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リンパ浮腫療法士の資格を取得するには がん患者さんのQOL向上を支援する

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がん患者が増加するなか、治療後のQOL向上は大きな課題のひとつとなっています。がんサバイバーへのケア充実をはかるうえで、リンパ浮腫への対応は欠かせないものであり、専門外来を開設する医療機関も増加しています。セルフケア指導などにあたる看護師の役割は重要で、その専門知識を学ぶことができるのがリンパ浮腫療法士の資格です。

予防やケア方法で大きな差が出るリンパ浮腫

リンパ液が流れるリンパ管は全身に張り巡らされ、主に筋肉の収縮や弛緩、呼吸などの刺激によって流れています。リンパ管の合流部であるリンパ節は頸部、鼠径部などに多く、体液循環に欠かせないものですが、リンパ節郭清を伴う手術や放射線治療によってリンパ液の流れに障害が及ぶことがあります。特に乳がんや子宮がん、卵巣がんなどの手術ではリンパ管の合流部にあたるリンパ節を郭清することが多く、リンパ液の流れが滞って浮腫が生じやすいです。局所かつ慢性的に発症するのが特徴で、術後1年以内にみられるケースが多いものの、5~10年後に発症するケースもあります。

リンパ浮腫は、その予防や治療によって症状の出現に大きな差が出ること、がん患者さんのQOLに大きく影響するものとして注目され、取り組みが進められてきました。2008年度の診療報酬改定ではリンパ浮腫指導管理料が新設され、弾性着衣療養費支給が実現。2016年度にはリンパ浮腫複合的治療料が新設されるなど、予防や治療の体制が整備されています。リンパ浮腫指導管理料やリンパ浮腫複合的治療料は、対象となる患者さんに対し、医師やその指示のもとで看護師、理学療法士、作業療法士が指導などを行うことで算定できるもので、コメディカル向けの研修や資格なども増えています。

リンパ浮腫のケアを学ぶには

リンパ浮腫指導管理料の算定にあたっては、指導にあたる看護師に特別な要件はありませんが、リンパ浮腫複合的治療料の算定には施設基準があり、看護師を配置する場合には専任の常勤で、「リンパ浮腫の複合的治療についての適切な研修を修了していること」が施設要件に含まれています。

適切な研修とは、座学が33時間以上、実習が67時間以上で修了に際して試験が行われるもので、厚生労働省の委託事業「がんのリハビリテーション研修」の「新リンパ浮腫研修」に沿ったものとされています。この要件に該当する研修は座学、実習ともに複数あり、研修修了者は専任の看護師として活動ができます。さらに高い専門知識やスキルを身につけたいと考えている人には、日本リンパ浮腫治療学会が認定するリンパ浮腫療法士などの資格取得を目指すのもよいでしょう。

リンパ浮腫療法士は、リンパ浮腫複合的治療料の診療報酬算定に必要な研修(座学33時間以上、実習67時間以上)よりも長い、座学45時間以上かつ実技90時間以上の計135時間以上の研修を受けていることが受験要件となっています。また、リンパ浮腫外来やそれに準ずる医療機関などで臨床経験を積んでいることやリンパ浮腫治療の実施症例が5例以上必要となるなど、学会資格のなかでも受験に際してのハードルは高めといえるでしょう。

リンパ浮腫ケアのスペシャリストとして

施設基準を満たした医療機関でリンパ浮腫の複合的治療を保険診療で行う場合、重症で200点、それ以外は100点算定ができます。しかし、指導やケアに時間がかかるリンパ浮腫の場合、保険診療で手厚くケアを提供することは難しいのも現状で、施設基準を満たしていても自由診療で行っているケースもあります。
リンパ浮腫の理解やケアの知識を持つ看護師が関わることで、生活スタイルや悩みに応じた個別性の高い指導を提供することができます。ケアを行うことによるリンパ浮腫の予防や改善という成果がみえやすいのも、モチベーションにつながるのではないでしょうか。

リンパ浮腫療法士の受験は日本リンパ浮腫治療学会員である必要はありませんが、試験に合格後、認定登録の際には学会員になることが条件となり、5年ごとの更新が必要となります。関心がある人は日本リンパ浮腫治療学会の学術総会や地方会が開催するセミナー、講習会への参加から始めてみるのもよいのではないでしょうか。

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参考
日本リンパ浮腫治療学会認定 リンパ浮腫療法士

日本婦人科腫瘍学会:リンパ浮腫複合的治療料
日本医療リンパドレナージ協会
がんのリハビリテーション研修・新リンパ浮腫研修

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