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ナースが知りたい!くすりの知識 非小細胞肺がんに適応がある初の抗EGFR抗体 ネシツムマブ(商品名ポートラーザ)

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がんには様々な種類がありますが、治療の進歩もあって、罹患しても死亡率は高くないというものも増えてきている気がします。
一方で、罹患率と死亡率との差がないほど予後が悪いということだと思いますが、肺がんもその1つですよね。

まさにその通りで、肺がんは治療が難しいといわれているわ。
今回は、2019年11月に販売開始された、非小細胞肺がんに適応がある初の抗EGFR抗体ネシツムマブ(商品名ポートラーザ)を紹介するわ。
抗EGFR抗体としてはセツキシマブやパニツムマブもあるけれど、これらは非小細胞肺がんに対する適応を持たないため、ネシツムマブの登場は画期的だといえるのよ。

EGFR(上皮成長因子受容体)の働きを特異的に阻害

肺がんの罹患率は40歳代後半から増加しはじめ、その後も年齢が進むに従って上昇していくの。
また、男性の罹患率は女性の2倍以上であることも知られているわ。
現在、肺がんは悪性腫瘍による死因として男性の第1位、女性の第2位となっており(人口動態統計によるがん死亡データ)、しかも5年生存率も極めて低いという“難敵”なのよ。
つまり、少しでも効果の高い治療薬が求められている状況にあるわけね。

肺がんを組織の状態により分類すると「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」の2つに大きく分けられ、さらに非小細胞肺がんは「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」に分けられるわ。
今回紹介するネシツムマブは、このうち扁平上皮がんに適応がある抗EGFR抗体なの。

EGFR(epidermal growth factor receptor)は「上皮成長因子受容体」と呼ばれ、これを発現したがん細胞は盛んに増殖することが知られているわ。
ネシツムマブは、EGFRと結合してその働きを特異的に阻害し、がん細胞の増殖を抑制すると考えられているの。

実際、国内外の臨床試験において、ゲムシタビン+シスプラチン+ネシツムマブ3剤併用療法は、ゲムシタビン+シスプラチン併用療法に比べて有意に全生存期間を延長させるという結果が得られているわ。

効能・効果

切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺がん

用法・用量

ゲムシタビンおよびシスプラチンとの併用において、通常、成人にはネシツムマブ(遺伝子組換え)として1回800mgをおよそ60分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意、副作用

血栓塞栓症や間質性肺疾患を抱えている患者さん、あるいは既往がある患者さんに対しては、それらの悪化や再発を招くおそれがあるため慎重投与とされているわ。

また、重要な基本的注意として、ネシツムマブの投与により低マグネシウム血症が現れることがあるので、投与開始前・中・後は血清中電解質(マグネシウム、カルシウム、カリウム、リン)をモニタリングすることが求められているの。

重大な副作用としては、低マグネシウム血症のほか、重度の皮膚障害(ざ瘡様皮膚炎、多形紅斑など)、出血、動静脈血栓塞栓症などが報告されているわ。
特に重度の皮膚障害は高い頻度でみられるから、ベッドサイドでも特に注意して観察しましょう。


扁平上皮がんは喫煙との関連が大きいそうですから、避けられるリスクは避けていきたいですね。

特に中年期以降の男性は要注意よ!
ネシツムマブの登場が、難しいとされる扁平上皮がんの治療において大きな助けになることを期待したいわね。

参考文献
ポートラーザ 添付文書.
※効能・効果・使用上の注意等、医薬品の最新情報につきましては、各製品の添付文書等をご参照ください。

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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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