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ご存じですか?5月9日は「口腔ケアの日」全身の健康に関わる口腔ケアの重要性

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糖尿病をはじめとする病気の進展に、影響を及ぼすことが知られている歯周病。歯周病の進展にもまた、喫煙や食習慣などとの関連が指摘されています。5月9日は、日本口腔ケア学会が制定した「口腔ケアの日」。改めて口腔ケアがもたらす効果と看護の役割について考えてみましょう。

糖尿病や虚血性心疾患と歯周病の関連

歯周病は、細菌感染による炎症性疾患で、初期には自覚症状がないものの、進行するにつれて歯肉の腫れや痛み、出血などがみられるようになります。歯周ポケットが深くなると歯と歯肉の境目がなくなって歯を支えている歯槽骨が溶けて抜歯が必要になることもあります。

また、歯周病があることで全身の健康、特に炎症性の疾患のリスクが高まることがわかっています。なかでも糖尿病はよく知られており、歯茎の炎症が血糖値を上昇させ、高血糖が続くことで歯を支える骨の吸収が促進されるため、歯周病があると糖尿病が、糖尿病があると歯周病が悪化する負の連鎖が起こります。

また、虚血性心疾患との関連も報告が多く、発症そのものや進行への関連性は十分なエビデンスがないものの、歯周病がある人の虚血性心疾患の有病率やそれに伴う死亡率は高いことがわかっています。

動脈硬化性疾患のリスクマーカーについても多くの研究があり、歯周病がある人は動脈硬化のリスクマーカーであるCRPが歯周病の既往によって上昇します。歯周病治療によってイベント発生が抑制されるエビデンスはないものの、動脈硬化性疾患も歯周病も炎症性の疾患であることから、積極的な歯周病予防・治療は、健康を守るうえで欠かせないものといえるでしょう。

高齢者の肺炎や関節リウマチ、骨粗鬆症のリスク上昇

このほか、歯周病の進行は慢性閉塞性肺疾患(COPD)や関節リウマチ、骨粗鬆症などの発症リスクとなることも指摘されており、ホルモンバランスが変化して炎症性サイトカインが上昇する妊婦も、歯周病があることで早産や低体重児出産のリスクが高まるといわれています。

また、高齢者では歯垢(プラーク)を唾液などと一緒に誤嚥してしまうことがあります。肺に歯周病菌が入り込むことで炎症が起こり、肺炎を発症します。高齢になるほど殺菌効果がある唾液の分泌量が減少し、手先の器用さが失われやすくなるため、磨き残しが多くなります。磨き残しが蓄積すると歯垢が歯石に変化し、さらにその中や周囲にプラークが入り込みやすくなって歯周病が進行します。

痛みや歯茎の腫れなど、自覚症状があって初めて歯科を受診する人も少なくありません。しかし、自覚症状がない段階からの定期的なケアが重要であり、特に高齢者が多い介護施設や訪問看護の現場では、歯科と連携して口腔ケアを充実させることが大切です。

介護負担軽減のためにも口腔ケアを

近年、訪問歯科を行う診療所が増え、歯科衛生士による口腔ケア指導の充実がはかられています。しかし、利用者に訪問歯科診療の情報が行き渡っておらず、介護サービス計画を策定するケアマネジャーに口腔ケアの意識がないと、訪問歯科診療や歯科衛生士による指導の依頼ができないケースもあります。

医療機関や訪問看護ステーションの看護師が口腔ケアを学び、その重要性を患者さんや家族に伝えて訪問歯科診療と連携をはかっていくことが重要であり、看護師自身にも口腔ケアの知識が求められます。

口腔ケアは全身管理のうえでも重要ですが、利用者の口腔ケアが行き届いていないと口臭が強くなり、介護をする家族にとっても負担となります。利用者も口内がきれいに保たれていることで食事が進みやすく、肺炎を起こして入院することも少なくなります。口の中を観察してケアを習慣づけることで、様々な効果が生まれます。

下記の症状がみられたときには、地域の訪問歯科に依頼して歯の検診と口腔内のケアを行いましょう。

  • 口唇の乾燥やひび割れ
  • 上顎や麻痺側など、見えにくいところに唾液や痰、食物残渣がある
  • 義歯が合っていない
  • 歯茎に傷はないが、触ると痛がる
  • 歯茎からの出血や腫れ

看護師と歯科医師、歯科衛生士が情報を共有して摂食嚥下障害のリハビリテーションを行ったり、管理栄養士と相談して食形態を見直したりと、「食べる」「噛む」「飲み込む」ことに関しては実践できることが多く、それが家族の介護負担の軽減にもなります。

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参考
日本口腔ケア学会
日本歯周病学会:ガイドライン「歯周病と全身の健康」

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