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看護師の仕事場図鑑vol.11 精神科での看護師の仕事

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精神科の患者さんのケアにあたる看護師には、セルフケア支援や服薬管理、患者さんの状態のアセスメントなど、きめ細やかな対応が求められます。今回の「看護師の仕事場図鑑」は、精神科で働く看護師の声を紹介します。

精神科での看護師の働き方

精神科の病床数は減少していて平均在院日数も短縮されているため、看護師は、退院後も見据えて、患者さんが地域で自立した生活が送れるように支援します。
近年では認知症高齢者の入院も増加しており、消化器疾患や呼吸器疾患などの精神科身体合併症のある患者さんも増えています。
精神科領域は専門性の高い診療科ではありますが、他科での経験を活かすことで、より質の高い看護が提供できるといえるでしょう。

アンケートでは、精神科病院のなかの一般病棟に勤務する看護師が最も多く、精神科救命病棟や認知症治療病棟、重度認知症デイケア、閉鎖病棟などの精神科特有の病棟に勤務する看護師からの回答もありました。

病棟勤務の看護師が多いため、夜勤含む2交替制が66%と高く、3交替制も含めると82%が「夜勤ありの交替制勤務」という結果でした。交替制勤務の人が多数のため、オンコールなしの勤務も88%と高い割合になっています。

〈休日・休暇〉

今回のアンケートでは、土曜日・日曜日のいずれかが休みと回答した看護師が約20%でした。病棟勤務の看護師が多いため、シフト制で休日の曜日が固定されている人は少ないとみられます。

〈家庭との両立のしやすさ〉


平均3.7点(n=144)

5点満点で3.7点と評価が高いのが特徴といえます。勤務形態に関係なく、働きやすい理由として「休みの都合がつきやすい」「残業が少ない」ことをあげる看護師が多くみられました。家庭と両立する看護師にとってはメリットといえるでしょう。

休みの都合がつきやすく、残業が少ない点では、予定が立てやすく働きやすい環境だといえるわね。しかし、病棟の場合は交替制勤務がほとんど。日勤のみを希望する人は、精神科訪問看護や精神科外来も選択肢に入れたほうがよいのではないかしら。

精神科看護師の仕事内容

精神科病棟の場合、看護師による注射や処置などが他の病棟に比べて少ないのが特徴でもあります。しかし、服薬管理では患者さんがきちんと薬を飲んでいるかどうかを目で確認し、副作用が強く出ていないかどうかを含めて患者さんの全身状態のアセスメントが重要となります。

食事の場面では誤飲による窒息、点滴をしている患者さんでは自己抜去などのリスクがあります。患者さんの状態に合わせて見守りの目を増やし、患者さんの回復に向けて支援します。また、精神科病棟は平均在院日数が短縮しているので、退院後に向けて生活リズムを整える、セルフケアを援助するなど、デイケアでのかかわりも精神科看護師の役割です。

認知症高齢者や精神疾患の症状が悪化している患者さんの場合、自分の病状を医師にうまく伝えられないこともあります。些細な変化を医師に伝えて合併症などの早期発見につなげていくことが求められます。

患者さんとの信頼関係が非常に重要となる精神科病棟での看護は、患者さんの意思を尊重しながら、医療者としての距離感を保って患者さんに接していくことがポイントとなります。高いコミュニケーション能力が求められる現場といえるでしょう。

〈1日のスケジュール例〉

8:30  出勤
8:45  申し送り
9:00  受け持ち患者さんの状態をチェック
9:45  オムツ交換、車椅子への移乗
10:45 リハビリ体操
11:30 ショートカンファレンス
12:00 昼食介助、与薬
12:30 休憩
13:30 患者さんを回って状態チェック
14:00 リハビリ体操
14:30 外出対応
15:00 おやつ介助
16:00 申し送り、記録
17:30 勤務終了

(30歳代・女性・精神科病院一般病棟勤務・日勤のみ常勤の一例)

精神科病棟でも慢性期の場合は医療的な処置は少ないのが特徴ね。その分、患者さんの状態を観察し、些細な変化をアセスメントできる能力が求められるわ。十分なコミュニケーションをはかり、患者さん一人ひとりとじっくりと向き合えるのが精神科看護の醍醐味でしょう。

主な患者さんのタイプ

精神疾患を持つ患者さんが対象となるため、幅広い年齢層の患者さんがいます。急性期病棟であれば精神錯乱や不合理な行動、自殺企図などの患者さんが対象となることが多いといえます。

慢性期病棟の場合は、認知症高齢者、統合失調症やうつ病、アルコール依存症など、入院による治療が必要な患者さんが対象となります。精神科身体合併症で入院治療が必要な高齢者も増えています。

必要となるスキル・知識

患者さんの健康管理が看護師の重要な役割のひとつ。バイタルチェックはもちろん、些細な変化への気づきと対応力が求められます。
医療処置は比較的少ない病棟ですが、身体合併症を抱えている患者さんも多くいることから、精神疾患はもちろん、薬剤の知識、幅広い疾患の理解が必要とされる仕事です。

また、コミュニケーション能力が欠かせないのが精神科病棟での看護です。患者さんが地域に戻って自立した生活を送ってもらうために必要なセルフケアの指導をしたり、病的体験の傾聴をしたり、そのなかから言動の内容が精神症状によるものでないかどうかを判断、報告するなど、高い専門性が求められる領域です。

患者さん同士や医療者と患者さんのトラブルも少なくありません。疾患理解と対応を身につけて患者さんの人権を尊重した対応をするとともに、病棟全体で看護師自身のメンタルヘルスにも配慮したチームワークが求められます。

精神科病棟で働くメリット・デメリット

〈メリット〉

「患者さんに寄り添う看護がしたい」「精神科での看護に関心があった」という理由で精神科を選ぶ看護師が多いようです。そのため、転職をする際にもこれまでの経験から、精神科から精神科の単科病院を選ぶなど、「精神科を希望していた」という看護師からの声も聞かれました。

▼実際に働く看護師さんの声「精神科看護のここがよかった!」

  • 教育ラダーが整っている。精神科だけでなく内科や身体合併症も学べる(30歳代・女性・精神科病院)
  • 家庭との両立を最優先に考えて選んだ。休みの希望の融通ができ、日勤のみで働ける(20歳代・女性・精神科病院)
  • 精神疾患を学びたかった。研修制度がしっかり整っている環境で働きたかったので、今の病院を選んだ(20歳代・女性・精神科病院)
  • 以前から精神科看護に興味があった。患者さんとかかわれる時間が多く、一人ひとりの普段の状態を知ることができる。信頼してもらえるので、それに応えたいと自ら進んで勉強ができる(30歳代・女性・精神科病院)
  • 家庭との両立に理解があり、有給も取りやすく定時で帰れる(30歳代・女性・精神科病院)
  • 精神疾患の患者さんの理解を深めたかった。研修に参加ができるのでスキルアップできる(50歳代・女性・精神科病院)
  • 患者さんと毎日顔をあわせて看護ができる。作業療法の行事で患者さんの笑顔がみられるのも楽しみのひとつ(50歳代・女性・精神科病院)
  • 患者さんや家族に寄り添い、治療の検討などができる。患者さんが高齢のため、高い看護技術が求められる(50歳代・女性・精神科病院)
  • 家族とのかかわり方や地域との連携、認知症患者さんへの看護、対応を学べる(40歳代・女性・精神科病院)
  • 入院期間が長いため、患者さんと向き合う時間が長く、さまざまな介入ができる。暴力防止やディエスカレーションの技術が身につく(20歳代・女性・精神科病院)
  • 不穏だった患者さんが回復して退院になったときにやりがいを感じる(20歳代・女性・精神科病院)

〈デメリット〉

精神科看護は患者さん一人ひとりとのかかわり方、コミュニケーション能力が身につき、長くかかわれる点が特徴ですが、医療処置が少ないため、技術の習得ができない点をデメリットと感じている看護師が多いようです。

▼ 実際に働く看護師さんの声「精神科看護のここが悩みどころ…」

  • 患者さんとのかかわり方によっては依存されやすく、距離感をとることが難しいと感じる(30歳代・女性・精神科病院)
  • 医療処置がほとんどなく、今まで学んできた知識が薄れてしまい、突発的な対応に苦慮してしまう(40歳代・女性・精神科病院)
  • 看護師が不足していて一人あたりの業務量が多い。自傷他害の危険がある患者さんからの暴力やパーソナリティ障害の患者さんからの脅迫などのリスクがある(40歳代・女性・精神科病院)
  • 家族が高齢で患者さんの疾患を理解できなかったり、家族も精神疾患を持っていたりするケースが多く、対応に苦慮する(40歳代・女性・精神科病院)
  • 以前勤めていた急性期病棟に比べると、バリバリとした緊張感がない(30歳代・女性・精神科病院)
  • 医療行為が身につきにくい。同じ疾患名でも症状が多岐にわたるため関わり方が難しい(40歳代・男性・精神科病院)
  • 患者さんの精神状態によって異性の患者さんへの対応が困難になる(40歳代・男性・精神科病院)
  • 患者さんとの信頼関係の構築が難しい。危険な場に遭遇しやすい(20歳代・女性・精神科病院)
  • 先進医療ではないため、知識や技術が遅れている気がする。スキルアップが難しい(20歳代・女性・精神科病院)

精神科看護に向いている人は?

精神科看護に関心があり、患者さんとじっくり向き合いたい人に向いているといえます。一方で、「ゆったりとした気持ちで対応ができる」ことをポイントにあげる看護師も多いため、急性期での経験が長い人は医療処置が少ない点も含めて物足りなさを感じてしまうかもしれません。
家庭との両立もしやすく、職場によっては長年勤務する人も多いのが特徴でもあります。患者さんのさまざまな病態に対しても柔軟に対応できる人には向いているのではないでしょうか。

精神科は患者数が増えており、病床数は減少していますが、診療所数は増加しています。家庭の事情などで夜勤が難しい人でも外来での需要増が見込まれるから、長く専門性を磨ける領域といえるわね。精神科での経験と知識を持つ看護師のニーズは高まっているといえるわ。

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2018/3/29~3/31にナースフルサービスの看護師会員を対象に「看護師の働く場所と働き方アンケート」を実施。有効回答数3,361名のうち、精神科看護に携わる会員144名の回答をもとに作成。

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