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不妊治療のニーズ増加で注目の生殖医療相談士の資格を取るには?

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出生数が過去最少、死亡数が戦後最多となり、「少子高齢多死社会」へと突入しています。一方で妊娠・出産を希望する夫婦は多く、不妊治療のニーズも高まっています。不妊治療の相談やアドバイスを行う専門知識を持つ生殖医療相談士の資格取得について紹介します。

不妊治療の現状

日本産科婦人科学会によれば、国内で行われている生殖補助技術は40万件を超え、厚生労働省の不妊治療支援(特定治療支援事業)の助成のべ件数は、2017年度で約14万件にのぼります※1
不妊を心配したことがある夫婦は3組に1組を超え、子どものいない夫婦では半数を上回る55.2%となっており、不妊検査や治療を受けたことがある夫婦は全体で18.2%、子どものいない夫婦では28.2%にのぼります※2

しかし、仕事と不妊治療の両立は難しく、とくに女性の場合は仕事を続けながらの通院が負担となって不妊治療を止める、あるいは雇用形態を変えざるを得ない人も少なくありません。不妊治療の実態が社会に認知されず、制度面でも課題が多いのが現状です。

妊娠を考える年齢が上昇するなか、治療期間が長くなって仕事との両立がさらに難しくなることもあります。厚生労働省の人口動態統計によれば、母親の年齢が40歳以上の出生に占める第1子の割合は36.7%と高くなっていることもあり、加齢に伴う妊孕性の低下など、妊娠に関する正しい知識を広めていくことも重要な課題でしょう※3

※1 厚生労働省「不妊に悩む夫婦への支援について」
※2 国立社会保障・人口問題研究所:第15回出生動向基本調査「夫婦調査の結果概要 妊娠出産をめぐる状況」
※3 厚生労働省:平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況

不妊治療における課題

不妊治療の一番の特徴は、治療開始前に、妊娠、出産というゴールが見えない点にあります。不妊治療はさまざまな方法があり、一般的な不妊治療にはタイミング法や人工授精、卵管の治療などがあります。これらの治療で妊娠に至らない場合には、体外受精発育を試み、子宮に戻す体外受精、顕微授精、凍結融解胚移植などの方法があります。

何回行うか、いつまで行うのか、常に患者さんは自己決定を迫られます。
また、不妊治療は1回あたりの平均が人工授精で1万円、体外受精で30万円、顕微授精で40万円かかるといわれます※4

条件付きで特定不妊治療費助成制度が利用できるものの、妊娠・出産というゴールが見えないなか、通院が続くことで経済的にも精神的にも疲弊してしまうケースが少なくありません。

一方で、不妊治療の期間が長引くほど中止の決断は心理的な負担が大きくなります。患者さんの自己決定を支えるうえでも、情報を提供するだけでなく、患者さんの心理を理解したうえで丁寧に対応できる実践的なスキル持つ医療者の存在は重要なものといえるでしょう。

不妊症看護の専門的知識と実践を習得する資格に不妊症看護認定看護師(2020年から生殖看護認定看護師として教育開始)がありますが、週末を利用して学び、不妊治療の知識やカウンセリング技術を身につけられる資格に日本生殖心理学会が認定する生殖医療相談士があります。不妊治療を行う産婦人科の看護師を中心に資格取得を目指す人が多い資格です。

※4 内閣府:少子化社会対策推進専門会議参考資料「経済的支援」について

生殖医療相談士の資格を取得するには

生殖医療相談士の受講資格は、現在不妊相談に携わっている、または携わろうと考えている看護師や自治体の不妊専門相談の担当者で、日本生殖心理学会員が対象です。約半年にわたって全13回の養成講座を受講し、修了者は認定試験に合格すると資格を取得できます。

2019年度は、5~12月の間に月1回、土日のみの講座(8月を除く。12月の土曜日が最終講座、日曜日が認定試験)となるため、勤務調整もしやすく、家庭と両立しながらキャリアアップしたい人にもおすすめの資格です。
講座は生殖医療の基本から最新の知識まで学ぶことができるほか、実践的なロールプレイを通じてカウンセリングスキルを高めることができるのが特徴です。
2019年8月現在、296人の生殖医療相談士が全国の医療機関等で活躍しています。

今後も不妊治療のニーズが高まることが見込まれていますが、医療技術の進歩と同様に求められているのが患者さんの自己決定をサポートする医療者のスキルアップでしょう。特に心理面を深く理解して患者さんの悩みに応えたいと考えている看護師には多くの学びが得られる講座です。

資格取得後も5年ごとの更新制で、学会が指定する関連学会や研修会に参加するなどしてポイントを取得する必要があります。常に学びの姿勢が求められることで最新の情報をもって患者さんの相談支援にあたることができ、継続的なスキルアップにもつながる資格ではないでしょうか。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
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参考
厚生労働省:不妊治療と仕事の両立について
日本産科婦人科学会:不妊症
日本生殖心理学会

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