第2章 主な代謝・内分泌疾患 肥満症 ~ ナースフル疾患別シリーズの看護師基礎知識 ~

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第2章主な代謝・内分泌疾患
肥満症

肥満症

皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満

  • 肥満症とは、体内の脂肪組織に中性脂肪(トリグリセリド)が過剰に蓄積しており、それが原因となって、健康を害する障害が発生しているか、またはそれを想定できる状態にあり、治療を要すると判断される病態をいう。
  • 肥満には、皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満がある。このうち内臓脂肪型肥満は、メタボリックシンドローム、動脈硬化の原因となることから、より厳格な治療が必要とされる。
  • 内臓脂肪型肥満は、動脈硬化を促進する各種生活習慣病(糖尿病、脂質異常症、高血圧など)の発症因子となる。
■皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満

原因・症状

原因
遺伝的素因をベースにして、さまざまな環境・生活習慣因子や内分泌代謝因子、心理的因子などが誘因となり、発症するものと考えられる。
誘因の最大の要件は、ほとんどの場合、過食である。すなわち、消費エネルギーに見合う分以上のエネルギー摂取が習慣化していることが原因となる。
症状
皮下脂肪型肥満は、主に下半身の皮下に脂肪が蓄積して体型が洋なし状になる(下半身肥満・洋なし型肥満・殿部型肥満)。
内臓脂肪型肥満は、内臓の周囲に脂肪が蓄積して体型がりんご状を呈する(上半身肥満・りんご型肥満・腹部型肥満)。
■減量(治療)が必要なケース

メタボリックシンドローム

概念

  • 内臓脂肪型肥満、脂質異常症、耐糖能異常 (糖尿病)、高血圧は、それぞれ同じような原因・誘因のもとに発症し、それぞれは単独でも、動脈硬化性疾患を引き起こす要因になる。
  • それらの要因が、単独でなく複数重なると、動脈硬化性疾患の発生・進行は、より高頻度となる。
  • メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満の存在をベースとして、それに脂質異常症(高トリグリセリド血症または低HDL-C血症)や高血糖、高血圧が2つ以上重なっている状態である。メタボリックシンドロームの判定についてはこちらを参照。
  • 各要因は、同様の背景(主に不適切な生活習慣)のもとに発症することが多いため、1つが存在すれば、ほかの要因も存在しやすいことに留意する必要がある。
内臓脂肪型肥満の存在をベースにする理由

内臓脂肪型肥満も、脂質異常症などメタボリックシンドロームのほかの要因も、それぞれ単独で動脈硬化の促進要因になる。そのなかで、とくに内臓脂肪型肥満の存在を重視するのには、理由がある。たとえば脂質異常症がある場合に、それに適切な対応をしても、ほかに重なる病態があれば、それはそれで対応しなければならない。ところが内臓脂肪型肥満への対応は、動脈硬化を促進する各病態への対応とも重なるため、同時に行えることになる。これが、内臓脂肪型肥満の存在と、その治療を重視する大きな理由になっている。

■メタボリックシンドロームと動脈硬化