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事例で学ぶ看護技術 はさみを使うときに注意したい医療事故

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先日、患者さんのフィルムドレッシング材がはがれてきたので一部をカットしようとしたら、不意の体動で皮膚を傷付けつけてしまいそうになりヒヤッとしました。
はさみは身近な道具だけれど、刃物は刃物だからね。
はさみも医療現場で事故につながることを知っておき、その予防に努めましょう!
●今回の事例:
看護師が人工呼吸器装着中の患者の口腔ケアを実施していたとき、その前歯2本が抜けそうになっていることを確認した。
その歯が抜けることに備え、ガーゼを口腔内に挿入することにした。
ガーゼの顔にかかった部分をはさみで切ろうとしたところ、カフ用のインフレーションチューブが巻き込まれ、一緒に切断してしまった。

「切るつもりじゃなかったのに・・・」が起こるわけ

ヨシミ師長:
この事例のように、医療材料などを「切る目的」(サージカルテープ、カテーテル類、ガーゼの長さ調整など)ではさみを使った結果、事故につながるケースが多いわ。

リコ:
そのほか、皮膚にカテーテルを固定していた縫合糸の切断、緊急搬送時の衣類の切断、剃毛などを目的としてはさみを使い、事故を招いた事例が報告されています。
本来は切るべき対象としていなかったものを誤って切ってしまった・・・というわけですね。

ヨシミ師長:
誤って切ってしまった医療材料としては、気管チューブのカフ用のインフレーションチューブ、気管吸引チューブ、中心静脈カテーテルなどが挙げられるわ。
切断したいものと、切断してはいけない重要なものが、物理的に近接してしまっているのよね。

リコ:
患者さんの身体と密着しているものを切ろうとして、皮膚まで切ってしまうというケースも少なくありません。
切創が生じ、縫合処置が必要となった事例もありますね。

ヨシミ師長:
こうした事故が起こる背景には、夜間の暗い病室での作業など、不適切な作業環境があることが多いようね。
「少しのことだから」と油断せず、十分な明るさと視野を確保してからはさみを使う必要があるわ。

リコ:
あらかじめちょうどいい長さにテープをカットしておいたり、長さが余ったときはテープを巻き付けたりして、はさみを使う頻度を減らすことも一案です。
はさみを使う場合も、切断してはいけないチューブを反対側に移動させてから作業するなど、できるだけリスクを低減できるよう工夫したいですね!

「はがす目的」での使用はできるだけ控えて

ヨシミ師長:
サージカルテープやフィルムドレッシング材などを「はがす目的」ではさみを使うケースも多いわよね。
この場合も患者さんの身体に近い位置での作業となることから、皮膚を傷付けてしまうリスクは高いといえるわ。

リコ:
実際、「サージカルテープ同士が重なりはがれにくくなっていた」「シーネと前腕を固定していたテープを手早く取り除きたかった」といった状況で事故が起こっているようです。
そもそも、テープ類がはがれやすければ、はさみを使わずに済んだかもしれませんね。

ヨシミ師長:
テープ類を貼付するときから「はがすこと」まで想定し、はさみを使わないようにできれば一番よね。
リムーバーの使用を徹底するだけでなく、固定時にテープ同士が重ならないようにするといった貼り方の工夫も大切だわ。
フィルムドレッシング材の場合は、一部をカットするよりも、張り替えてしまうほうがいいかもしれないわね。

リコ:
テープ類をはがすとき、原則としてはさみの使用を禁止している医療機関もあるそうです。
やむを得ず使用する場合でも、新生児用の爪切りはさみなど十分に安全性が確保されたものを使いたいですね。

ヨシミ師長:
はさみは日常的にも頻繁に使うものだからこそ、ついつい油断が生じてしまいがちだわ。
患者さんの身体を直接的に傷付けることはもちろん、チューブ類の切断自体も大きな事故につながりかねないわけだから、あらためてはさみが持つリスクを意識しておきたいわね。

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参考資料
日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 第36回報告書(平成25年10~12月).

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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