リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

いまさら聞けない!?無痛分娩

最新ナースコラム > 医療の最新ニュース

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


出産方法が多様化し、医療機関、産院、自宅など出産する場所や分娩時の体勢、呼吸法など、様々な選択肢があります。そのなかで陣痛の痛みをやわらげる方法の1つに無痛分娩があります。そのメリットやリスクなどについてご紹介します。

出産方法は妊婦の状態に応じて選択

出産時の分娩方法には大きく分けて経腟分娩帝王切開があり、経腟分娩はさらに自然分娩計画分娩(誘発分娩)無痛分娩などに分かれます。帝王切開の多くは、胎児が逆子だったり双生児だったりする場合に行われます。また、母親に子宮筋腫や卵巣腫瘍などがあったり、過去に腫瘍の摘出手術を受けた経験があったりするケースでも、帝王切開が選択されることがあります。あらかじめ経腟分娩が難しいことが予想される場合には予定帝王切開となりますが、お産中に母体や胎児の状態が急変し、一刻を争う場合に経腟分娩の途中で緊急帝王切開に切り替えることもあります。

産院や医療機関によって分娩方法の定義が少し異なる場合もありますが、一般的に自然分娩は陣痛が来るのを待つ経腟分娩で、医療的な処置をしないものを指します。分娩台での出産(座位分娩)や水中出産、フリースタイル分娩などがこれに当たります。お産が始まっても子宮口に胎児が下りて来ずに分娩が進まない場合には、産道を広げるために会陰切開や吸引分娩となるケースもあります。胎児の頭が大きく、出産時に腟が裂けて大量出血することが予想される場合、会陰切開などの処置によって母体が危険にさらされるのを防ぎます。

計画分娩や無痛分娩は医療的処置が必要な分娩方法です。計画分娩は、あらかじめ分娩日を決めて陣痛促進剤を使用して陣痛を促して出産する方法。母体や胎児の状態から早期の出産が必要と判断された場合や、出産する施設の都合などに合わせて選択することもあります。

無痛分娩の方法は?

無痛分娩も経腟分娩ですが、大きな違いは麻酔を使って陣痛の痛みを緩和する医療的処置を行う点です。一般的には硬膜外に局所麻酔薬を投与する硬膜外鎮痛法が行われることが多く、脊髄くも膜下麻酔が併用されることもあります。硬膜外鎮痛は鎮痛効果が強く、母体は意識清明で多くは呼吸に影響を及ぼしません。

無痛分娩は、痛みを緩和できるだけでなく、高血圧の妊婦の血圧を安定させたり、呼吸の負担を緩和したりといったメリットが知られています。出産は体力の消耗が激しいため、無痛分娩によって痛みが緩和されることで体力の回復が早まる点でも注目されています。

一方で無痛分娩に使用される麻酔により、足の力が入りにくくなる、血圧低下、かゆみ、体温上昇などが起こる可能性があります。まれではあるものの、呼吸ができなくなる、意識が消失する、麻酔濃度上昇による中毒症状や硬膜穿刺後の頭痛などの重い症状が現れることも知られています。

無痛分娩の安全な提供体制に向けて

国内では周産期医療の進歩によって妊産婦死亡率(出産10万対)は3.1と世界的にみても非常に少ないものの、出産自体は母体の死亡リスクを伴うものです。 分娩方法の違いによるリスクは画一的に判断するのではなく、母体と胎児の安全を最優先に、ベストな方法を選択することが重要です。

一方で無痛分娩に対しては安全な実施に向けた仕組みづくり、医療の質の確保が課題となっており、2018年3月には厚生労働省から「安全な無痛分娩を提供するために必要な診療体制に関する提言」が示されています。

この提言では、無痛分娩に関わる医療者には産科麻酔の知識や技術産科麻酔に関連する病態への適切な対応、さらに無痛分娩を希望する妊婦に対する適切な情報提供、インシデント・アクシデントの収集・分析・共有などが求められています。

現在、厚生労働省では無痛分娩を取り扱う医療機関と、無痛分娩の診療体制に関する情報をホームページで公開し、各施設での無痛分娩取り扱いについて調査を進めています。ケアの質を高めるためには看護師にも専門知識が求められます。提言のなかで示されている無痛分娩研修修了助産師・看護師の要件は次の通りです。

  • NCPRの資格を持ち、新生児の蘇生ができる
  • 救急蘇生コースの受講歴がある
  • 助産師はアドバンス助産師相当の能力を有することが望ましい
  • 安全な麻酔実施のための最新の知識を修得し、ケアの向上をはかるため、関係学会または関係団体が主催する講習会を2年に1回程度受講

無痛分娩研修修了助産師・看護師は、医師との連携のもと、母子の安全を守り、産婦とその家族が納得いく分娩ができるように支援する役割が期待されます。無痛分娩中には全身状態やバイタルサインの観察を行い、変化が生じた場合や進行状況については麻酔担当医に適宜報告します。また、分娩の選択にあたって妊婦やその家族に十分な説明を行うことが求められます。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
転職についてお悩みの方はこちらのフォームよりご相談ください。

参考
日本産科麻酔学会:無痛分娩Q&A

厚生労働省:小児・周産期医療について

TOPへ