎・泌尿器領域の治療 尿道清潔間欠導尿(CIC) ~ ナースフル疾患別シリーズの看護師基礎知識 ~

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第4章腎・泌尿器領域の治療
尿道清潔間欠導尿(CIC)

導尿の方法

導尿とは

  • 導尿とは、尿道口から膀胱内にカテーテルを挿入し、膀胱内の尿を排泄させる方法をいう。
  • 導尿は、以下の場合に行われる。
  • 自力で排尿できない。
  • 検査における滅菌尿を採取する。
  • 抗癌剤などの薬剤を膀胱内に注入する。
  • 残尿測定検査(ただし、超音波検査が主流となってきたため、あまり行われていない)。

導尿に用いるもの

  • 導尿には、表2のものを用意する。
表2 導尿に用いるもの

導尿の流れ

  • <男性>
  • 患者に導尿について説明し、同意を得る。
  • 体位は仰臥位とし、膝は立てない。患部以外は、バスタオルなどで覆い、患者の羞恥心を和らげる。
  • 外尿道口周囲を綿球で消毒する。
  • カテーテルの先端に潤滑ゼリー(キシロカイン)などを塗り、尿道に挿入する(図4)。
  • 尿を流出させる。膀胱部を軽く押しても尿が出ないことを確かめた後、カテーテルをゆっくり抜去する。
  • 外尿道口周囲を消毒する。
図4 カテーテルの挿入
  • <女性>
  • は男性と同様。
  • 体位は仰臥位で、軽く膝を立てて開いた状態にする。
  • 外尿道口周囲を綿球で消毒する。
  • 尿道にカテーテルを挿入する。誤って腟に挿入した場合は、新しいカテーテルを使用する。
  • 尿の流出を確認する。下腹部を軽く押しても尿が出ないことを確かめた後、カテーテルをゆっくり抜去する。
  • 外尿道口周囲を消毒する。

間欠導尿

  • 間欠導尿とは、排尿障害のある人が、治療のために1日数回、導尿を行うことをいう。
  • 無菌間欠導尿(SIC)は、無菌的に導尿を行うことであり、それに対し清潔間欠導尿(CIC)は、厳重な無菌操作に関係なく行う導尿法である。
清潔間欠導尿(CIC)
CICの目的は、尿を定期的に排出させ膀胱内の感染を防ぐことである。
神経因性膀胱などで排尿困難の強い場合や、残尿が多量の場合が対象。
膀胱内圧を低くして、腎機能障害を防ぐ。
膀胱機能の回復をはかる。
QOLの向上をめざす。

起こりやすい合併症

出血
カテーテルが太すぎた場合に、尿道より出血がみられる。
カテーテルの先端に血液が付着している場合、カテーテルが尿道を刺激した可能性がある。
尿失禁
尿路感染、導尿の回数などに原因がある場合がある。
発熱
精巣上体炎、腎盂腎炎では、清潔間欠導尿を中止する。一時的にカテーテルを留置することもある。
抗菌薬を投与する。

看護のポイント

カテーテルが尿道に挿入できない場合は、無理に挿入しないこと。患者の緊張が原因の場合があるため、患者をリラックスさせるよう心がける。
器質的な原因でカテーテルが挿入できない場合もある。挿入できても尿道損傷を起こす危険があるため、医師に相談することが大切。

清潔間欠導尿(CIC)の流れ

  • 患者に自己導尿を指導する際のポイントを紹介する。

清潔間欠導尿(CIC)の流れ-男性

  • 石鹸を使って手指をよく洗い流す。
  • 衣類を下げて、洋式トイレまたはイスに腰掛ける。
  • 陰茎が垂直になるように片手で保持し、消毒液をつけた脱脂綿で尿道口を消毒する。
  • カテーテルの先端に潤滑油、キシロカインゼリーなどを塗る。
  • カテーテルをゆっくり挿入する。15~20cmほど挿入したところで尿が出るので、さらに2cmほど奥に入れて、排尿する。
  • 尿を完全に出し終えたら、ゆっくりとカテーテルを引き抜く。
挿入時に痛みがある場

CICの流れ-女性

  • 石鹸を使って手指をよく洗い流す。
  • 衣類を下げて、洋式トイレまたはイスに腰掛ける。鏡などを使って尿道口を確認する。
  • 消毒液をつけた脱脂綿で尿道口を消毒する。
  • 片手で陰部を広げ、尿道口にカテーテルをゆっくり挿入する。5cmほど挿入すると尿が出てくるので、さらに2cmほど挿入して、排尿する。
  • 尿を完全に出し終えたら、ゆっくりとカテーテルを引き抜く。
CICの時間、尿量、

カテーテル

  • 成人には、12~16Frのカテーテルを用いる。
  • カテーテルの種類には、ディスポーザブル(使い捨て)と再利用型カテーテルがある。
ディスポーザブルカテーテル
滅菌済みで、すぐに使える。
塩化ビニール製、ポリウレタン製がある。
使用後は、廃棄物として処理する必要がある。
再利用型カテーテル
使用後、カテーテルを水道水にて洗浄後、消毒ケースに入れて、再利用することができる。
ケース内の消毒液は、1日1回交換が望ましい。

患者への指導

  • 日常生活で、以下のことに気をつけるよう指導する。
  • 尿の色や血尿、濁りなど、尿に異常がみられる場合は、医師に相談する。
  • 高熱、性器の腫れなどが続く場合は、医師に相談する。
  • 外出先でも、決まった時間ごとに導尿する。
  • 自分の判断で、導尿を中断しないこと。自分で排尿できるようになっても、必ず医師の指示に従うこと。

看護のポイント

認知症の人や高齢者では、清潔間欠導尿は難しい。したがって、家族らによる導尿が行われるため、退院までに指導を行う。
指導は、プライバシーを配慮した場所で行う。
導尿時の疼痛は、回を重ねていくごとに軽減されてくることを理解してもらう。