認定看護師 緩和ケアの資格紹介|看護師の転職や求人ならナースフル


緩和ケア の認定看護師ってどんな仕事?

疾患・病期を問わず患者と家族の痛みや苦しみを緩和するケアを実践

生命を脅かす疾患をもつ患者には疼痛だけでなく、呼吸困難や全身倦怠感、浮腫などの苦痛が伴います。患者とその家族を対象に、早期から身体的、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を全人的に評価するとともに、予防、緩和のためのアプローチをはかることで、QOL改善に努めます。また、緩和ケア認定看護師は、人生の終焉を迎える患者とその家族が直面する葛藤、喪失、悲嘆を傾聴し、最期までその人らしく生きることができるように支援します。病院やホスピス、在宅など、療養の場が多様化するなか、他職種とも連携をはかり、緩和ケアを必要とする患者や家族が安楽に過ごしたり、尊厳をもって生活できるような看護実践が求められます。また、看護師の指導・相談を通じて緩和ケアの質の向上に貢献する看護師の育成を行います。

認定看護師として活躍するナース~Close Up Interview~

PROFILE

伊東 和美(いとう かずみ):

1996年に国家公務員共済組合連合会立川病院附属立川高等看護学院を卒業後、立川病院に入職。2009年、緩和ケア認定看護師資格を取得。

キッカケから資格取得まで

看護師という仕事の限界を感じ、退職も考えたが
知識を得て仕事の幅を広げることを決意

 看護学生時代に実習で終末期のがん患者さんを受け持ったことや、身内との死別体験などを通じて、入職時から終末期看護に関心がありました。がんの痛みやつらさを抱えた患者さんに何かケアができないかと考えていたなか、あるホスピスの研修会で「正しいアセスメントを行い、適切なケアと薬剤の使用によってがんの苦痛の多くは緩和できる」という話を聞き、目からウロコが落ちました。こうした知識をスタッフに伝えることで、限られた時間でもおだやかにその人らしく生活することを支援できるのでは、と思いました。

 けれども私の知識の曖昧さからか、他の看護師に言いたいことがうまく伝わらなかったり、患者さんの思いは十分に聞いていながらも、症状緩和と意思決定の場面で医師の理解が得られずケアにつなげることができなかったり、看護師としての限界を感じることがありました。自分自身がつらくなり、この仕事を辞めようと思ったこともあります。いま思えば「私の言いたいことが伝わらないのは、理解してくれない相手のせいだ」と思っていたのかもしれません。それでも看護師としての仕事を続けていくうちに、「根拠を示せば相手に伝わるかもしれない」「そうすれば看護師としてできることが広がるのではないか」と考えるようになり、認定看護師教育課程への進学を決めました。

取得してよかった事

「患者さんの“死にたい”という言葉は、“死にたいくらいつらい”というメッセージです。それをわかってあげたい」と語る伊東さん。

言葉の裏にある感情に目を向け
患者の心の揺れに寄り添う

 一番よかったことは、根拠を示すことで、医師への提案も、看護師への指導も、受け入れてもらいやすくなったことです。また、以前は目に見える症状や患者さんの言葉をそのまま受け止め、看護師として良い答えを示さなければいけないと焦ったり、迷ったりしていましたが、そういうこともなくなりました。教育課程で患者さんの行動や言葉の裏にある感情に目を向けることの大切さを学び、「患者さんの心の揺れを受け入れ、私も一緒に揺れていいのだ」と考えられるようになりました。いまは、そのなかで患者さんが思いを整理し、自ら答えが出せるように支援していければと思っています。

 緩和ケアは、がんの早期から遺族のケアまで幅広い領域ですが、専門性がわかりにくい領域でもあります。患者さんの気持ちの揺れやつらさを傾聴しながら、そのときどきで必要な専門領域へとつなぐ橋渡しができればと思っています。

現在の活動とこれからの目標

マザーテレサの本は、教育課程進学前の事前実習先での指導者である緩和ケア認定看護師からプレゼント。折に触れて開き、愛にあふれた言葉を読み返す。お守りのような存在だ。

院内全体で看護の基礎である
アセスメント能力向上の指導にあたる

 現在は、月曜日に緩和ケアチームのラウンドを行い、木・金曜日は、緩和ケア外来とリンパ浮腫外来を担当しています。リンパ浮腫のケアは、緩和ケア認定看護師の特化領域の1つであったため、2011年にリンパドレナージセラピスト中級の資格も取得しました。浮腫のケアを行っている間に病気のつらさを話してもらい、少しでも穏やかな気持ちで帰ってもらえればと思っています。

 また、指導・教育の面では、アセスメント能力の向上が課題です。看護の基本は、患者さんを包括的にアセスメントすることから始まると考えており、認定看護師会として勉強会を企画しています。

認定看護師を目指す方へ

生活者としての患者を支える
専門性をもつ看護師が増えてほしい

 認定看護師の資格を取得することは、あくまでもきっかけだと思います。資格をとるために得た知識や技術をいかにその後の看護に活かし、磨き上げていくことができるかが大切です。生活者としての患者さんの支援は、看護の力を大いに発揮できる場です。より高い専門性をもった看護師が増え、患者さんを看護の力で多方面から支えられるよう、つながりを深めていけたらと思います。

立川病院 看護部長 五十嵐 裕子さん

伊東さんは当院の認定看護師第1号ということもあり、認定看護師のリーダー的な役割を担っています。今後もロールモデルとして活躍してほしいと考えています。他領域の認定看護師らとともに、人を理解すること、健康とは何か、看護とは何か、といったテーマを通じて院内の看護の基礎を整え、そのうえで緩和ケアの知識を広めてもらえればと思っています。

取材日:2013年2月24日

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