認定看護師 不妊症看護の資格紹介|看護師の転職や求人ならナースフル


不妊症看護 の認定看護師ってどんな仕事?

生殖不妊医療の最新知識をもち個別性の高いアセスメントとケアを実践

医療技術の進歩とともに生殖不妊医療を取り巻く状況は大きく変化しており、不妊治療を受けるカップルは年々増加しています。不妊の原因は多様であり、治療を受けたい理由もカップルによって異なります。また治療期間が長期化したり、最終的に妊娠に至らない場合もあり、身体的負担や精神的負担、経済的負担の高い治療でもあります。そのため不妊の問題をかかえたカップルに対しては、個別性の高い継続的なアセスメントと身体的、精神的なケアが必要となります。

不妊症看護認定看護師は、生殖不妊医療に関する最新の知識をもち、不妊症に悩む方へのカウンセリングを行うほか、不妊検査、治療に関する情報提供と自己決定の支援を行います。また、医師やエンブリオロジスト(胚培養士)、臨床心理士などの他職種と連携をはかり、人権擁護と倫理的配慮に基づいた不妊症看護の実践が求められます。

認定看護師として活躍するナース~Close Up Interview~

不妊治療を受ける患者の思いにより添い 女性の一生にかかわっていきたい 聖マリアンナ医科大学病院 不妊症看護認定看護師 尾形留美

PROFILE

尾形 留美 (おがた るみ):

1996年に国立大蔵病院附属看護助産学校を卒業後、神奈川県立がんセンターに入職。2000年に神奈川県衛生看護専門学校助産師学科を卒業し、学校法人聖マリアンナ医科大学東横病院へ入職、2005年に不妊症看護認定看護師資格を取得。2009年、同法人聖マリアンナ医科大学病院へ転属。

キッカケから資格取得まで

不妊治療をうけて出産に至った方の中に
育児に自信のもてない女性が多く感じた

 私は看護師を目指したときから「女性の一生にかかわりたい」という思いがあり、3年間看護師としての経験を積んだ後、助産師資格を取得しました。

 助産師になってからは、不妊治療後に出産に至った患者さんとのかかわりも増えましたが、そこで私が感じたのは、不妊治療後に出産した方のなかに育児に自信のない方がいることでした。自然な妊娠ができないことで女性として否定されたような思いをかかえてしまったり、月経のたびに喪失体験を繰り返すことで心が傷つき、抑うつ状態になってしまう方もいるのです。

 その自信の喪失は、出産に至ってもすぐに回復できるものではありません。妊娠がゴールになり、その先の育児まで見据えることができない方がいることも理由のひとつだと思います。こうした精神的な面をより深く理解するために勉強したいと思い、不妊症看護認定看護師の教育課程への進学を決めました。また、当時の上司から自分の強みをもつことの大切さを常々教えられていましたので、その影響も大きかったと思います。

取得してよかった事

患者説明用スライドの画像

教育課程で「不妊看護マニュアル」と患者説明用スライドを作成。男性の場合、妊娠の成立から説明する必要があることも。

チーム医療の推進による
精神的なサポートが重要

 教育課程では、当院でも行っていない最新の不妊治療の知識も学ぶことができ、驚きの日々でした。また不妊の原因は、遺伝的なものや染色体異常などもあり、医師と看護師の関わりだけでは困難なケースもあります。教育課程では、看護師の患者さんへのかかわりだけでなく、医師や胚培養士、臨床心理士、遺伝カウンセラーなどが連携するチーム医療の重要性についても深く学ぶことができました。

 看護カウンセリングの講義では、患者役と看護師役に分かれて1対1でロールプレイングを行い、その様子を映像で振り返りながら同期生が互いに評価する授業が非常に勉強になりました。不妊治療を受ける患者さんのなかには、自分ではもう止めたいと思っていても、ご主人の希望を受け入れてがんばって治療を続ける方もいます。夫婦の問題なので私たちにはどうすることもできませんが、思いを傾聴して、寄り添っていくことが大切なのだと思います。

現在の活動とこれからの目標

尾形さんの画像

「たとえ、出産に至らなくても不妊治療をしてよかったと思ってもらえるようなかかわりを続けたい」と尾形さんは話す。

がん治療後のQOL向上のためにも
事前の情報提供に力を入れたい

 ほかの不妊症看護認定看護師とともに、毎週土曜日の午前中に個別の不妊相談と集団での体外受精の相談会を行っています。また、川崎市の不妊専門相談の相談員や、卒業した助産師学校で不妊看護の講師を務めるなど院外でも活動しています。地域での勉強会では、他施設の不妊症看護認定看護師とも情報交換やつながりができ、世界が広がりました。

 不妊治療は産婦人科だけだと思われがちですが、がん治療によって妊孕性が低下する若い女性患者さんが増えています。がんの治療前に卵子や受精卵、卵巣の凍結を行うという選択肢もありますし、今後は、治療後のQOLを保つためにも事前にこうした情報を患者さんに伝える活動ができればと考えています。最近は初診年齢が高くなり、治療をしても妊娠が困難な患者さんが増えていますので、とくに若い世代には、仕事のキャリアと同時に結婚、妊娠、出産といったライフプランも考える必要があることを伝えていきたいと思っています。

認定看護師を目指す方へ

他分野との協働で仕事の幅が広がり
やりがいにもつながる

 自分の興味惹かれる分野があればぜひそれを追求していただきたいと思いますし、それが仕事の楽しみにつながると思います。当院では認定看護師数が40名弱いますし、専門看護師もいますので、いろんな分野と協働しながら活躍することができます。病院全体で活動ができるようになり、仕事の幅も広がるので、それもやりがいになると思います。

聖マリアンナ医科大学病院 看護部 師長 塚本 孝枝さん

尾形さんは調整力やコミュニケーション能力が高く、外来副師長としても力を発揮しています。当院では生殖内分泌領域に力を入れているので、その能力を発揮して引っ張ってもらいたいですね。また、尾形さんは不妊領域に限定されず、大学病院で求められる高度なアセスメント能力をもっていることも強みですので、ほかの不妊症看護認定看護師のモデルとなるような活動を期待しています。

取材日:2013年3月22日

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