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看護あるある手技Q&A タッチングの方法と効果

看護あるある 手技Q&A > 生活介助・ケア 編

タッチングには疼痛緩和やリラクセーションの効果があると聞きますが、どんな理屈で説明できるのでしょうか?

下垂体後葉ホルモンであるオキシトシンの作用、痛みのゲートコントロール理論などが裏付けになると考えられているわ。

リコ:「触れるケア」としてタッチングというものがありますよね。
患者さんに対して前向きな影響がありそうなことは感覚的にわかるのですが、その効果は根拠があるものなのでしょうか?

ヨシミ:看護師が仕事をするうえで患者さんに触れることはよくあるけれど、それがやり方によってはケアになりうると知っている人は少ないかもしれないわね。
今回は「触れるケア」の方法と効果について考えてみましょう。

タッチングの効果には裏付けがある

「触れるケア」というのは、患者さんの体表を「触わる」「なでる」「さする」ことによるケアで、タッチング(タッチケア)という言葉で総称されることが多いわね。
タッチングによってリラクセーション効果をもたらしたり、疼痛を緩和したり、認知症の症状を改善させたりするとの報告がなされているわ。

例えば、不安や恐怖を感じたとき、誰かに頭や背中をなでてもらうことで安らぎを覚えるというのはよくある話よね。
また、痛む部位を誰かにさすってもらうことで痛みが和らいだという経験は、多くの人が持っているんじゃないかしら。
こうしたタッチングの効果は、どのように理屈づけられるのかしら?

1つには、下垂体後葉から分泌されるオキシトシンとの関連が指摘されているわ。
タッチングによってオキシトシンの分泌が促され、痛みの閾値の上昇(痛みを感じにくくさせる)、不安や恐怖感の緩和(ストレスに関連するコルチゾールのレベルを低下させる)、脈拍や血圧の安定化といった作用がもたらされるそうよ。
母性看護学で「オキシトシンは乳汁射出ホルモンまたは子宮収縮促進ホルモン」と勉強したと思うけれど、タッチングにもオキシトシンが関わっているなんて、ホルモンの世界は奥が深いわよね。

もう1つ、疼痛緩和に関してはゲートコントロール理論というものがあるの。
詳しい説明はややこしいから省くけれど、太い神経線維(Aβ線維)を刺激することで抑制介在ニューロンが活性化され、それによって中枢に痛みを伝えるT細胞が抑制されることで痛みを感じにくくなるという話なのね。
ここでいう「太い神経線維(Aβ線維)を刺激すること」がタッチングに相当し、結果として疼痛が緩和されると考えられているの。

効果的なタッチングの方法は?

「触れるケア」といってもいろいろな触れ方があると思うけれど、どのような触れ方をすれば効果的なのかしら?
下手に触れてしまったら、患者さんはかえって不快感を覚えてしまうものね。
そうならないためには、まずは声かけをしてケアの一環として体に触れてもいいかどうか、具体的な部位を含めて確認すべきだわ。
「お背中をさすってさしあげましょうか?」というようにね。

さすり方としては、手のひらを使った大きなストロークで、ゆっくりと優しく動かしましょう。
リラクセーション効果を狙う場合は、患者さんの肩や背中、手の甲をさするといいわね。
ただし、動かすスピードが速すぎると、交感神経を活性化させるためリラックスにつながらないとされているの。
また、疼痛緩和のためには、ある程度の圧力を加えながらさすることが必要だと考えられるわ(ゲートコントロール理論より)。
うまくタッチングを使いこなせるようになれば、看護のレベルが一段階アップするはずよ。


ケアすることを「手当て」とも呼びますが、それはタッチングのことを表しているのではないかとも思えるほどですね。

まさに「手当てが看護の原点だ」という見解もあるくらいなのよ。
忙しい臨床業務のなかでも、患者さんに触れることを疎かにしないように心がけたいわね。

【監修】安田 洋 先生

安田洋先生

目黒通りハートクリニック院長
医学博士/総合内科専門医/循環器専門医
東京内科医会理事

平成25年、目黒区鷹番に目黒通りハートクリニックを開院。
生活習慣病・心臓病のスペシャリストであるが、AGA/ED治療やピル外来・プラセンタ注射などあらゆる悩みに対応できるクリニック院長として活躍中。被曝が全くないエコー超音波検査による診断・治療がクリニックの特長。

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