認定看護師 がん性疼痛看護の資格紹介|看護師の転職や求人ならナースフル


がん性疼痛看護 の認定看護師ってどんな仕事?

がん+疼痛の二重苦から患者を救う

がんの痛みは身体的なものだけでなく、精神的な痛み、社会的な痛み、スピリチュアルな痛みを総合したものです。がん性疼痛看護では、患者の痛みを全人的にアセスメントした上で医師と一緒に鎮痛薬の選択を行い、鎮痛薬の適切な使用について患者にも説明し、その疼痛治療の結果を再度アセスメントして、医師に情報提供してより良い疼痛緩和について繰り返しアプローチしていくことが重要です。病状の進行によって増強する痛みに対して、薬物療法の効果を評価検討しつつ、非薬物療法によるアプローチも検討します。がん患者と向き合いその人らしい生活ができるように支援を行います。

がん性疼痛認定看護師は、薬剤に関する専門的知識をもつことはもちろん、痛みの評価や痛みの緩和のためのアセスメントの視点や具体的な対応について、実践を通じて指導・教育していくとともに、緩和ケアに携わる多職種のスタッフと連携を図る調整役としての役割も担っています。

認定看護師として活躍するナース~Close Up Interview~

がん患者の多数は一般急性期病院で治療を受ける だからこそ痛みの緩和が重要になる

PROFILE

湯浅 歩(ゆあさ あゆみ):

2002年、国立療養所千葉東病院附属看護学校進学コースを卒業後、千葉社会保険病院に入職。2009年、がん性疼痛看護認定看護師資格を取得。

キッカケから資格取得まで

"なぜもっと痛みが取れないのか"
悩みをきっかけに認定看護師の道へ

 私は当院の外科・整形外科病棟に勤務して丸11年になります。外科はがん患者さんが多く、周手術期から再発後のがん化学療法、終末期までと長くかかわります。終末期に痛みを訴える患者さんのケアにあたるなかで、"患者さんがこれだけ痛みを訴えているのに、なぜもっと痛みが取れないのか"と悩んだこともありました。

 当院で緩和ケア委員会が発足し、メンバーとして活動を続けるなかで、認定看護師という資格があること、当院と同じ法人が運営する社会保険看護研修センターに、がん性疼痛看護の認定看護師教育課程ができることを知りました。同じ法人の研修センターへの進学ということもあり、病院も在籍のまま行かせていただくことができました。また、自宅から通学できましたので、環境には大変恵まれていたと思います。

取得してよかった事

共同で看護研究も行った皮膚・排泄ケア認定看護師の黒巣美津枝さん(左)や病棟看護師ともさまざまな情報交換を行う。

鎮痛薬は患者の状態に合わせた
調整が必要

 教育課程では著名な先生の方々から、がん専門病院などの緩和ケアへの取り組みを学び、こんなにすごいのかと感じました。しかし、がん専門病院や大学病院でがん治療や緩和ケアを受ける患者さんはごく一部に過ぎず、多くは当院のような急性期の一般病院で治療を受けています。その患者さんに関る、私達一般急性期病院の看護師が、痛みのない生活をができるように支援していかなければならないと感じました。

 教育課程で学んだことで印象的なことは、鎮痛薬の使用方法です。臨床経験豊富な緩和医師は単にエビデンスによって鎮痛薬の使用量を決めるのではなく、○○で患者さんごとの量や投与方法を決めているという印象を受けました。私は用法・用量どおりの投与が医療としての絶対条件だと思っていました。しかし、患者の痛みをとるためには、患者の痛みの状況にあわせてその都度、量や投与経路、組み合わせを調整したり、エビデンスレベルを超えて様々な組み合わせをしていくことも時には必要だということを学びました。

現在の活動とこれからの目標

『がん疼痛治療のレシピ』とペインスケールは常に携帯。「NO PAIN」の大きなバッジは患者さんとの会話にもつながる便利グッズ。

看護教育と曝露対策などに奔走
退院後のセルフケア支援を充実させたい

 緩和ケア委員会で、院内の疼痛緩和ケアマニュアルの整備や、外来でオピオイド初回使用患者に対しパンフレットを使用した説明・相談体制の整備などを行っています。また各部署ごとのリンクナースからの相談を受けています。最近では医師からの相談される機会も増え、活動の幅が広がりました。基本的には相談者に対してコンサルテーション的に関っていますが、医師-看護師、医師-薬剤師や薬剤師-看護師などの他職種間での相談に関しては直接介入して関係調整することもあります。

 当院は糖尿病患者や透析患者が多数入院してきます。糖尿病患者や透析患者は非がん疾患ではありますが、長い経過の中で多くの非がん性疼痛を抱えて生活されている方がいます。腎臓内科病棟や透析室のリンクナースからは、そうした非がん性疼痛に対しての疼痛緩和の相談もあります。がん性疼痛も非がん性疼痛も患者にとっては、つらい痛みであることには変わりありません。よってこれからは、非がん性疼痛に対しても十分に緩和ができるようにしていきたいと考えています。当院は幸い糖尿病認定看護、透析看護の領域で認定看護師がいますので、協働して対応していきたいと思います。

 また、病院全体の痛みの緩和に対するレベルアップのためには、看護スタッフに対する院内教育が重要だと考えています。がん性疼痛も非がん性疼痛にも共通する痛みに対するアセスメントの方法や評価の仕方について、基本的なことを繰り返し教育していくことを継続していきたいと思っています。

 2012年には認定看護師会が発足し、6人のメンバーで活動しています。認定看護師の活動を院内に周知してもらい、リソースとして活用してもらうために認定新聞の発行も開始しました。コンサルテーションシステムの院内統一を目的に、コンサルテーション用紙を作成しました。現在は院内でのコンサルテーションシステムを円滑に運用するための方法を検討しています。

認定看護師を目指す方へ

痛みが取れれば患者の役に立つ
常にその思いを持つことが大切

 私は病院のバックアップにも恵まれ、病院に在籍しながら学ぶことができましたし、修了後も同じ病棟に戻ることができました。学びの環境に恵まれず、退職したり転職したりする人もいます。認定看護師として病院にどんな還元ができるのかを示して交渉すること、交渉する能力を身につけることが重要だと思います。勉強することは力になりますし、社会人になってからの学びは、仕事の上でも人間としても役立ちました。もちろん学んだことがすべてそのまま使えるわけではなく、その病院ごと患者ごとにあわせて実践していくための継続した学びも重要です。

 また、がん性疼痛看護の場合、専従になるのは難しい領域です。それでも痛みが取れれば、患者さんのためになるということをとても実感できます。自分が何のために認定看護師として活動しているのか、と言う意識を常に持つことが重要だと思います。

千葉社会保険病院 看護科長 岡崎 加洋子さん

湯浅係長は、医師とも対等に話せるだけの薬の知識をもっていますし、スタッフが声をかけやすい人柄で、いつでも相談にのってくれています。もっと自分の活動に自信を持って、目に見える形でアピールして欲しいです。まだまだ女性が多い看護師の中でもキャリアを積んでいくことができるという、男性看護師の憧れの存在になって欲しいと思います。

取材日:2013年3月26日

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