第3章 代表的な臨床検査法 下肢 ~ ナースフル疾患別シリーズの看護師基礎知識 ~

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第3章代表的な臨床検査法
下肢

整形外科領域の疾患と合併症について、病態のポイントや症状、診断、治療方法などを解説しています。

腓骨神経麻痺

病態のポイント

  • 腓骨神経は坐骨神経が腓骨神経に枝分かれして伸びたもので、膝関節より遠位の外側面を支配している。その腓骨神経が圧迫や損傷を受けることによって、下腿に障害が起こる。
  • 軽症の場合は正座をして足がしびれたときのような感覚だが、重症になると、足や足趾を背屈できない運動麻痺を生じる。
  • 術後や長期臥床の患者が膝の外側を圧迫し続けることなどが原因で起こる。また、下肢の外傷後にギプスで腓骨神経を圧迫されることによって生じるケースも多い。
腓骨神経が損傷しやすい部位

症状

  • 長時間足を組んだ場合や一時的な膝外側の圧迫の場合は、一過性のしびれ感が生じる。
  • 腓骨神経にダイレクトに損傷を受けた場合や長時間の圧迫による場合は、足や足趾を自力で背屈することができない(下垂足)。尖足となり、歩行困難が生じる場合もある。
  • 軽症の場合の簡易検査では、腓骨頭周囲を指先で軽くたたくと、足の甲部分にしびれや違和感を覚える(ティネル様徴候)。

治療方法

  • 一過性の軽症なら、原因となっている圧迫を取り除き、良肢位を保ちながら、自然に治癒するのを待つ。運動麻痺の回復傾向がみられない場合は、尖足予防の装具を作製する。
  • 腓骨神経痛に対する根本的な治療法は、確立されていない。鎮痛剤投与や、痛みを軽減する対症療法を行う。
  • 腓骨神経そのものが損傷されたような重症例では、外科手術が行われる。

看護のポイント

■術後に腓骨神経を圧迫しない姿勢をとらせることや、膝下に枕を入れること、ギプスで圧迫しないことが大切である。
■離床まで、足関節や足趾が背屈できることを経時的に観察する。

外反母趾

病態のポイント

  • 母趾が、第1中足趾節関節(MTP関節)で腓骨側に外反している状態である。進行すると第1中足骨が内転し、MTP関節が突出して、滑液包炎(バニオン)を生じる。 女性に多く発症する。遺伝や扁平足などの内因によって生じることもあるが、ハイヒールのようにつま先の幅が細く、踵の高い靴による締め付けが大きく影響する。
外反母趾

症状

  • 母趾の変形母趾MTP関節の圧痛発赤腫脹がみられる。

治療方法

  • 疼痛がある場合は、まず靴の選択長時間歩行の禁止などの生活指導を行う。母趾の筋力強化のために足趾の運動ストレッチをしたり、関節の拘縮や疼痛軽減目的で装具を使用したりすることもある。
  • 保存療法で効果がない場合は、骨切り術などの手術を検討する。手術方法は150種類以上もある。

扁平足

病態のポイント

  • 足底の縦アーチが低下、あるいは消失した状態の総称である。
  • 重症度は、体重をかけたときの足部側面X線撮影で診断する。
足底のアーチ構造

症状

  • 小児期扁平足は、関節周囲の靭帯がゆるみ、踵部が外反してアーチがつぶれるもので、通常は疼痛を伴わない。
  • 成人期扁平足は、加齢による腱の変性体重の負荷長時間の立位歩行などが原因となる。足底や後脛骨筋にそって腫脹や疼痛がある。

治療方法

  • 小児の場合は、多くが成長とともに改善するため、足部内在筋強化運動を指導して、経過を観察する。成人の場合は、肥満解消の指導矯正体操外用薬温熱療法足底板使用などを行う。重症例では、手術を検討することもある。