第5章 整形外科の薬 鎮痛薬の種類とその特徴 ~ ナースフル疾患別シリーズの看護師基礎知識 ~

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第5章整形外科の薬
鎮痛薬の種類とその特徴

鎮痛薬や、疾患・症状ごとの治療薬について、種類と名称、特徴を解説しています。

鎮痛薬の種類とその特徴

鎮痛薬使用のポイント

  • 整形外科の治療で最もよく使用される薬は、鎮痛薬である。最近になって、疼痛に対する薬物療法の考え方が変わってきた。従来から使用されているボルタレン、ロキソニンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やオピオイド(麻薬性鎮痛薬)以外に、新しく使われるようになった薬がある。 これらの新しい薬は、難治性の痛みや長引く痛み(慢性疼痛)に効果を期待されており、疼痛疾患の治療に幅広く使用されることが予想される。

疼痛の分類

  • 痛みは、発生後の時間の経過によって急性疼痛慢性疼痛に分けられ、慢性疼痛とされる期間は約3か月以上である。 慢性疼痛には、急性疼痛が遷延化したものと、不安や不満を軽減する心理療法や経済的・社会的環境の調整が必要となるもの、いわゆる難治性慢性疼痛の2種類がある。前者には従来から使用されているNSAIDsなどの鎮痛薬が有効であるが、後者にはそれらがあまり有効でないという点に、注意が必要である。 痛みはまた、その原因によって①侵害受容性疼痛②神経障害性疼痛③心因性疼痛、の3つに分けられることが多い。慢性疼痛の場合は、患者ごとにこれらが異なる割合で複雑に混在し、難治化に関与していると考えられている。 難治性慢性疼痛の多くは神経障害性疼痛の要素をもっており、痛みの刺激伝達を支配する神経(脳・脊髄・末梢神経)のいずれか、または複数に支障が生じていると考えられている。
痛みの分類と慢性疼痛

慢性疼痛の治療薬の変化

  • 疼痛患者の多くは、日本では整形外科を中心に受診しており、これまでは急性疼痛、またはそれが遷延化した慢性疼痛としてNSAIDsが投与されてきた。しかし近年では、NSAIDsによる薬物療法が有効でない場合には、神経障害性疼痛や心因性疼痛の関与を考えるべきとされ、別の作用機序の薬剤が投与されるようになってきた。 鎮痛補助薬と呼ばれるものには抗うつ薬抗てんかん薬などもあり、鎮痛を目的として投与されることに一見疑問を抱かせる。しかし、これらは神経障害性疼痛や心因性疼痛のような機能性疼痛への有効性が評価されており、今後さらに使用される機会が増えるのではないかと予想される。 また、これまで慢性疼痛に使用できたオピオイド製剤の多くは注射剤だったので、持続的な慢性疼痛へは不向きだった。しかし、デュロテップMTパッチ、ノルスパンテープなど、使用しやすいオピオイド貼付剤(貼り薬)ができ、強い鎮痛効果とともに、持続的な作用が期待できるようになった。しかし、使い方によっては重篤な副作用(薬物依存、呼吸抑制など)を引き起こすので、これまでの鎮痛消炎貼付剤とは扱い方が大きく異なる点に注意が必要である。