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オンライン診療の普及に向けて 期待される訪問看護の役割

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医師による診療は直接対面によることが原則となっていますが、近年の情報通信機器の急速な進歩により、対面診療の補完として離島や僻地などの患者さんを対象に一部限定的なものとして遠隔診療が行われてきました。その後、2018年に「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が出され、2019年にはその見直しが行われています。

オンライン診療の指針見直しの焦点は?

2018年に公表された指針と診療報酬改定での「オンライン診療科」「オンライン医学管理料」の新設により、オンライン診療は急速に普及しています。そのなかで出てきた複数の課題に対し、当初の予定に従って1年後に指針の見直しと現場からの声に対応するQ&Aが作成されました。

今回の見直しは、昨年公開された指針を実際に運用していくなかで、定義が明確でなかったものや実際の診療に見合わないものなどの基準をより具体的にすること、さらにQ&Aで疑義照会ができるようになったことで、現場の声に答えたものといえます。メディアの報道では、主にアフターピルのオンライン処方の議論が取り上げられましたが、今回は見送りとなっています。

ポイントのひとつは、医師が患者のそばにいる状況でのオンライン診療(D to P with D)の考え方が明記されたことです。高齢で複数の疾患を抱える患者さんが増えるなかで、在宅療養の場で主治医を交えて専門の医師の診察が受けられること、その指針が明確になったことは、情報通信機器を使った診療の普及に欠かせないものといえるでしょう。

また、オンラインによる受診勧奨、つまり医師が患者さんの状態確認を行ったうえで医療機関への受診を促すものや遠隔健康相談についても、定義が見直されました。

オンライン診療の原則と追加項目

情報通信機器を活用した診療は、医師が直接患者さんに触れることができないなど、対面診療に比べて情報が不足する恐れがあることから、あくまでも対面診療との組み合わせとして実施されるものであり、患者さん自身がオンライン診療を希望することを確認したうえで行われます。

つまり、日ごろから対面診療で医師と患者さんの間に信頼関係が構築されているなかで「病状や患者さんのアクセスの都合でオンライン診療も選択ができる」のが原則です。
一部離島や僻地などで医療機関での対応が難しい状況や治療によるリスクが低い禁煙外来などでは対面診療を組み合わせないオンライン診療が認められますが、現状ではかなり限定的といえます。

また、オンライン診療は医師と患者さんが顔をあわせてリアルタイムで情報が得られるものに限定されます。オンライン診療で必要な情報が得られないと判断した場合には速やかに中止し、直接の対面診療を行うこととなっています。

今回の指針の見直しで、オンライン診療の間に患者さんの病状の変化に直接かかわらないことについてコミュニケーションを行う際のチャット機能の活用が加わりました。

昨年作成された指針のなかでも、診療に有用な情報が得られる場合に限って文字や画像などによる情報のやり取りは可能とされていましたが、今回の見直しで、チャット機能(文字、写真、録画動画などによる情報のやり取り)を活用する場合には、オンライン診療と区別するためにあらかじめチャット機能を活用して伝達する事項や範囲を決めておくべきであることが明文化されました。

「D to P with N」への期待

看護師に関連するものでは、「D to P with N」=患者さんのそばに看護師のいる場合のオンライン診療について追加されました。
D to P with Nによって、高齢の在宅療養者で通院が困難な場合、訪問看護師がスマートフォンやタブレットなどの情報通信機器の操作を補助することでオンライン診療が可能となります。

診察時に医師が看護師に診療の補助を指示することができ、予測された範囲での治療行為や新たな症状に対する検査などの指示を行うこともできるため、迅速な対応が可能となります。

検査の結果、新しい疾患の診断や治療が必要となった場合は改めて対面診療が必要となりますが、日ごろ対象となる患者さんをみている医師や看護師が患者さんと3者で情報を共有することができ、オンライン診療に不足する部分を看護師が関わることで補完することもできます(電子聴診器で医師に心音を伝える、予測される範囲で点滴や治療などの診療の補助を行うなど)。

この制度は、訪問看護を利用する患者さんと看護師、主治医の情報共有がスムーズにできる状態を前提にしています。
在宅療養患者さんの負担を軽減したうえで医療資源を有効に活用した診療や看護が提供できるのがメリットでしょう。オンライン診療の普及に向けて、訪問看護師の役割がより重要なものとなります。

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関連資料
ナースフル:医療現場におけるスマホアプリ活用の広がり

参考
厚生労働省:オンライン診療の適切な実施に関する指針見直しに関する検討会

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