第1章 解剖と生理機能 脳の解剖 ~ ナースフル疾患別シリーズの看護師基礎知識 ~

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第1章解剖と生理機能
脳の解剖

脳神経疾患を理解するうえで必要な脳の解剖について、わかりやすく解説していきます。

脳の構造

脳のしくみ

  • 脳は大脳、間脳、脳幹、小脳に分けられる。
  • 大脳は、左右2つの大脳半球から構成される。2つの半球は、脳梁と呼ばれる神経線維でつながっている。
  • 間脳は、視床、視床下部、松果体から構成される。大脳に覆われているため、外側からは一部しか見えない。
  • 小脳は、左右の小脳半球、虫部(小脳半球の間の部分)から構成される。
  • 中脳、橋、延髄を脳幹と呼ぶ(間脳を含む場合あり)。
脳

髄液の循環経路

髄液の流れ

  • 脳脊髄液(髄液)は両側の側脳室、第3・第4脳室にある脈絡叢で生産され、第4脳室のルシュカ孔とマジャンディ孔からくも膜下腔に出る。ここから髄液は脳表をめぐり(一部は脊髄くも膜下腔に流れる)、最終的にくも膜顆粒から静脈洞へと吸収される。
  • 髄液の総量は130~150ml。1日の産生量は500~700mlで、1日のうちで3~4回入れ替わることになる。
  • 髄液には、身体に加わった衝撃が、直接脳や脊髄に加わらないようにするショックアブソーバーの役割がある。
髄液の循環

脳・脊髄の血管系

脳の血管系

  • 脳には、椎骨動脈内頸動脈が栄養を送っている。
椎骨動脈
左右対称に1対あり、後頭蓋窩と後頭葉の大部分を灌流する。
脳幹の前面で合流し脳底動脈となり、再び分岐して左右の後大脳動脈となる。後大脳動脈は、後頭葉と側頭葉底部を走行している。
内頸動脈
左右対称に1対あり、大脳の大部分を灌流する。その源である総頸動脈の始まりは左右で異なる。
頭蓋内で前大脳動脈と中大脳動脈に分岐し、左右の前大脳動脈は前交通動脈で結合している。
前大脳動脈は前頭葉、頭頂葉の内側を走行している。
中大脳動脈は前頭葉、側頭葉、頭頂葉の外側を灌流しており、大脳の動脈では最も広い範囲にわたる。
脳の動脈

脊髄の血管系

  • 脊髄は、椎骨動脈、肋間動脈などから出た脊髄枝によって栄養が送られる。
  • 脊髄枝は、前根動脈と後根動脈に分かれ、前根動脈は前脊髄動脈に、後根動脈は左右の後脊髄動脈に合流する。
脊髄の動脈

脳・脊髄の神経

中枢神経と末梢神経の分布

  • 中枢神経は、脳と脊髄を指す。
  • 末梢神経は、中枢神経から出入りする神経をいう。末梢神経には、脳から直接出入りする脳神経と、脊髄から出入りする脊髄神経がある。
神経の分布

末梢神経の機能

  • 脳神経の大部分は脳幹部(中脳、橋、延髄)から出ている。脳神経は主に眼、耳、鼻、のど、頭、首といった頭頸部にある機能のコントロールにかかわっている。
  • 末梢神経を機能からみると、運動や感覚を司る体性神経系と、自律神経系がある。
体性神経系
末梢神経から中枢神経へ向かう神経を求心性神経(感覚神経)、逆に中枢神経から末梢神経へ向かう神経を遠心性神経(運動神経)という。
求心性神経は感覚器官からの情報を中枢神経へ、遠心性神経は中枢神経からの運動指令を骨格筋へ伝える。
自律神経系
自律神経系は、意思に関係なく内臓などの機能を調節する。
緊張したり興奮したりした際に働く交感神経と、平常時やリラックス時に働く副交感神経がある。
脳神経