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事例で学ぶ看護技術 紛失や廃棄による病理検体の未提出

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最近、病棟の検体置き場に準備中の点滴やシリンジが置かれていることがありませんか?
モノがあふれていて、しっかりと検体置き場として機能していないのが気になります。
確かに、環境整備が不十分であることがインシデントにつながる可能性もあるわ。
今回は、検体の未提出に関する事例を見てみましょう。
●今回の事例:
骨生検を終えた医師は、採取した病理検体とラベルを看護師に手渡した。
看護師はその検体を病理部へ提出しようとしたが、すでに受付時間が過ぎていたため、一時的に病棟で保管することにした。
1ヵ月後、医師が骨生検の結果を患者に説明しようとしたが、検査結果が出ていないことが明らかになった。
その原因を調べたところ、検体が病理部へ提出されないまま放置されていたことがわかった。

病理検体はどこへ行った?

リコ:
すぐに検体を提出できていれば、こんなことにはならかったのに!
とはいえ、病理部の受付時間が過ぎてしまうことは決して珍しくないですから、適切に保管して次の日に提出する必要があったわけですね。

ヨシミ師長:
2014年1月~2018年9月までの間に、検体の未提出は19件報告されているわ。
検体を採取した後に紛失したり、誤って破棄したりで、未提出の状態となったわけね。

リコ:
検体は採取に痛みを伴うことも多いですから、気軽に「失くしてしまったからもう一度やらせてください」と言えるようなものではありません。
もちろん、治療スケジュールにも支障が出てますから、検体の未提出は絶対に避けなければなりませんね。

ヨシミ師長:
紛失が起こる背景には、検体の取り扱いや提出方法についての手順が定められていなかったり、置き場所が決まっていなかったりすることがあるようね。
今回の事例でも、病棟内で検体を保管する場所が定められていなかったそうよ。
検体の容器は小さくて目立たないことが多いから、すぐに他の物品に紛れてしまうわ。

リコ:
破棄に関しては、「検体を入れる容器がその場になく、トレイの上に置き忘れて破棄された」といった事例が報告されています。
どうすればこのような事態を防ぐことができるでしょうか?

「うっかり」を減らすための工夫を重ねよう!

ヨシミ師長:
まずは、検体を採取したら直ちに検体の個数や組織名を確認して、それとわかる容器に入れてラベリングすることよ。
また、検体置き場をわかりやすい場所に設置することも大切ね。
検体と対になる検体伝票を、検体置き場の近くに設置したホワイトボードに貼っておくのもいいわ。
伝票が残っていたら、検体が未提出であることがすぐにわかるからね。

リコ:
担当者をはっきり決めておくことも必要だと思います。
外来や手術室では、病棟と違って「そのとき現場にいる看護師全員で対応する」という状況になりがちです。
十分にコミュニケーションを図っているつもりでも、「誰かがやってくれただろう」と思い込んでしまうことは考えられますね。
「この患者さんの検体を提出するのは◯◯看護師」などと決めておけば、本人も責任を持って対処するでしょうし、周囲も勤務終了時などに確認できるでしょうから。

ヨシミ師長:
受付時間を過ぎてしまい、別の勤務帯で提出したい場合は、メモの残し方を工夫するといいわ。
例えば、患者さんに関する指示シートで、提出してほしい日付のところに「検体要提出(-)、検体置き場にあり」と記載しておくのはどうかしら。
実施したら(-)に縦棒を書き加えて(+)とするのよ。

リコ:
「検体未提出」ではどうすべきか不明確ですから、「要提出」と明記するのは適切だと思います。
検体がどこにあるかわからないと作業が後回しにされがちですから、置き場所を明示することも大切ですね。

ヨシミ師長:
こうしたルールを共有しておけば、(-)のままだと未実施ということが視覚化できるから、病棟全体でうっかり忘れを防止することにつながるわ。

リコ:
コミュニケーションや一行為一確認も大切ですが、どのような状態でも正確に検体を管理・提出できるよう、予防的な策を講じておく必要もあるわけですね。

ヨシミ師長:
もちろん、検体を紛失しづらいよう、現場を整理整頓しておくことも大切だわ。さあ、さっそく始めるわよ!

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参考資料
日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 第23回報告書(平成22年7~9月).

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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