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ミスが起こりやすい薬剤調製~インスリンの誤投与を防ぐ

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インスリンは単位換算の間違えによる誤投与の報告が多い代表的な薬剤です。間違いやすい単位の理解と換算方法、過去の事例からミスが起こりやすいシチュエーションと対策をご紹介します。

インスリン製剤の誤投与はなぜ起こる?

糖尿病治療で使われるインスリン製剤は、ペン型注入器による自己注射管理や病棟での高カロリー輸液への混注、手術室やICUでシリンジポンプを用いた持続投与などに用いられます。インスリン製剤は使用頻度が高い薬剤でありながらハイリスク薬でもあり、インスリン製剤に関連した医療事故は数多く報告されています。その理由として次の要素があげられます。

(1)投与量が単位(Unit)で設定されている
(2)製剤の種類が多い
(3)投与方法が多様(自己注射も含む)
(4)投与量の変更が多い

インスリン製剤の誤投与の原因は多様で、過去の発生状況でみると、薬剤の間違いは注射実施時、薬剤量の間違いは薬剤準備、無投与は指示受けや注射実施のタイミングで起こりやすくなっています。

間違えやすいインスリン含量

インスリン製剤は、100単位/mL に濃度が統一されていて、1バイアルは1000単位(10mL)です。単位の誤認による過量投与によって低血糖になった患者さんの事例が多く報告されています。

インスリン製剤のバイアルは「100単位/mL」の単位と1バイアルの量「1000単位 10mL」がわかる表示となっていますが、経験の浅い看護師やインスリン製剤を扱い慣れていない看護師の場合、単位換算の認識が曖昧で、「確かそうだった“はず”」が事故につながることもあります。

インスリン含量の誤認は患者さんに直接影響が及ぶ可能性が高いため、ダブルチェックを欠かさないことはもちろん、調製時に見えるところに注意喚起を表示するなどの工夫が必要です。

ケース:インスリン含量の誤認から発生しやすい医療事故

インスリン0.1mLを輸液に混注して投与する指示をしたが、看護師が0.1mL=1単位と思い込んで調製し、患者さんには0.01mLしか投与されていなかったため、患者さんが高血糖となってしまった。

〈ポイント〉
●インスリン単位換算

0.01mL 1単位
0.1mL 10単位
1mL 100単位

上記の通り、インスリン0.1mLは10単位です。このケースでは本来0.1mL投与の指示だったものの、実際に患者さんに投与されたインスリンは0.01mLでした。

インスリン製剤の準備時に起こりやすいのは…?

病棟でインスリン製剤を輸液に混注する際に起こりやすいのが使用する注射器の取り違えです。
インスリン製剤の調製に使われる注射器は、「単位」もしくは「UNIT」表示となっているインスリン専用のものを使用しなければなりません。病棟にはツベルクリン用注射器や1mLプラスチック注射器などもあるため、取り違えてしまうと調製するインスリンの量を間違えてしまいます。

〈ポイント〉

  • インスリン専用注射器:表示は「単位」もしくは「UNIT」
  • その他の注射器:表示は「mL」

誤って別の注射器を使用しないように、インスリン製剤が保管されている薬品棚の隣に専用注射器を配置して他の注射器は別の物品棚に置くなど、混同しにくい仕組みをつくることが重要です。

また、糖尿病の持病がある入院患者さんが増え、入院中の管理が煩雑になっていることも事故のリスクを高めます。報告されているものでは、ペン型のインスリン注入器のキャップに患者識別シールが貼られていて別の患者さんのインスリン注入器にセットしてしまった事例や、シールを貼付せずに薬袋に入れて保管したために取り違えてしまった事例などがあります。

インスリン注入器本体で患者確認ができるように患者さんの氏名を記載し、一つのトレイに複数の患者さんの注射器を置かない、投与前に再度注射指示書で患者さんの氏名、薬剤名、投与量を確認するなどの対策が必要となります。

薬剤の投与は看護師が最終手技者となるケースが多く、インスリン製剤も同様です。医療事故が起こりにくい仕組みをつくること、その手順を徹底することが重要となります。

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参考
日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 第41回報告書
日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 第42回報告書
日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 第43回報告書
日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 第44回報告書
日本医療機能評価機構:PMDA医療安全情報 No.37 改訂版

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