認定看護師 手術看護の資格紹介|看護師の転職や求人ならナースフル


手術看護 の認定看護師ってどんな仕事?

緊迫した手術室でベストを尽くすオペ・ナース

手術医療は医療機器の進歩や手技の高度化が進んでいます。手術中の患者は受け身の状態であり、生命を医療従事者に委ねており、看護師は患者の擁護者として患者の立場に立った看護の実践が求められます。

手術看護では、術前、術後訪問などから情報収集し、患者の身体面、心理面、社会面のアセスメントを行い、患者の安全、安楽を担保するだけではなく、患者が主体的に手術を受けられる意思決定の支援を行うことが重要です。同時に、手術を受ける患者の立場に立って、外来、病棟、手術室と担当看護師が変わっても、その情報を共有し、継続的な看護を実践することが重要となります。手術看護認定看護師は、事前の情報共有をはかるとともに、手術中は多職種が専門性を発揮できるようなチームマネジメント能力を発揮して、最新の情報や専門的知識による根拠に基づいた看護の実践モデルとなることが求められます。

認定看護師として活躍するナース~Close Up Interview~

手術中の患者安全を確立するために多職種の調整をはかり環境整備に取り組む 東京厚生年金病院 手術看護認定看護師 工藤博子

PROFILE

工藤 博子 (くどう ひろこ):

2000年に東京厚生年金看護専門学校を卒業後、東京厚生年金病院に入職。2009年、手術看護認定看護師資格を取得。

キッカケから資格取得まで

手術看護を極めるために
外科病棟への異動を希望

 手術室に新人として入職したての頃は無我夢中でしたが、手術の立ち会いだけでなく、手術を円滑に進めるための器械の組み立てや洗浄といった補助業務にもやりがいを感じていました。手術が無事に終わったときの達成感も大きく、いつしか手術室が自分の居場所だと感じるようになりました。

 日本手術看護学会の元理事で、入職当時からお世話になっていた当時の看護師長の勧めもあり、認定看護師教育課程への進学を考えていましたが、その前に患者さまの手術前後の病棟での生活や必要な看護を知りたいと思い、外科病棟に異動しました。外科病棟では手術室での経験を活かした術前術後の説明や術後の観察、ストーマケアや創傷処置、手術後入退院を繰り返していた患者さんの看取りなど様々な看護を経験しました。手術室の経験だけではアセスメントが苦手になりがちですが、外科病棟での経験は教育課程に進む際にも非常に役に立ちました。

取得してよかった事

参考書の画像

ハイリスク患者では体位固定後の体圧を測定し、40mmHg以下になるまで物品を工夫します。参考書は、教育課程の実習中(左2冊)、卒業試験と認定試験前(右1冊)に活用。他にもたくさんある文献は現在も大活躍中。

教育課程は知識を教わる場ではなく
自ら学び考える場

 教育課程に進学すれば、何でも教えてもらえ、たくさんのことが身につくのではないかという期待がありました。しかし、教育課程は単に教えてもらう場ではなく、教えてもらったことをヒントに自分たちで考える、学びに行く場だと実感しました。また、自分の目標を達成するためには、適切な方法でステップをふまなければいけないことを看護管理の講義を始め、様々なグループワークを通して学ぶことができました。学びの成果を実感したのは、病院に戻ってからです。

 教育課程では、同期生とディスカッションすることで自分の知らなかった看護や物品を知ることができたり、それぞれが抱える同じような悩みを共有できたのもいい経験でした。同期生だけでなく認定看護師の先輩・後輩との出会いによってさまざまなネットワークができましたし、最新の情報も得られるようになりました。

現在の活動とこれからの目標

細心の注意をはらう工藤さんの画像

手術室では室温だけでなく、ベッドや掛物の温度にも細心の注意をはらう。「手術台に横になったときに『温かい』と思ってもらえる瞬間を大切にしています。と工藤さん。

褥瘡予防や体温管理を中心に
ベストな手術看護をめざす取り組み

 病院勤務を経て教育課程を終え、4年ぶりに手術室に戻ったとき、教育課程で学んだベストな看護と現実とのギャップに、最初は衝撃を受けました。何とかしなければと空回りした時期もありましたが、できることからはじめようと、まずは褥瘡予防に取り組みました。物品を揃えるだけでなく、患者さまのリスクに応じたプランの立案と看護実践の指導は現在も続いていますが、指導だけでなく、共に実践することを心がけています。リスクの高い患者さまの褥瘡が予防できたときなどにスタッフが喜ぶ顔をみるのも、うれしい瞬間です。

 また、術後の合併症予防のための体温管理も、麻酔科医・外科医師の意見を聞きながら加温する部位を選択できるよう様々な加温具を導入し、直腸温が主流であった体温測定の方法も、正確でより低侵襲な膀胱温に変更するとともに、術式やリスクに応じた深部体温測定ができるよう周知しました。

 病棟間との連携では、病棟と手術室間で申し送るためのチェックリストの大幅改訂を行い、術後の観察や指導に役立てるための病棟看護師の手術室見学も開始しました。病棟看護師も術中の様子を知ることで理解が深まり、自信をもって患者さんに説明できるようになったと思います。今後は、WHOの手術患者安全チェックリストを全面導入したり、定期的な病棟ラウンドの実施や、手術室スタッフによる術後訪問の全例実施などが目標です。

認定看護師を目指す方へ

認定看護師のネットワークを活かし
手術看護の組織的なルール確立を

 手術看護分野の認定看護師は、まだ全国に250人もいないくらい非常に少数ですが、手術を受ける患者さんの安全保障に貢献できていると思います。ネットワークを活用しながら組織的にさまざまなルールを確立していくには、専門的な教育を受けた認定看護師が活躍できる面は多いと思います。

 いま、手術室はどこも人手が不足しています。手術分野は執刀医と麻酔科医との協働作業なので、診療報酬上の加算を得ることは難しいですが、患者さんの安全を確立するためにも私たちが声をあげていかなければいけないと思います。そのためには、認定看護師の働きかけと、学問としての確立が必要ではないかと感じています。一緒にがんばりましょう。

東京厚生年金病院 手術室看護師長 田村 浩子さん

工藤さんはスタッフとして働きながら、認定看護師としての技能を発揮してくれています。スタッフにも積極的に声をかけて指導していますし、専門知識が豊富なので、卒後教育のレポートの指導役なども任せています。役割モデルとしても期待していますので、よりリソースナースとして活躍できる環境を整えてあげたいと考えています。

取材日:2013年4月8日

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