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子どもの肥満をどう防ぐ?

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小児肥満は将来に向けての健康障害のリスクを軽減するうえでも、早期の取り組みが重要といわれています。小児肥満の現状と、保護者への指導などにあたる際のポイントを紹介します。

小児の肥満頻度と将来予測

成人以降の肥満は、がんや心筋梗塞などの心血管疾患など、様々な病気のリスクになることが知られています。これらの病気は死亡原因にも直結するものであり、重症化や合併症の進行予防を目的として40歳以上の人を対象に、特定健康診査(メタボ検診)・特定保健指導も開始されました。

その一方で懸念されているのが小児の肥満です。その出現率は全体で10%前後といわれていますが、近年の小児肥満は中高生の思春期肥満につながり、さらに成人肥満に移行するケースが増えているといわれています。また、すでに2型糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を合併している小児も増加しています。

小児の肥満に対しては、特に学童期までの治療が重要とされており、家庭や学校との連携、さらに医療機関での適切な指導が欠かせません。

〈小児肥満増加と成人肥満〉

1970年代 肥満頻度(12歳)約3~4%
⇒30年後 肥満頻度(成人)約20~25%

2000年 肥満頻度(12歳)約10~13%
⇒30年後 肥満頻度(成人)肥満頻度上昇の可能性

1970年代の小児肥満と、その子どもが中高年になった2000年の成人肥満の割合をみると、約6~7倍に増加していることがわかります。2000年代まで急激に増加した小児肥満は、現在横ばいから微減で推移していますが、その子どもたちが中高年にさしかかる2030年以降は、現在よりも大幅に肥満頻度が高くなることも予想されます。

小児の肥満と肥満症

小児は成長過程にあり、身長が伸びるとBMIが下がるため、肥満の判定には成人と同じBMIではなく、肥満度を利用します。肥満度は標準体重に対して体重が何%上回っているかを示すものです。

〈肥満度の計算方法〉

肥満度=(実測体重−標準体重)/標準体重×100(%)
このうち標準体重は、性別、年齢別、身長別で細かく設定されています
日本小児内分泌学会ホームページより

肥満の判定:肥満度が+20%以上かつ有意に体脂肪率が増加した状態
体脂肪率は、男児は25%以上、女児は11歳未満で30%以上、11歳以上なら35%以上の場合を「有意に体脂肪率が増加した状態」とする

肥満は、疾病のハイリスクであり、疾病として扱うものを肥満症といいます。肥満症は、肥満に起因、あるいは関連した健康障害(NAFLDや高インスリン血症など)を合併するか、合併が予測される(内臓脂肪型肥満)場合をいいます。また、小児でも腹部肥満があり、血清脂質異常(中性脂肪高値、HDLC低値)、血圧高値、空腹時血糖高値の3つの動脈効果危険因子のうち2つ以上(肥満を含めて3つ以上)がある場合をメタボリック・シンドロームとして扱います。

小児の肥満においても睡眠時無呼吸症候群や運動器疾患の合併、皮膚症状などが出現します。また、肥満を引き起こす過食の原因がストレスなどの精神的な負担による可能性もあります。

地域資源の活用と個別性の高い指導を

小児の肥満は、低体重児としての出生が要因のひとつとされていますが、その後の環境因子による影響も大きく、保護者の理解なしに改善は難しいといえます。

小児肥満の専門外来を開設する医療機関は少ないのが現状で、かかりつけ医のもとで指導を受けるケースも多くあります。医療機関では、看護師や管理栄養士などが個別指導や教室を開いて、食器を小さめのものに変える、固い食物を少量ずつ食べてかむ回数を数える、目標体重に向けて一緒に記録をつけるなど、生活環境を聞き取りながら具体的な指導を行います。

しかし、こうした家庭での取り組みができないケースもあります。好きなものばかりを食べて栄養が偏ることが肥満の原因のひとつでもあり、子どもの孤食を防ぐ重要性が指摘されていますが、経済的、家庭の事情で、保護者だけでは解決が難しいこともあります。

近年地域の自主的な取り組みとして「子ども食堂」で地域の人と一緒に食事をとる活動が進められています。民間のボランティア団体が運営する子ども食堂を自治体が支援したり、なかには医療機関が運営に乗り出したりと、子どもの食を支え、見守る場、地域住民の交流の場としても広がりをみせています。こうした地域資源の情報もキャッチしておくことも指導に役立つのではないでしょうか。

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参考
日本小児内分泌学会:肥満
小児保健協会学校保健委員会:子どもの肥満症Q&A
農林水産省:平成29年度食育推進施策(食育白書)

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