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最新看護手技キャッチアップ 褥瘡の洗浄は水道水でOK!

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かつては良しとされていた看護手技に、こだわりすぎてしまう場面はありませんか?今回は「褥瘡の洗浄」をテーマに、現在の正しい対応方法について考えます。事例をもとにみていきましょう。

【事例】
入院中の60歳代女性は長期臥床生活を送っており、仙骨部に褥瘡が生じている。
滲出液や膿苔は確認できなかったが、看護師は毎日必ず創部を消毒し、生理食塩水で洗浄することにした。

褥瘡治癒のためには創部を清潔に保つことが第一ですから、事例のように対応するのが普通ですよね?

褥瘡の洗浄についての「基本」は、少しずつ変化しているわよ。
時代に取り残されないよう、最新情報をチェックしておきましょう!

基本的に褥瘡洗浄は水道水でかまわない

褥瘡の治癒を促進するため、創部や創周囲皮膚の洗浄はとても大切なケアの一つよね。
まずは、洗浄の方法をおさらいしてみましょう。

創周囲皮膚には、皮膚のpHに近い弱酸性の洗浄剤を用いるわ。
十分に泡立ててから、指の腹を使って愛護的に洗うの。
このとき大切なのは、創部に洗浄剤が入らないようにすることよ。
また、十分な量のぬるま湯で、洗浄剤が残らないようしっかりと洗い流してね。

一方、創部については、洗浄剤ではなく水圧の力を利用してきれいにするの。
こすらないように洗うことが基本だけれど、壊死組織があるときはグローブを着けた指の腹でかるくこすり洗いするなどして除去するのよ。

日本褥瘡学会の「褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)」では、「十分な量の生理食塩水または水道水を用いて洗浄する」と書かれているわ。
つまり、生理食塩水と水道水、どちらを使用してもOKなのよ!

現代日本の水道事情を考えれば、きれいな水道水(またはぬるま湯)での洗浄は問題ナシ。
むしろ、コストを気にしてチマチマと生理食塩水を使うほうが十分な洗浄ができないため、よほど問題だと思うわ。

生理食塩水や消毒は「必要に応じて」

もちろん、生理食塩水での洗浄が有効なケースもあるわ。
例えば、神経の末端がある真皮層に至る褥瘡などで、洗浄すると疼痛を伴う場合よ。
生理食塩水は体液とほとんど同じ浸透圧を持つため、水道水よりも痛みを感じづらいの。

ちなみに、昔は褥瘡に対してポビドンヨードなどで消毒することが多かったけれど、現在では消毒しないのが基本。
多くの消毒液は細胞毒性を持ち、細菌だけでなく線維芽細胞などにもダメージを与え、創部を回復させようとする生体の働きを妨げかねないからよ。
洗浄水で洗い流すだけで、十分に細菌を減らすことができると覚えておいてね。

ただし、創部が明らかに感染していて滲出液や膿苔が多いときなどは、洗浄の前に消毒を行うことも考えられるわ。
それでも消毒液による殺菌効果は一時的なものにすぎないから、医師と相談して抗菌薬などの使用を検討する必要があるわね。


なんとなく「生理食塩水で洗っておけば安心だろう」という思い込みをしていました。

生理食塩水が有効な場合もあるけれど、必須ではないというところがポイントね。

NG看護手技
どのような場合でも、褥瘡は生理食塩水で洗浄したうえ、ポビドンヨードなどで消毒する。

OK看護手技
褥瘡の洗浄は基本的に水道水で問題なく、消毒も不要。
ただし、疼痛や感染がある場合などは個別の判断を要する。

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参考文献
日本褥瘡学会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版),2012.

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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