第2章 主な代謝・内分泌疾患 尿酸代謝の異常 ~ ナースフル疾患別シリーズの看護師基礎知識 ~

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第2章主な代謝・内分泌疾患
尿酸代謝の異常

高尿酸血症

プリン体と尿酸

  • プリン体は、アデノシン三リン酸(ATP=エネルギーの貯蔵・運搬・供給の仲立ちとなる物質)や、核酸(DNA、RNA)の原材料となる物質である。
  • プリン体は、その多くが肝臓で合成されるほか、一部は食品からも摂取される。
  • プリン体が活用されたあとの最終代謝産物が尿酸である。
  • 尿酸は酸性物質であり、尿中・便中に排泄される。尿中に排泄されたものの多くは腎臓で再吸収され、体内には1200㎎前後の尿酸が常に存在している。これを尿酸プールと呼ぶ。
尿酸が再吸収される理由

腎臓での尿酸排泄の効率が高ければ、高尿酸血症や痛風は起こりにくい。そして、確かに糸球体では尿酸のほぼ全部が排泄されている。しかし、尿細管ではその90%以上が再吸収されてしまう。これには理由がある。もし糸球体で濾過された尿酸がすべて尿中に排泄されると、尿中の尿酸濃度がきわめて高くなる。すると、尿路のどこかで結晶化して、尿路結石が生じる恐れが出てくる。そのため、尿の尿酸濃度を低く抑えることが必要なのである。

原因・病態・症状

  • 発症のベースには、遺伝的素因がある。
  • 高尿酸血症(≧7.0㎎/㎗)は、肝臓での尿酸産生が過剰になる、腎臓などからの尿酸排泄が低下するなどの病態に分類できる。また、その混合型もある。
  • プリン体の多い食品への嗜好、アルコール摂取の習慣化、ストレスの蓄積などの生活習慣は、発病・進行を助長する。
  • 高尿酸血症が発症して痛風の発症に至ると、その症状が現れる。
■高尿酸血症の分類

痛風

原因・病態

  • 痛風は、高尿酸血症(≧7.0㎎/㎗)が持続・進行して起こる。
  • 発症には高尿酸血症の存在があるが、生活習慣、とくに欧米化した食生活と、アルコール摂取量の増加が深く関与している。また、肥満やストレスの過剰蓄積、激しい運動なども発症にかかわっている。
  • 尿酸は、血清中の濃度が7.0㎎/㎗で飽和状態になり、それを超えると結晶化を始める。それが関節液内に析出すると、急性関節炎を起こす。これが、痛風である。
  • 尿酸の結晶が析出するのは、全身の関節部(とくに下肢に多い)のほか、腎臓や尿路、皮下組織、腱、軟骨などにもみられ、それぞれの症状を現す。
  • 痛風は、30歳代以降の男性に起きることが多く、女性では、閉経期を過ぎている場合を除き、発症がきわめて少ない。
■痛風患者数の推移

症状

  • 痛風発作は、足の親指の関節から始まることが多い。主症状は、突然起こる激痛で、発赤やはれを伴い、歩行が困難になる。この痛みは、数日から1週間程度持続する。
  • 痛風発作は、放置しているうちに痛む関節が増えたり、発生間隔が短くなったりする。
  • 慢性化すると、腎臓では痛風腎、尿路では尿路結石、皮下組織や腱、軟骨などでは結節が生じる。腎臓の異常を放置すると、腎機能低下を招く。また骨の萎縮が生じることもある。
■尿酸血症の析出や痛風結節が生じやすい部位