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医療的ケア児の在宅療養支援を学ぶ「小児在宅移行支援指導者育成研修」

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周産期医療が整備され、医療技術が進んだことで、国内の新生児死亡率の低さは先進国のなかでもトップクラスにあります。未熟児や低出生体重児の救命率が上昇するなか、NICU/GCUの長期入院児を安心して在宅に戻すことができるような支援体制の構築が求められています。その一環として日本看護協会では、小児の在宅移行を進めるための人材育成を進めています。

継続的なケアの提供に欠かせない在宅移行支援

国内で約1.7万人と推計されている医療的ケア児。厚生労働省では、訪問診療や訪問看護を充実させ、自宅で生活ができる体制を整えることを目指しています。その体制の実現のために日本看護協会では、NICU/GCUから退院する児の在宅移行支援において、医療機関と訪問看護ステーションで介入する時期や必要な情報の認識にずれが生じていること、看護師間の連携強化が必要とされていることなどの課題を抽出。さらに課題解決のための意見交換を重ねて、小児在宅移行支援における指導者の育成を進めていくこととなりました。

さらに同会が実施したアンケートでは、小児在宅移行支援に関わる看護師向けの研修に期待する声が多く聞かれたこともあり、2017年度に試行事業として「小児在宅移行支援指導者育成研修」を開催。主な対象は、総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターの看護師で、前期、後期の座学と実習が行われています。また、受講した177名を対象に、2018年にフォローアップ研修を開催しています。

2018年度は、総合周産期母子医療センター以外のNICUを持つ医療機関に所属する看護師にまで対象を広げ、5日間だった座学を前期2.5日、後期1日に短縮し、前期と後期の間に実習を行うプログラムとなりました。

医療的ケア児と家族の未来を見据えて

医療的ケア児は、訪問看護を継続的に利用することになりますが、児の疾病の状態が変化する可能性があることだけでなく、家族の状況も変化します。そのため、NICU/GCUで退院支援を行う場合には、家族の希望を早い段階から訪問看護師と共有し、その思いを踏まえて在宅で必要な支援について多職種で連携をはかります。

なかでも在宅におけるキーパーソンになるのは母親です。在宅移行時期は急な環境の変化に体調を崩しやすく、それが母親の不安をより大きくします。母親の理解度や祖父母の協力が得られるかどうかなどの状況に合わせて個別性の高い指導を行い、退院前の外泊で訪問看護師とともにケアを実施するなど、きめ細やかな対応を行うことが重要です。また、ケアを実施した際の情報はNICU/GCUにフィードバックして、退院前までの指導内容を調整します。

また、院内外泊や外泊などの経験から、その思いに変化が生じることもあります。折に触れて家族の意向を確認し、看護師間で共有することがスムーズな在宅支援につながります。

そのほか、家族のレスパイトケアの重要性や父親の役割の理解、祖父母などの支援者に介護が必要となる時期を考慮した上で、未来を見据えた意思決定支援が必要です。在宅移行を支援するNICU/GCUの看護師にも、NICU/GCUの先を理解することが求められています。

看護師の育成と地域連携の強化に期待

日本看護協会が実施する小児在宅移行支援指導者育成研修では、周産期医療の現状から在宅における医療的ケア児への訪問看護の実際、法制度など、多方面から医療的ケア児への支援を学ぶことができます。座学だけでなく、グループワークを通じてその理解をより深めることができます。前期の講習と後期の講習の間には自施設の地域で医療的ケア児の訪問看護を実施している訪問看護ステーションで訪問看護師との同行訪問による実習を行います。講習で学んだことを踏まえて実際の在宅での療養を目でみて学ぶことで、NICU/GCUから在宅に移行した後の生活をよりイメージしやすくなるプログラムとなっています。

また、自施設の地域で実習を受けることで、医療的ケア児の訪問看護を担う訪問看護ステーションと顔の見える関係を築くことができるのも、相互に連携を深めるうえでの大きなメリットといえるのではないでしょうか。

日本看護協会では、2016年度に「NICU/GCUにおける小児在宅移行支援パスと教育プログラム」を開発しており、講習でもその内容を学びます。研修修了者には、小児自宅移行支援パスと教育プログラムを使った実践ができる看護師の育成と、地域連携が進むことによる医療的ケア児の療養環境と家族へのケアの充実が期待されます。

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参考
厚生労働省:医療的ケアが必要な障害児への支援の充実に向けて

日本看護協会:平成30年度小児在宅移行支援指導者育成試行事業「小児在宅移行支援指導者育成研修」

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