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海外渡航者への啓発を 海外から持ち込まれる感染症

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夏休みシーズンは海外への渡航を予定する人が増えます。そこで注意が必要なのが海外から帰国する際に持ち込まれる感染症です。来年には東京オリンピック・パラリンピックも開催されるため、海外から持ち込まれる感染症のなかから注目すべきものとその対応を紹介します。

蚊の繁殖時期に注意したい「蚊媒介感染症」

海外からの輸入例として2018年に届出があった蚊媒介感染症は、マラリア50人、デング熱201人、チクングニア熱4人でした。感染地域では、アフリカでマラリアが最も多いものの、韓国で感染したとみられる事例も報告されています。

近年世界中で劇的に増加しているのがデング熱で、WHO(世界保健機関)の報告によれば年間の感染者は3億9000万人にものぼるといわれています。
デング熱は、2~14日の潜伏期間を経て発症し、およそ2~4割の人が発熱、そのほか頭痛や関節痛、発疹などの症状が現れることもあります。重症化することは少なく、人から人への感染はありませんが、ワクチンがないことから、現地での予防対策が重要となります。

またチクングニア熱も蚊媒介感染症です。発熱のほか、関節の痛みは月単位に及ぶこともあります。主な流行地はアフリカ、アジアですが、2015年にはアメリカでも大規模な流行があったことで知られています。デング熱同様にワクチンはありません。特に熱帯・亜熱帯地域への渡航を予定している人は、現地では肌の露出を避け、虫除け剤を使って蚊に刺されないようにすることが重要です。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時期は、蚊の繁殖時期と重なっています。世界各国から来日する関係者や観光客から感染症が広がる可能性を視野に、対策を講じる必要があるでしょう。

海外輸入例が増える見込みの麻疹にも注意

2019年7月に公開された厚生労働省検疫所の「2018年ベクターサーベイランス報告書」によれば、蚊媒介感染症だけでなく、海外からの観光客から持ち込まれた麻疹のアウトブレイクも報告されています。

国内では現状、麻疹は排除状態にあることがWHO西太平洋地域事務局から認定されています。しかし、海外からの輸入例については報告があり、アジア各国への渡航歴がある人が帰国後に発症する例、海外からの観光客からアウトブレイクを起こした例などが報告されています。

国内では流行がないものの、海外では現在でも流行する国が多く、今後は渡航先での感染だけでなく、輸入例の報告が増えることも見込まれます。2019年にはラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックと、海外からの観光客が一時期に急増します。麻疹は感染力が強いことで知られているため、ワクチンによる予防が重要となります。

次の場合には、ワクチン接種が推奨されます。
(1)「麻疹にかかったことがない」または「麻疹にかかったかどうか分からない」※麻疹の罹患歴は医師の診断を受けていることをいいます
(2)「麻疹の予防接種を2回受けていない」または「麻疹の予防接種歴が不明である」※予防接種歴は母子手帳などの記録で確認できることをいいます。

海外の感染症流行の状況と海外渡航者への情報提供

2019年7月、コンゴで流行するエボラウイルス病に対し、WHOが緊急事態を宣言しました。「エボラウイルス病」は、患者さんの血液や分泌液、吐瀉物、排泄物などの体液、ウイルスを持つ野生動物への接触で感染する病気で、治療は対症療法に限られており、致死率が高いことで知られています。

感染が拡大する背景には、現地の治安の問題や文化・風習的な側面など、さまざまな点が指摘されていますが、リングワクチン接種(包囲接種)などの感染拡大防止に向けての活動が続けられています。厚生労働省でもコンゴやウガンダに向けて出国を予定している人に対しての注意を呼びかけています。

海外から感染症を持ち込まないようにするためには、渡航前の時間に余裕がある段階で渡航外来がある医療機関を紹介したり、母子手帳で予防接種を受けているかどうかを確認したりすることが重要です。渡航先に応じてどのワクチンを接種すればよいか医師と相談したうえで接種スケジュールを決めます。

また、厚生労働省の検疫所ホームページでは渡航先で流行している感染症の情報をみることができます。安心して渡航できるように、最新の情報を入手する方法を伝えましょう。

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参考
厚生労働省検疫所FORTH:海外へ渡航される皆さまへ!

国立感染症研究所:麻疹

厚生労働省検疫所FORTH:検疫所ベクターサーベイランスデータ報告書(2018年)

厚生労働省:コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱に関する世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言

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