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看護師の仕事場図鑑vol.4 介護系施設で働く看護師の仕事

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医療依存度が高い高齢者の入所も増えている介護系施設。入所者が安心して生活するうえで、健康管理を担う看護師の役割が重要といわれていますが、現場で働く看護師の皆さんは介護系施設での仕事ややりがいをどのように感じているのでしょうか。「看護師の仕事場図鑑」では、現場をよく知る看護師からの声を紹介します。第4回は「介護系施設」での働き方です。

介護系施設の仕事内容

介護系施設といっても、リハビリテーションに重点を置き、在宅復帰を目指す要介護高齢者が入所する介護老人保健施設と、身体介護や生活介護を受けながら高齢者が生活する場である特別養護老人ホームでは、看護の役割が異なります。

例えば介護老人保健施設では、看護は24時間体制で、利用者の状況に合わせた医学的な管理やリハビリテーションを提供します。自宅に戻った後の生活をふまえて慢性疾患の管理を行い、医師の指示のもとに行う点滴や褥瘡管理、服薬管理などが主な仕事となります。

一方、特別養護老人ホームはまさに生活の場。介護職員による食事や入浴、排泄などの日常的な世話が中心です。しかし、体調が変化しやすい高齢者に対しては、医療の専門的な視点が欠かせないものであり、介護職員との密な連携、情報収集とアセスメント力が求められます。

介護系施設での働き方

アンケートにおいて介護系施設で働いていると答えた方の施設形態は、介護老人保健施設と特別養護老人ホームがほぼ同数、続く有料老人ホーム、デイサービスも含めると、全体の約8割を占めていることがわかります。
勤務形態では、日勤のみが約8割を占めるのも介護系施設での働き方の特徴といえます。看護師が24時間常駐する介護系施設も増えていますが、今回のアンケートでは「オンコールなし」と回答している人が約75%にのぼりました。日勤のみを希望する看護師にとっては、選択肢が多いのが介護系施設といえるのではないでしょうか。

〈施設形態〉

〈勤務形態〉

〈休日・休暇〉

日勤のみの勤務がしやすい一方で、「休日は不定期」と答えた人が多く、シフト制や月8~10日勤務など、1週間のなかで曜日ごとに休日が決まっていない人が多いことがわかります。しかし、土日休みと回答している人もいることから、施設によっては土日休みも可能で、週休2日以上の人も多くみられました。自分の希望に合わせて日数や時間を調整できるのは介護系施設のメリットといえるでしょう。

〈家庭との両立のしやすさ〉


平均3.5点(n=315)

介護系施設は、日勤のみが多く、勤務日も選べる職場が多いのが特徴ね。家庭と両立させたい看護師にはメリットが多い職場といえるでしょう。

介護系施設での仕事内容

介護系施設は、利用者または入所者の状況によっても仕事内容は異なります。例えば、在宅系サービスのひとつであるデイサービスは居宅系サービスに比べて利用者の要介護が低く、食事や入浴介助、レクリエーションなどを通じて、利用者が安全かつ生きがいを持って生活ができるようにサポートします。そのなかで必要とされる服薬管理や口腔ケアなどの健康管理、急変時の対応などが主な業務といえます。

一方で居宅系サービス、なかでも医療ニーズの高い入所者が多い介護系施設では、入所者の健康状態の把握、急変対応はもちろん、経管栄養や服薬管理、痰の吸引、褥瘡管理などの医療行為から看取りまで行う場合もあります。

〈1日のスケジュール例〉

8:00 出勤
8:30 経管栄養開始
9:00 内服薬のセット
9:30 利用者さんの状態確認、処置、バイタルチェック
10:30 カルテに記録
11:30 食前薬服用
12:00 経管栄養開始、食事介助
12:30 休憩
13:30 便チェックと下剤セット
14:00 処置
14:30 利用者さんの状態確認 、バイタルチェック
15:30 看護日誌、カルテに記録
16:00 経管栄養開始
17:00 介護職へ申し送り
17:30 退勤

(30歳代・女性・介護系施設(特養)勤務・日勤のみ常勤の一例)

〈主な患者さんのタイプ〉

介護系施設は、循環器疾患や呼吸器疾患、消化器疾患などの慢性疾患を抱えている高齢者、認知症の病状は安定していて入院の必要はないものの自宅での生活が困難である人、独居や老老介護で介護サービスを必要とする人などが対象です。

入院によってADLが低下した人が在宅復帰を目指してリハビリテーションを行う介護老人保健施設や、寝たきりで常時介護が必要な人の健康管理や身体介護を行う特別養護老人ホームなど、施設によっても利用者の特徴が分かれます。

介護系施設の看護師に必要なスキルや知識

近年は医療ニーズの高い要介護高齢者が増加しているため、基礎疾患の管理や急変への対応、看取りまで、幅広く対応する施設が増えています。

看護師には、バイタルチェックにはじまり、胃ろうなどの経管栄養管理、痰の吸引、褥瘡ケア、排泄ケア、服薬管理、認知症高齢者への対応などのスキル、急変対応の知識が求められます。

特に高齢者は痛みや症状を自ら訴えないケースが多く、寝たきりなどの理由から、症状を言葉で表現できない人も少なくありません。表情や全身状態から利用者の健康状態を把握して医師に報告し、早期に対応することが看護師の重要な役割となります。

最先端の医療の現場とは異なりますが、看護師としての経験や知識を活かして幅広く対応できる人材が求められる現場といえます。

基礎疾患や認知症がある高齢者の全身管理から経管栄養や痰の吸引、褥瘡処置など、医療ニーズの高い要介護高齢者へのケア、急変や看取りまで幅広い知識とスキルが必要とされるのね。

介護系施設で働くメリット・デメリット

〈メリット〉

介護系施設を選んだ理由では、自宅からの通いやすさ、家庭との両立のしやすさを挙げる看護師が多くみられました。そのほかにも、夜勤がない、勤務時間が選べる、休日の希望が通りやすいなど、勤務条件を優先して職場を選んだ人が多い傾向がありました。

一方、高齢者が増加するなかで、介護保険制度についてや、その制度のなかでどのような看護が必要とされるのかを学びたい、老年看護に興味があった、じっくりと利用者と向き合える看護がしたかった、終末期ケアに関心があったなど、看護師として自分がやりたい看護を展開できる環境を求めて介護系施設を選んだという意見も寄せられました。

▼実際に働く看護師さんの声「介護系施設ここがよかった!」

  • モニターなどの医療機器に頼らずに、入所者さんを自分でしっかり見て健康状態をアセスメントし、いつもと違うことなどに敏感に気づくことができる(30歳代女性・特別養護老人ホーム)
  • 病院勤務ではリハビリテーション開始とともに退院となってしまうが、いまは退院後のリハビリテーションの継続と、利用者さんの状態の変化がみられる(50歳代女性・デイケア)
  • 二次救急指定病院に長く勤務していたが、多忙すぎて患者さんと向き合う時間がなかった。もともと高齢者のケアが好きで、ゆっくり向き合いたいと思った(50歳代女性・介護老人保健施設)
  • 認知症についての理解が深まった。自然に迎える死が、いかに安らかなものであるかがよくわかった(40歳代・特別養護老人ホーム)
  • 利用者さんの笑顔が仕事のやりがい。家族の介護負担が軽減でき、介護関連の知識が得られる。加齢や認知症に伴う変化を目で見て学ぶことができる(50歳代女性・デイサービス)
  • 看取りまで行うので最期まで利用者さんと向き合える。最新の薬剤の情報が得られる。介護施設と医療機関の連携、介護施設内のスタッフとの関係性などを学べる(30歳代女性・有料老人ホーム)
  • 医療スタッフが看護師しかいないため、勉強しようという気になる(40歳代・デイサービス)
  • 終末期の利用者さんとじっくりと向き合うことができ、その人にとってどのような最期を迎えるのが幸せなのか、他職種や家族と話し合いを重ねながら考えられる。特別養護老人ホームは医師がいないため、看護師のフィジカルアセスメント能力が養われる(30歳代・特別養護老人ホーム)
  • 現在、また今後の高齢化社会に必要な施設。医療機関で受け入れきれない利用者さんの受け皿となっている。家庭で介護ができない高齢者の生活の場であり、働く世代の助けになると思っている(50歳代・特別養護老人ホーム)
  • 生活の場が自宅であることから、日々の生活背景に応じたケアの工夫や実践が可能であり課題でもある(50歳代女性・デイサービス)

〈デメリット〉

介護系施設は、「最新の医療に触れる機会がなく、それに伴うスキルが習得できない、スキルアップの場がない」など、新たなことを学ぶ機会が得にくいことをデメリットと感じている人が多くみられました。介護職員の不足もあり、「介護業務との線引きがなく、看護の専門性が発揮できない」と感じたり、看護師よりも介護職員のほうが多いため、医療的な視点で意見を出しても通りにくかったり、負担が増えると受け取られてしまったりすることもあるようです。

また、多く聞かれたのが家族との関係性。認知症高齢者が多く、入所者自身が意思決定できないケースもあるため、家族の意向に振り回されてしまうことも。「クレームが多い家族への対応をストレスに感じている」という回答も複数寄せられました。

介護系施設では、看護師が介護職員にケアの方法や根拠を指導する役割を担うといわれますが、現場では難しい状況もあるようです。また、限られた医療材料のなかでケアを行わなくてはならないことなど、日々の実践のなかでも制限が多い点をデメリットと考えている人が多くみられました。

▼実際に働く看護師さんの声「介護系施設ここが悩みどころ…」

  • 看護師の人数が少ないため、諸々の判断の責任が重く、判断に迷ったときの相談相手が少ない(30歳代・介護老人保健施設)
  • 事務的な仕事が多くて効率が悪い。人員不足で夜勤が増えたり、遅出・早出になったりと、勤務形態が変更になってハードだった(40歳代・有料老人ホーム)
  • 必要な処置や検査などがあってもすぐにできない(20歳代・介護老人保健施設)
  • 生活相談員や介護職員との連携、コミュニケーションが難しい。医療面で受け入れが困難だと判断して提言しても、経営側の生活相談員や施設ケアマネジャーと意見が合わず、受け入れざるを得なくなった利用者さんがいた(50歳代女性・特別養護老人ホーム)
  • 医療情報が入ってこないため自己研鑽を積んでいますが、今度は同職種間での看護観や医療判断に開きが出てきた。オンコールがあり、時間問わずに電話がくることもある。介護職員は無資格者も多いため、電話では情報がうまく伝わらずに困ることが多い(40歳代・有料老人ホーム)
  • 終末期ではない利用者の急変で、特に遅番や待機のときに呼ばれると1人なので不安(40歳代・特別養護老人ホーム)
  • 医療依存度が高く、病院のような状態にもかかわらず医師が常駐していないので不安。看護師が少ないため、急な欠員がでると対応しきれない(30歳代女性・有料老人ホーム)
  • 夜勤がないため給与が安い。看護師が2人いても知識の共有がなく、アドバイスももらえないので自分の知識や判断が合っているのかわからない(30歳代・有料老人ホーム)
  • 薬剤の変更や状態変化の情報を共有してもらえず、高齢のため本人に確認しても間違っていることがある。家族に確認してもわからず、医療機関からも教えてもらえずに困ることがある(40歳代・デイケア)

介護系施設の看護師に向いている人は?

最も多かったのは、「仕事と家庭を両立したい人」で、子育てや介護などで時間に制限がある人に向いているという意見でした。また、医療機関では看護師が最も多いものの、介護系施設では介護職員のほうが多く、介護職員とのコミュニケーションが重要という意見も多く寄せられました。

▼実際に働く看護師さんの声「介護系施設に向いている!」

  • 臨床経験もあり、できれば訪問診療の同行看護や訪問看護の経験があるほうがいい(40歳代女性・有料老人ホーム)
  • コミュニケーション能力が高く、送迎等で外に出るのも好きな人(20歳代女性・デイサービス)
  • 急性期医療の現場で一通り学び、アセスメントや処置が自律的に行える人。新卒看護師は難しい(40歳代女性・介護老人保健施設)
  • 高齢者の看護が好きな人、検査データがなくてもアセスメントができる人(30歳代女性・介護老人保健施設)
  • 技術も大事だが、人間性や人の尊厳とは何かを考えられる人。利用者に対して家族的に接することができ、最期まで人としての尊厳を守れる人(50歳代女性・特別養護老人ホーム)
  • 看護師として変なプライドを持たず、介護職員の仕事を尊重して協力できる人。入所者の心に寄り添える人(50歳代女性・有料老人ホーム)
  • 看護師の判断が重要なため、迅速に判断、対応できる人。そのための幅広い経験と知識がある人(30歳代・有料老人ホーム)
  • コミュニケーション能力が高く、多職種とも連携して協働できる人。どんな場面に遭遇しても冷静な行動がとれる人(50歳代女性・特別養護老人ホーム)
  • 一人ひとりに合わせて的確に判断して看護ができる人。家族や生活状況からどのような支援が必要か、どのような状態が予測できるかを考えて介護支援ができる人(30歳代・デイケア)
  • 入所者に対して思いやりや親切心がある人。じっくり向き合える意識の高さを持っている人。自分のメンタルコントロール、特に認知症高齢者に対してのアンガーマネジメントができる人(40歳代・介護老人保健施設)
介護系施設は、勤務形態が多様で家庭との両立もしやすい一方で、医療機関とは異なる介護職員や利用者の家族との関係づくりの難しさもあるといえるわね。介護系施設での看護は、主に利用者の生活の場で提供されるもの。その人の背景や家族の状況もふまえ、介護職員ともコミュニケーションをはかりながらよりよい看護が提供できることが大切ね。

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2018/3/29~3/31にナースフルサービスの看護師会員を対象に「看護師の働く場所と働き方アンケート」を実施。有効回答数3,361名のうち、介護系施設に従事する会員315名の回答をもとに作成。

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