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生活習慣病の現在地――「健康日本21(第二次)」の達成状況は?

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健康寿命の延伸、健康格差の縮小などを目標に掲げ、2013~2022年度の10年間で取り組まれている「21世紀における第二次国民健康づくり運動」(「健康日本21(第二次)」)。目標策定後5年が経過した2018年に、中間評価が発表されたのをご存じですか? 全53項目の目標達成状況を押さえて、今後のケアや生活指導に生かしてください。

53の項目から日本人の健康を評価

「健康日本21」という言葉は知っていても、その具体的な目標や達成状況は知らないというナースは少なくないでしょうね。

「健康日本21」は、急激な少子高齢化が進む日本において、「すべての国民が共に支え合い、健康で幸せに暮らせる社会」を実現すべくスタートした運動よ。
具体的には、次の5つが基本的方向性として挙げられているわ。

(1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小
(2)生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCDの予防)
(3)社会生活を営むために必要な機能の維持および向上
(4)健康を支え、守るための社会環境の整備
(5)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙および歯・口腔の健康に関する生活習慣および社会環境の改善
※NCD(non-communicable disease):非感染性疾患

これらの方向性に基づいて、具体的な53項目の目標が策定されているの。
2018年に発表された中間報告では、策定時の値と直近値を比較しながら、各項目の達成状況が4段階(改善している/変わらない/悪化している/評価困難)で評価されたのよ。
どのような結果だったのか、さっそくチェックしていきましょう。

約6割の項目で「改善している」の評価

中間報告では、全53項目のうち、約6割となる32項目が「改善している」と評価されました。
中でも十分に改善が認められるとされた主な項目が次の5つです。

十分に改善を認めた主な項目
項目 策定時 目標 直近値
健康寿命 男性:70.42年
女性:73.62年
(2010年)
延伸
(2022年)
男性:72.14年
女性:74.79年
(2016年)
健康寿命の
都道府県差
男性:2.79年
女性:2.95年
(2010年)
縮小
(2022年)
男性:2.00年
女性:2.70年
(2016年)
糖尿病コントロール
不良者の減少
1.2%
(2009年)
1.0%
(2022年)
0.96%
(2014年)
自殺者の減少
(人口10万人あたり)
23.4
(2010年)
19.4
(2016年)
16.8
(2016年)
健康格差対策に
取り組む自治体の増加
11都道府県
(2012年)
47都道府県
(2022年)
40都道府県
(2016年)

2010年から2016年の間に、いわゆる健康寿命が1年以上伸びただけでなく、都道府県による格差も縮小している傾向にあることが分かります。
また、特定健康診査でHbA1c検査を受けた人のうち、著しい高血糖状態(HbA1c 8.4%以上)だった人の割合は0.96%まで減っています。

このように約6割の項目で改善がみられたのは喜ばしいことですが、そのうち12項目については「現状のままでは最終目標到達が危ぶまれる」とされている点には注意が必要です。
例えば「糖尿病における特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上」などが該当します(実施率41.3%→50.1%に上昇しているものの目標値は70%以上)。
2022年度までに最終目標を達成するには、まだまだ努力が必要なようです。

「改善している」・「変わらない」と評価された項目のうち、「改善が不十分」とされた項目

中間評価で「改善している」・「変わらない」と評価された項目の中には、「改善が不十分」とされた項目も少なくありません。
具体的に挙げられた主な項目は次の通りです。

改善が不十分な主な項目
項目 策定時 目標 直近値
メタボリックシンドローム
該当者・予備群の数
約1,400万人
(2008年)
25%減少
(2015年)
約1,412万人
(2015年)
肥満傾向にある子供の割合 男子:4.60%
女子:3.39%
(2011年)
減少
(2014年)
男子:4.55%
女子:3.75%
(2016年)
介護サービス利用者の増加の抑制 452万人
(2012年)
657万
(2025年)
521万人
(2015年)
健康づくり活動に
主体的に関わっている
国民の割合の増加
27.7%
(2012年)
35%
(2022年)
27.8%
(2016年)
成人の喫煙率の減少 19.50%
(2010年)
12%
(2022年)
18.30%
(2016年)

「メタボリックシンドロームの該当者および予備軍の人数」は、高齢化の影響もあり微増しています。より細かく見ていくと、65~69歳の男性のみ該当者の割合が上昇している一方、それ以外の年齢層では低下傾向にあります。
また、成人の喫煙率はやや低下しているものの、目標値には遠く及ばないのが現状です。

ただ1つの「悪化している」項目とは?

53項目のうちの1項目、「歯周病を有する者の割合の減少」だけは「悪化している」と評価されました。
特に40歳代(37.3%→44.7%)と60歳代(54.7%→62.0%)において「歯周病を有する者の割合」が大幅に上昇しています。2016年に歯周病の評価手法が一部変更された影響も否定できませんが、見逃せない数値ではあります。
日本人の健康寿命延伸を考える上でも、看護師が関与する口腔ケアは重要な要素の一つになっているといえそうです。


はっきりした数値目標が設定されているものが多く、現状をとらえやすいですね。
個人的には、睡眠や栄養に関する項目の達成状況も知りたいです!

中間評価の詳細は、厚生労働省のウェブサイトで確認できるわ。
自分の業務に関連しそうな部分だけでも、チェックしてみると参考になると思うわよ。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
転職についてお悩みの方はこちらのフォームよりご相談ください。

参考資料
厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会: 「健康日本21(第二次)」中間報告書(概要), 2018.

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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