リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて 医療の学術団体の連携進む

最新ナースコラム > 医療の最新ニュース

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


全世界が注目する世界最大のスポーツの祭典のひとつ、オリンピック・パラリンピックの成功には、医療体制の整備が欠かせません。オリンピック・パラリンピック東京大会を控え、救急災害医療体制を検討する学術連合体が結成され、連携が進められています。

救急災害医療体制構築のための学術連合体を組織

医療界においてもすでにオリンピック・パラリンピックに向けた動きが活発になっています。なかでも重要となるのは救急災害医療体制で、2018年4月にその検討を行う学術連合体(コンソーシアム)が発足しました。2018年9月現在23の学会が参加しており、看護系の学会では、日本救急看護学会、日本クリティカルケア看護学会が含まれています。

オリンピック・パラリンピックに限らず、国際的なスポーツ大会で選手がケガをした場合には帯同する医師やトレーナーが対応するのが基本ですが、医療機関での治療が必要な場合は、現在10ヵ所指定されているオリンピック病院で行います。また、観客や会場周辺の住民の医療体制は、病院ごとに役割分担をするとともに、会場からの搬送受け入れ先までのルートやどのような傷病者が出る可能性があるのかを想定して訓練を行うことが必要となります。

熱中症やテロ、大規模事故、自然災害などを想定し、学術連合体では各学会の専門分野で検討し、共有をはかっています。

海外からの観光客に対応する全国的な医療体制の整備が必要

大会中は、開催地とその周辺地域の人口が約2倍になるといわれています。熱中症や食中毒などの消化器症状が出た場合、多くのケースでは競技場やその周辺に設置される救護所で対応することになります。しかし、中等度以上の症状がある傷病者は、会場周辺の病院に速やかに搬送して治療が行えるように対応する必要があるため、その体制を確保することが求められます。

一方で、競技会場やその周辺の地域住民の医療体制は日常と同様に確保しておかなければなりません。医師や看護師など、医療職が不足しているといわれるなかで人員をいかに確保するのかは大きな課題といえるでしょう。また、東京オリンピック・パラリンピック期間中は海外からも多くの観客が訪れます。競技の観戦だけでなく、観光を兼ねる人が多いことが予測されるため、医療が必要となった場合の受け入れ体制は全国的に準備しておく必要があります。

クリティカルケアを担う看護師に必要な知識とスキル

すでに2020年東京オリンピック・パラリンピックに係る救急災害医療体制検討合同委員会で病院間の連携体制や医療スタッフのための標準的救護マニュアルなどの検討が進められています。学術連合体のホームページでは、日本外傷学会による「銃創・爆傷患者診療指針Ver.1」や学術連合体による「大規模イベントに係る会場等の医療・救護要員の要件一覧(コンソーシアム推奨Version1)」などが公開されています。このうち、会場等の医療・救護要員の要件のなかで、看護師に必要なものとして、次の項目が示されました。

1. 協調性がありチーム内の役割・組織内の役割を考えて行動できる者
2. 5年以上の看護師経験を有する者
3. ALS講習(ICLS、ACLSなど)を修了した者
4. 「クリニカルラダー(日本看護協会版)」レベルⅡ到達以上または同等の能力を有する者
5. 傷病者の状態を把握し、的確に報告できること
6. 一般的な診療介助、縫合などの処置介助ができること
7. 必要に応じて事前研修を受講していること
8. 英語による日常的な会話ができること(国際イベント時)

このうち、必要に応じた事前研修の内容には、メディカルコントロールと地域救急システムやマスギャザリングイベント時の医療、熱中症診療、ターニケットを用いた止血法、初期外傷診療(簡易版)、トキシドローム、通信・連絡トレーニングがあげられています。今後は学術連合体に参加している学会を中心に、研修の機会が増えていくことが見込まれます。

大会を機に築かれたネットワークが2020年以降にも首都圏の大規模災害やテロ対策などにも活かせるように、これまで培った各学会での専門知識を集結して、整備を進めていくことが重要となります。医療スタッフとして大会ボランティアへの参加を希望する人はもちろん、災害・救急医療に関心のある人も今後の活動に注目しましょう。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
転職についてお悩みの方はこちらのフォームよりご相談ください。

参考
2020年東京オリンピック・パラリンピックに係る救急・災害医療体制を検討する学術連合体

TOPへ