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増加するモンスターペイシェント!看護師はこう見る、こう対応している

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現場の医療従事者や医療機関に対して理不尽な要求をしたり、脅しや暴言・暴力などを振るったりする患者やその家族——モンスターペイシェントが増加しているといわれています。警察OBの雇用や対策のマニュアルなどを整備する病院も増えていますが、対応に苦慮する医療機関も少なくありません。
では、実際に現場でモンスターペイシェントに遭遇した経験のある看護師はどのくらいいるのでしょうか。その実態についてアンケート調査を行いました。
※2015年1月、ナースフルメルマガ会員有効回答数433名へのアンケート

コミュニケーションによるトラブルがきっかけとなる患者の“モンスター化”

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勤務先でモンスターペイシェントが「問題となっている」と回答した看護師が54.3%と半数を上回りました。また、看護師自身が患者やその家族とトラブルになった経験は、71.8%が「1回以上経験あり」と回答。「5回以上経験がある」と回答した看護師も21.2%にのぼります。

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トラブルになったきっかけで最も多かったのは「コミュニケーション(患者に接する態度など)によるトラブル」でした。深刻なケースでは、警察への通報や弁護士への相談に至ることもある問題ですが、そのきっかけとなるのはコミュニケーショントラブルという、日常的なことであることが明らかとなりました。
次いで多いのが「治療方針」で、次に「待ち時間」と続きます。治療やケアの内容だけでなく、患者・家族同士のトラブルに巻き込まれるケースも27.0%ありました。その他の回答では「セクハラ」という回答もみられました。

看護師の4割弱が患者とのトラブルにより勤務や体調への影響を経験

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患者とのトラブルで受けた影響で最も多かったのは「心労により体調を崩した」でした。なかには配属先が変わったり、退職した人もいたりするなど、モンスターペイシェントの問題が看護師自身のキャリア形成、人生設計にまで影響を及ぼす大きな問題であることがわかります。
その他のフリーコメントでは「直接の担当でなくても勤務が苦痛と感じるようになった」「不眠症になった」「体調は崩していないものの、精神的ダメージを受けた」「他の仕事に支障が出た」「意欲が低下した」「自信をなくした」などの影響があったとの回答が寄せられました。

病気や治療の経過に対する不安感が患者を“モンスター化”させる?

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患者がクレームをつけたり、暴言・暴力などの行為に出ることの要因について、半数以上の看護師が「病気や治療の経過に対する不安感の現れ」であると回答しています。
一方で、「高圧的な態度に出ることで優越感を感じたい」「病気や治療方針などの医療的な要因とは異なるイライラをぶつけたいだけ」など、医療者もしくは治療の内容とは関係なく、患者側にのみ要因があるとする回答も得られました。

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実際に言葉や身体による暴力の被害を受けている看護師は多く、「言葉の暴力」33.9%、「身体的な暴力」28.4%、「訴えるなどの言葉による脅し」24.7%という回答でした。現場においてモンスターペイシェントが大きな問題であることがわかります。

現場での実態に比べて病院・施設での対応が追いついていない?

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モンスターペイシェントについては、3割の人が医療安全対策の一環として、「医療安全委員など担当者を決めている」と回答。「院内でマニュアルを整備している」ケースは3割近くでした。
しかし一方で「特に対策をしていない」という回答も3割以上にのぼるなど、現場での実態に比べて対応が追いついていない施設の実態も明らかになりました。
また、実際に行った対応としては、「医師や対応担当者を交えてなどの話し合い」が高い割合でしたが、「診療を拒否した」「転院してもらった」「警察に通報した」などの深刻な問題に発展したケースも一定の割合で存在することがわかりました。

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患者が“モンスター化”する背景として最も多かった「コミュニケーション(患者に接する態度など)によるトラブル」に呼応するように、対応として重要だと考えているのは「コミュニケーションを充実させる」ことであると回答する看護師が7割近くにのぼりました。
一方で、3割以上の人が「モンスターペイシェントはどんな対策をしてもなくならない」と回答しており、患者の意識を変えることの難しさを感じている看護師が多くいることもわかりました。


今回のアンケート調査、現場ではモンスターペイシェントが問題としてとらえられており、自身が経験のある看護師も7割以上いるという高い割合となっていました。言葉や身体的な暴力に加え、「インターネット上での誹謗中傷なども経験がある」と回答した看護師がいることから、院内だけでなく、さらに広く対策が求められること、患者と医療者間のトラブルを未然に防ぐためのコミュニケーションの充実など、組織全体としての取り組みが必要ではないでしょうか。


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