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がん保険は月3,000円程度で十分?プロが教えるがん保険の見極め方

皆さん、こんにちは!
ナースフルらいふを担当している、伊集院よしみです。

このコラムでは、知らないと損をする「医療まわりのお金のお話」をお届けしています。

病状によっては治療が長引くこともある、がん。
前回の記事では、「貯蓄から治療費を出すのは難しい」「貯蓄が減るのは困る」という人はがん保険への加入を検討するとよさそう、というお話をしました。

とはいえ、どんながん保険に入ればいいかは難しいところ。
がん保険には次々と新しい商品が出てきており、商品によって、保障内容が大きく異なるからです。
きちんと選ばないと、「保険金が支払われると思っていたのに支払われない」ということもあります。
また、昔入ったがん保険は、「期待したほど役に立たない!」というケースも。

がん保険で失敗しないためには、この5項目をしっかりおさえておきましょう!

いざという時にしっかり役に立つ保険であるように・・・。
がん保険の基本や上手な選び方、また今入っているがん保険のチェックポイントを解説します。
さらに、プロが厳選したオススメの保険も紹介します!


※この記事の内容は、2015年3月時点の内容です。

がん保険にはどんな保障が付いているか知ろう

がん保険の保障には、以下のような種類があります。

  • 診断給付金
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院給付金
  • 先進医療特約

それぞれ、どんなときにお金が受け取れるのか、必要なのはどの保障か、みていきましょう。

今回も、医療保険などについての著書があり、医療についての勉強会も主宰する、ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓先生にうかがいます。

●内藤眞弓先生のプロフィール
http://www.fp-clue.com/profile/MayumiNaito.html

Point1.がんと診断されたら「診断給付金」が出る

現在一般的になっているがん保険の特徴のひとつは、がんと診断されると「診断給付金」が出ることです。
金額は100万円程度など、契約によって異なります。

がんと診断されれば、入院や手術をしなくても支払われるのが特徴。

「日帰りで抗がん剤治療を受けるだけ」といったケースでも給付金を受けられます。

上皮内新生物への保障は商品によって違いがある

診断給付金の中には、悪性新生物だけに支払われるものと、上皮内新生物にも支払われるものがあります。
いきなり専門用語が出てきてしまいましたが、大事なことなので、わかりやすくお話ししますね。

多くの人が「がん」と思っているのは、「悪性新生物」です。
悪性の腫瘍ができて、正常な細胞を壊す状態です。

一方、「上皮内新生物」とは、がん細胞が上皮まで(上皮の内側で粘膜外に出ていない状態)に留まっているがんのことで、この段階で治療をすれば、転移、再発の可能性がほとんどありません。

大きな違いなのですが、がん保険の中には、上皮内新生物でも診断給付金が支払われるものもあります。
整理すると・・・。


  1. 「悪性新生物」と「上皮内新生物」の両方とも保障する
  2. 「悪性新生物」だけを保障する
  3. おもに「悪性新生物」を保障するが、「上皮内新生物」も一部(少し)保障する

といったパターンに分けられます。

どちらも保障される(1)がいい、と思うかもしれませんが、実はそうは言いきれません。
というのも、(1)では上皮内新生物の治療をしたことがある人は加入できないからです。

上皮内新生物はかんたんに治療できるため、過去に治療しても、治療したことを忘れている人もいます。
もしも、治療したことを告知せずに加入してしまうと、告知義務違反ということになり、悪性新生物がみつかっても保障が受けられませんし、保険料も戻りません。
がんが心配だから保険に入ったのに、保障が受けられないのでは大変ですよね。

内藤先生によると、「現在、販売されているがん保険は(1)のパターンが主流で、(2)と(3)は少数派」とのことですから、注意が必要です。

2回目の診断給付金が出るかは商品により大きな違いあり

がん保険の中には、診断給付金が複数回、支払われるタイプもあります。
がんは再発したり、転移したりすることがありますから、複数回支払われれば安心ですが、気を付けなければならない点もあります。

2回目以降の支払いは条件が複雑なものが多く、なかには、本当に支払われるのか、心配なものも少なくないからです。

●1度目のがんの診断から2年経過以後にがんの治療のために入院した場合に診断給付金が再度支払われる
・・・というタイプなら、支払い条件は緩やかといえます。

しかし、
●2年経過以後、新たにがんの「診断確定」を受けたことが条件
・・・というタイプには要注意です。

診断確定とは、切除した組織を検査(病理検査)して”がん”だと診断すること。
再発や転移の場合、また、がん専門の病院でない病院にかかっている場合には、組織や細胞をとって検査しないケースもあり、その場合は診断給付金を受ける条件は満たせません。
診断給付金を請求するには、病理組織学的検査を受けなければならないのです。

また、
●最初のがん(原発がん)が完全になくなってからほかの臓器に転移していること
・・・など、証明が難しい条件が付いている保険もあります。

2度目の診断確定が不要で、1度目のがんの診断から一定期間経過後にがんの治療のために入院すれば診断給付金が支払われる、というタイプが望ましいですね。

point2.日数無制限で出る「入院給付金」

がんで入院した場合には「入院給付金」が支払われます。

医療保険では1回の入院で支払われる日数や、通算日数に制限がありますが、がん保険の入院給付金は無制限
入退院を繰り返した場合も安心です。

Point3.治療のために通院すると「通院給付金」

通院給付金には・・・。


  1. 入院をして入院給付金を受け取ってから所定の期間内(365日など)に通院した場合に60日程度を限度に保障
  2. 入院したかどうかに関わらず、手術、抗がん剤治療、放射線治療といった三大治療のための通院なら日数制限なしで保障

というタイプがあります。

通院で抗がん剤治療を受けていて入院はしていない」といったケースも増えているので、(1)よりは(2)がいいですが、2カ月に1回通院、といったケースでは、そのたびに1万円程度の請求手続きをしなければなりません。
病気と闘いながら手続きするのは負担です。
そのような場合は、付いていても意外とありがたくないと感じるかもしれません。

また抗がん剤の種類や放射線の線量に条件が設けられており、治療を受けても給付金が受け取れないケースもあるそうです。
医師が最適と考えられる治療をしてくれているのに「がん保険の保障対象になっている抗がん剤を使って」と依頼するわけにはいきませんから、通院給付金については、もらえない可能性があることも知っておきましょう。

Point4.がん手術で出る「手術給付金」

がんの治療を目的に手術を受けた場合に支払われるのが、「手術給付金」です。

商品によって、保障額が一律なもの、手術の種類などによって保障額が異なるものがあります。
回数の制限はありません。

Point5.全額自己負担の治療に備える「先進医療特約」

がん保険には、「先進医療特約」が付いているもの、付加できるものがあります。
先進医療とは、実験段階の医療で、有効性、安全性を確認している途上のもので、健康保険が使えず、治療費は全額自己負担で高額になります。

先進医療特約を付けておかないと心配と思いがちですが、先進医療が選択肢に入るケースはごくわずかです。

●貯蓄150万円あれば医療保険は必要なかった!?保険選びの考え方
http://premium-nurse.jp/article/医療保険選びの考え方/

それでも付いていれば安心できるという人はお守りとして付けてもいいでしょう。
先進医療のための保険料は月額で100円程度です。

選ぶなら、診断給付金が出るシンプルな定期型がん保険がイチバン!

内藤先生、がん保険のこと、いろいろわかってきました。
ズバリ、これからがん保険に入る場合には、どんな保険を選べばいいですか?

保障がシンプルな保険です!

保障がシンプル・・・?

そうです。

通院だけで治療するなら入院給付金は出ませんし、通院給付金も出るとは限らない。
手術もするかどうかはケース・バイ・ケースです。
対して診断給付金はがんと診断されれば、治療内容を問わずに支払われます。
通院すれば通院費用に、入院すれば入院費用にと、自由に使うことができる万能な保障が診断給付金であり、最も頼れる保障です。

たしかにそうですよね。
だって、「入院給付金が欲しいから入院させて!」というわけにはいきませんし、「抗がん剤治療をするなら通院給付金が出る薬にして!」というわけにもいきません。
診断給付金以外の保障が付いていても、給付金が出るかどうかは分からないですものね。

そうなのです。
がんといわれて精神的にショックを受け、身体的にもしんどいときに、せっかく入っていたがん保険で給付金が出ないとなると・・・?

すごくショックです!

これまで相談を受けた方の中にも、がん保険の給付金が出なくてショック、という方は少なくありません。
そういった現実をふまえると、あれこれ保障が付いているものより、診断給付金が充実しているシンプルな保険の方がいい、と思うのです。

なるほど~。

もうひとつ、私が考えるのは、「がん保険は終身型より定期型」ということです。

終身型は一生涯、保障が続くタイプ、定期型は一定期間(10年など、契約による)保障されるタイプです。
高齢になるほどがんになる確率は高まりますが、65歳からは年金が受け取れるので、病気によって退職して収入が途絶える、という心配はありませんし、子育てが終われば、自分の収入や貯蓄は自分のために使えます。
70歳以降は高額療養費によって、1カ月の医療費の上限額も4万4400円に下がりますから(所得区分一般の場合)、負担そのものも小さく済みます。

年金や貯蓄から医療費が出せるなら、保険に頼らなくてもいい、ということですね。

そうです。
保障が必要な間だけ、定期型のがん保険で備えればいいでしょう。
たとえ終身型に加入しても、65歳くらいまでにはやめることを前提に貯蓄しましょう。

保障がシンプルで、定期型のがん保険なら、保障がたっぷりで終身型のがん保険より保険料が抑えられます。
毎月の保険料が3000円を超えるがん保険は高いと思いますよ。

オススメのがん保険はこれ!

内藤先生、オススメのがん保険を教えてください。

私が最も合理的だと思っているのは、アクサ生命の『収入保障のがん保険Ⅰ型』です。

悪性新生物と診断確定されると、一定額が5年間にわたって受け取れます。
年金額は60万円から設定でき、60万円に設定すると、受取額の総額は300万円です。
入院給付金などはなく、いたってシンプル。
治療内容も問われませんし、毎年1回請求の手続きをすればよく、受取期間中に死亡した場合は、残りの分が遺族に支払われます。

年金額60万円・総額300万円、65歳まで保障という形で加入した場合の月額保険料は、35歳男性では2346円、35歳女性では2328円です。

●アクサ生命 『アクサの「収入保障」のがん保険』
http://www.axa.co.jp/product/cancer/cancer_income_support/#tabBody

使わずに済んだ分を貯蓄しておけば、再発や転移したときに使うことができますね。

ほかにもありますか?

挙げるとすれば、『楽天生命ガン診断プラス』ですね。

  • 初めて悪性新生物と診断確定されたときに診断給付金100万円
  • 初めて上皮内新生物と診断確定したときに診断給付金10万円
  • それから1年経過以後に悪性新生物の治療のために入院すると治療給付金
    (1回について100万円。年1回、通算5回まで)
  • 病気やけがで継続2日以上入院したときに入院支援給付金
    (1回5万円。180日に1度、通算5回まで)

・・・という内容で、保障がシンプル(保障額は一例)。
初めてがんと診断されてから1年経過後には、がん治療のための入院であれば診断確定なしで治療給付金が支払われるのもいいと思います。
35歳男性の保険料は2620円、35歳女性は2355円です。

●楽天生命『楽天生命ガン診断プラス』
http://www.rakuten-life.co.jp/products/cancer_plus/

オススメのがん保険はこれ!

「すでにがん保険に入っている」という人は、その保険が安心できるものなのかを確認しましょう。
生命保険や医療保険にがんの保障が付いているという場合も、頼れる保障かどうか、要チェックです。

Check1.診断給付金は出る?

繰り返しになりますが、治療内容などによっては入院給付金や通院給付金が支払われない可能性があり、一番頼りになるのは診断給付金です。
古いがん保険では診断給付金が出ないものもありますから、まずは診断給付金が出るかどうかをチェックしましょう。

がん保険には入っていないものの、生命保険や医療保険に「がん診断一時金」や「がん入院給付金」、「特定(三大)疾病保障」を付けている人も少なくありません。
保険証券を見直し、診断給付金の有無や金額を確認してください。

Check2.上皮内新生物でも給付金が出る?

上皮内新生物では高額な治療費がかかるわけではないので、実際には困ることはなさそう。

とはいえ、給付金が出なくてガッカリした、という声も聞かれます。
出ると思っていたのに出ないというでは不満を感じやすいので、まずは保障内容をしっかり確認。
そのうえで、なくてもいいかを考えましょう。

Check3.先進医療は保障される?

前述のとおり、先進医療の対象になる人はごくわずかであり、「必須の保障ではない」というのが内藤先生の意見。
それでも、保障が付いていないと不安という人は、保障が付いているかを確認しましょう。

今の保険では不安と思ったらどうすればいい?

診断給付金がない、保障額が少ないなど、今の保険では不安だという場合には、別のがん保険への加入を検討しましょう。

ただし、過去にがんになったことがある、上皮内新生物の治療を受けたことがあるなどで新規加入ができないケースもありますので、先に新しい保険への加入申し込みをするのがポイントです。
がん保険では、契約から3カ月程度経ってから保障が開始されるのが一般的ですから、無事に加入でき、保障開始日を迎えてから、元の保険を解約することが重要です。

がんになっても会社を辞めるのはなるべく避けよう!

がんになると、体力的にそれまでのように働くのが苦になることもあります。
それが原因で会社を辞める人もいますが、できれば避けたいところです。

残業ができないなどで給与が減ったとしても、会社にいれば安定した収入が得られますし、療養のために仕事を休んでも収入の一部が保障される「傷病手当金」もあります。
安定して一定の収入が見込めるというのは、とても心強いこと。
職場の仲間の理解を得て、無理のない働き方を考えるのが理想です。

助け合える仲間をもつこと、職場環境を築いておくことも、もしものときに暮らしを助ける、大切な準備です。

●がんと就労
http://www.cancer-work.jp/

まとめ
がん保険の保障内容と必要度を知って賢く利用しよう

入院が当たり前だったのに通院だけで治療など、がんの治療方法は日進月歩で変化しています。
そのため、昔は優れた保障内容だと思っていた保険が、今ではあまり頼りにならない、ということも起きてしまいます。
今後もそのような変化が生じる可能性があるでしょう。
だからこそ、保障はシンプルなものがいい、というわけです。

今回の重要ポイントは以下のとおりです。


  1. がん保険で一番役立つのは「診断給付金」
  2. 「入院給付金」や「通院給付金」は役立たない可能性も
  3. がん保険はシンプル・イズ・ベスト
  4. 必要な間だけ定期型で備えるのが合理的
  5. 毎月の保険料は3000円台程度まで
  6. 古い保険は頼りにならない可能性も
  7. 会社はやめずに無理なく働く方法を探ろう

病気と向き合うときにお金の心配をしなくていいように・・・。
家族やお友達にも、がん保険の上手な選び方について教えてあげてくださいね。

今回の記事の協力者

内藤眞弓先生

内藤眞弓先生

ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)
生活設計塾クルー取締役
FP&コミュニティ・カフェ代表

大手生命保険会社に勤務後、ファイナンシャルプランナーとして独立。難しいと思われがちなお金まわりの情報を、分かりやすく噛み砕いて伝える、のがモットー。
特に保険分野、医療分野に詳しく、「医療保険は入ってはいけない」(ダイヤモンド社)が新版を合わせて累計9万部のヒット。
「医療保険はすぐやめなさい」(ダイヤモンド社)「お金のプロがすすめるお金上手な生き方」(コモンズ)も好評。

メッセージ

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賢い患者になりましょうを合言葉に、患者と医療者が協働する医療の実現をめざして活動する『NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)』。子どもの『いのちとからだの10か条』普及キャンペーンを展開中。命や体を大切にし、患者が主役、という意識を身に付けるための10か条です。

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