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オレンジプランで示された「認知症初期集中支援チーム」とは?

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認知症ケアに求められる早期診断・早期対応への転換

高齢者が住み慣れた地域で最期まで安心して生活を送るためには、地域の受け皿の整備が欠かせません。
しかし、これまでは行動・心理症状が出現するなど、認知症が進行した状態で医療機関を受診する患者さんも多く、継続的な認知症ケアができていないなどの課題が挙げられていました。
そこで厚生労働省の「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」では、認知症の早期診断、早期対応の施策として次のようなものを打ち出しました。

  • かかりつけ医認知症対応力向上研修の実施
    ※2017年度末までに受講者数50,000人目標
  • 認知症サポート医養成研修の実施
    ※2017年度末までに受講者数4,000人目標
  • 「認知症初期集中支援チーム」の設置
  • 早期診断等を担う医療機関約500か所整備
  • 地域包括支援センターにおける包括的・継続的ケアマネジメント支援業務の一環として多職種協働で実施される「地域ケア会議」の普及・定着

認知症の人が増加するなかで、従来の認知症対策・ケアからの転換を図り、早期支援、危機回避支援機能を整備し、早期・事前的な対応を充実させることが求められています。
その役割を担う柱となるのが「認知症初期集中支援チーム」です。

「認知症初期集中支援チーム」による取り組み

「認知症初期集中支援チーム」は、対象者本人や家族などの訴えに応じて、複数の専門職が認知症患者やその家族などを訪問します。
アセスメントを行ったうえで、受診が必要かどうかなどをチーム員会議で決定し、さらに認知症疾患医療センターなどへの紹介、かかりつけ医や認知症疾患医療センターとの情報共有、介護専門相談員への引き継ぎなども行います。
家族支援も含め、初期段階の支援を集中的かつ包括的に行うことで、自立した生活のサポートを行います。
ケアの対象となる条件は下記の通りです。

〈対象者〉

(1)40歳以上、在宅で生活している人

(2)(1)に該当し、なおかつ認知症が疑われる人、または認知症の人で以下の基準に該当する人
●医療サービス、介護サービスを受けていない人、または中断している人で次のいずれかに該当する人

  • 認知症疾患の臨床診断を受けていない人
  • 継続的な医療サービスを受けていない人
  • 適切な介護保険サービスに結びついていない人
  • 診断されたが、介護サービスが中断している人

●医療サービス、介護サービスを受けているが、認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している

65歳以上の高齢者のうち、介護保険制度を利用している認知症高齢者(日常生活自立度Ⅱ以上※1)は約280万人と推計されています※2
この約280万人はもとより、約160万人の日常生活自立度Ⅰ※3または要介護認定を受けていない人、近年増加している軽度認知障害(MCI)の人の一部も対象としているのが、「認知症初期集中支援チーム」の活動のポイントといえるでしょう。
同チームの活動を通じて支援の手が行き届いていない人を拾い上げ、早期介入を行うことで地域での生活継続を可能にすることを目指しています。

※1 認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ:日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる
※2 厚生労働省「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の高齢者数について
※3 認知症高齢者の日常生活自立度Ⅰ:何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している(在宅生活が基本であり、一人暮らしも可能である。相談、指導等を実施することにより、症状の改善や進行の阻止を図る)

2018年4月には全市町村で開始

「認知症初期集中支援チーム」のチーム員は計3名で構成されます。
まずは一定の条件を満たす認知症サポート医1名以上。
そして保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、介護福祉士などの国家資格を有するスタッフは2名以上必要です。
スタッフについては一定以上(3年以上)の実務経験を持ち、「認知症初期集中支援チーム員研修」を修了、試験に合格した人でなければなりません。
ただし、現在はやむを得ない場合に限り、研修修了者が受講内容をチーム内で共有することを条件に、研修を受講していないチーム員の参加も可能となっています。
しかし、全市町村で開始となる2018年4月以降は、この要件が再度見直されるものとみられます。

「認知症初期集中支援チーム」が関わるのは概ね6ヵ月で、まさに短期集中的にチームが活動し、適切な介護や医療へとつなげていく役割を担っています。
認知症の人は症状の出方も個人差があり、家族や生活背景など個別性の高い介入が求められます。

現在、認知症初期支援チーム員研修の修了者は累計で2,692名(2016年第4回終了時点)となっていますが、専門知識を学んだチーム員は全国で必要とされています。
2016年度の研修の講義内容は国立長寿医療研究センターのホームページでみることができます。
興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。

参考
厚生労働省:認知症施策の推進について
厚生労働省:認知症初期集中支援チームについて
厚生労働省:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)概要
厚生労働省:「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」
(平成 25 年度から 29 年度までの計画)

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