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看護師の仕事場図鑑vol.8 ハイケア系ユニットの看護師の仕事

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重症患者さんの医療を担うハイケア系ユニットは高い専門性が求められる分野ですが、近年その知識は広く一般病棟の急変対応などでも求められるようになっています。今回の「看護師の仕事場図鑑」は、ハイケア系病棟に勤務する看護師の声を紹介します。

ハイケア系ユニットの仕事内容

ハイケア系ユニットは、機能を細分化してより専門性の高い医療・看護を提供しています。

  • 集中治療室(ICU:Intensive Care Unit)
  • 高度治療管理室(HCU: High Care Unit)
  • 冠動脈疾患集中治療室(CCU:Coronary Care Unit)
  • 新生児集中治療室(NICU:Neonatal Intensive Care Unit)
  • 脳卒中集中治療室(SCU:Stroke Care Unit)

上記のように、疾患ごと、あるいは重症度が高く急変リスクがある患者さんや救急搬送された患者さん、術後の管理などを専門に行います。

重症かつ緊急性が高い患者さんが多いため、ハイケア系ユニットは意思疎通ができない患者さんが多いのも特徴です。そのなかで患者さんの安全や安楽に配慮し、急変対応や医療機器の操作、モニタリング、家族への支援などを行うのがハイケア系ユニットの看護師の役割です。

ハイケア系ユニットでの働き方

テレビドラマなどの影響もあり、クリティカルケアに関心を持つ看護師も多いといわれています。しかし、バイタルサインや医療機器のモニター、尿量などの情報と観察力で患者さんの状態を把握するには、専門的な知識や経験が必要です。緊急搬送や急変がいつ発生しても対応できるように、時間に関係なく稼働しているため、働く看護師のほとんどが夜勤を含む交代制勤務となります。

日勤のみで働く看護師も他の配属先に比べて少なく、ハイケア系ユニットで働くうえで「夜勤ができること」は欠かすことが難しい条件といえるでしょう。

今回のアンケートでは、94%の方が2交代もしくは3交代制の「夜勤あり」と回答しています。ハイケア系ユニットは常にスタッフが患者さんの観察やケア、処置などを行っているため、「オンコール」があると回答した人は10%にとどまっています。

〈休日・休暇〉

勤務は病棟と同様にシフト制の「不定期」と答えた人が92%で、「土日休み」と回答した人は約3%にとどまりました。これもハイケア系ユニット勤務の特徴といえるでしょう。

〈家庭との両立のしやすさ〉


平均2.5点(n=114)

多忙かつ夜勤がある点で、家庭との両立の採点は伸びませんでした。しかし、なかには「平日休みが多い」「休みがとりやすい」「残業が少ない」など、家庭との両立でメリットと感じている点をあげる人もいました。

夜勤がないハイケア系ユニットは少なく、家庭との両立の視点では優位性は低いといえるわね。でも、様々な疾患を対象として、起こりうる状況を想定しながらケアを行うハイケア系ユニットでの看護は、幅広い知識を得ることができる点がメリット。一般病棟だけでなく外来、療養病棟、介護系施設でも活かせるわ。

ハイケア系ユニット看護師の仕事内容

ハイケア系ユニットは在院日数が短く、1人の患者さんに長くかかわることはありません。しかし、集中治療の現場でのケアがその後の患者さんの回復の過程に及ぼす影響は大きく、短期間でいかに質の高いケアが提供できるかが問われる現場といえます。

基本のバイタルチェックや人工呼吸器管理、中心静脈カテーテルの挿入介助、医療機器のモニタリングとその評価はもちろん、疾患理解や病態生理などの幅広い知識を得ることができるのがハイケア系ユニットの魅力といえるでしょう。

また、突然の急変で救急搬送された患者さんも多く、医療機器に囲まれた患者さんをみて強い不安を感じる家族も少なくありません。家族に対する支援も看護師の重要な役割であり、高いコミュニケーション能力が必要とされる現場です。

〈1日のスケジュール例〉

●日勤

8:00 出勤、情報収集
8:30 夜勤リーダーから日勤メンバーへ患者全員の申し送り
8:45 朝の会、看護師長からの伝達事項
8:50 夜勤受け持ち看護師から日勤受け持ち看護師への詳細な申し送り
9:00 カテーテル挿入や血液浄化などの処置、薬剤の調剤、CT、カテーテル検査出し、手術出し、ケア、入室があれば入室対応
12:00 採血、栄養剤投与~
13:00 午前に終わらなかったケアや処置、適宜記録
16:40 夜勤受け持ちへ申し送り
17:30~
18:00
勤務終了

●夜勤

16:00 出勤、情報収集
16:30 日勤リーダー看護師から全体の申し送り
16:40 ベッドサイドで日勤受け持ち看護師から夜勤受け持ち看護師への詳細申し送り
17:00 薬剤調剤、栄養剤準備、血液浄化対応など
18:00 採血、体位変換など適宜実施、記録、入室があれば入室対応
19:00 適宜薬剤の調剤、体位変換、記録など ※交代で休憩(1時間)
0:00 採血、適宜薬剤の調剤、記録、入室があれば入室対応 ※仮眠休憩(1~2時間)
6:00 採血
6:30 入室患者全員のポータブルx-p、栄養準備、投与、適宜薬剤調剤、体位変換、マウスケア、記録など
8:00 夜勤リーダーから日勤リーダーへ患者全員の申し送り
8:30 夜勤リーダーから全体へ申し送り
8:50 ベッドサイドで夜勤受け持ちから日勤受け持ちへ申し送り
9:00 勤務終了

(20歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系・夜勤含む(2交代制)常勤の一例)

主な患者さんのタイプ

医療機関によって、ICUとHCU、NICUなどの機能分化がされている場合があり、CCUやSCUでは疾患が限定されることもありますが、多くは年齢問わず、心臓血管系、脳疾患系、消化器系などの疾患全般の重篤な患者さん、あるいは術後や救急対応後の管理が必要な患者さんが対象となります。

必要となるスキル・知識

フィジカルアセスメントや呼吸・循環・代謝管理、血液浄化療法、人工呼吸器管理、薬剤や栄養剤の投与、急変対応など、ハイケア系ユニットの看護師には、重症患者さんの治療に必要なスキル、知識全般が求められます。SCUのように脳卒中の急性期に対応する専門部門では、血栓溶解療法や血管内治療などの専門的な治療を迅速に行う必要があり、看護師にも高い専門性が要求されます。

また、集中ケア後の安全な早期離床は、ICU在室期間短縮やADL再獲得の重要なポイントといわれています。せん妄や疼痛などをコントロールし、安全に離床ができるようにモニタリングしながら医師や理学療法士などと連携してチームで進めていくことが重要で、看護師はその調整と患者さんへの教育や心理的援助などの環境整備を進めます。

ハイケア系ユニットで働くメリット・デメリット

〈メリット〉

ハイケア系ユニットは、重症度の高いあらゆる疾患の患者さんに対応するため、人工呼吸器管理や血液浄化療法などの医療機器操作も含めた全身管理を学ぶことができます。救命と集中ケアは、救急指定病院のなかでも核となる部門であり、生命の最前線で活躍できることにやりがいを感じている人も多いようです。
また、「休暇が取りやすい」「残業が少ない」「給与が高い」点をあげる人が多かったのも特徴的なことといえるでしょう。

▼実際に働く看護師さんの声「ハイケア系ユニットのここがよかった!」

  • 患者さんは重症で緊張を強いられるため、精神的な疲労はありますが、看護師が実施したケアでよくなる患者さんをみられること、患者さんや家族への看護もやりがいを持って取り組める(40歳代・女性・二次救急指定病院ハイケア系)
  • 高度医療に携わり、クリティカルケアが学べる。患者さんの受け持ちが少ないので、一人ひとりの患者さんにじっくりかかわることができる(20歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 給与水準が高く、長期休暇も認められている。人工呼吸器管理や創傷ケア、急変対応、退院支援、家族看護など、全領域の看護を日々学ぶことができる(30歳代・男性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 術後などの重症患者さんのアセスメント力がつく。自分が異常に早く気づいて対応できるかなど、患者さんがより良い状態になるための看護を考えて実践できるのがやりがい(30歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 新生児看護、家族看護ができる。超低出生体重児は半年ほど入院が必要となるため、じっくりとかかわれて自分自身も癒やされる(30歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 休日の希望が通りやすく、残業が少ない(30歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 自分が行ったケアによって患者さんの良い表情がみられたときや、回復し、笑顔で退院していく姿をみるとやりがいを感じる(30歳代・女性・一次救急指定病院ハイケア系)

〈デメリット〉

ハイケア系ユニットは、時間を問わず入室がある多忙な現場です。急変対応も多く、緊張が続く現場で精神的な疲労、ストレスが溜まりやすく、「疲れが取れない」「体力が低下して夜勤が負担」という声が多く聞かれました。また、家族支援も看護師の重要な役割のひとつですが、「家族の精神的ケアの難しさ」をあげる人もいました。

▼実際に働く看護師さんの声「ハイケア系ユニットのここが悩みどころ…」

  • 患者さんとゆっくりコミュニケーションをとることができない(20歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 朝が早く、夜も残業で遅くなることが多いので家庭との両立が厳しい(30歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 医師の指示が複雑だったり不足していたりすることが多く、そのたびに電話をするなど、確認作業に時間がかかる(30歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 患者さんが2~3日で一般病棟に移るため、新人看護師に継続看護の視点が育ちにくい。術後や鎮静下にある患者さんが多いと看護師が横柄になりやすい(30歳代・女性・三次救急指定病院ハイケア系)
  • 夜勤が多く体調を崩しやすい。人員が少なく常に多忙で有給休暇も消化できない(20歳代・女性・二次救急指定病院ハイケア系)
  • 重症患者さんが多く、緊張感を保っていなければならず神経を使う(30歳代・女性・一次救急指定病院ハイケア系)
  • 患者さんとのコミュニケーションが不十分になりがち。患者さんが厳しい状況にあるときの家族へのインフォームド・コンセント後のかかわりが難しいと感じる(20歳代・女性・二次救急指定病院ハイケア系)
  • 夜勤が年々つらくなってきており、いつまでこの働き方を続けられるか不安(30歳代・女性・一次救急指定病院ハイケア系)

ハイケア系ユニットに向いている人は?

アンケートでは、救急や集中ケアで経験を積むことで、「どの医療機関でも働けるようになる」という回答もあり、高度な知識や技術を学び、看護師として成長したいと考えている人に向いているといえるでしょう。

幅広い範囲で専門的な知識が求められるため、「学ぶ意識が高い人」という回答も多くみられました。急変や入室などが続くこともあり、的確な判断力、対応力が必要とされる現場でもあります。多くの看護師から「テキパキと仕事ができる人」「効率よく動ける人」といった声が多かったのも特徴です。

ハイケア系ユニットは、常に緊張感を伴う現場で、精神力・体力ともにハードといえるわ。でも、患者さんの生命に直結する救急や集中ケアの最前線で働くことへのやりがいも大きいようね。

近年は、クリティカルケア領域での終末期看護が話題になるなど、救急・集中ケアに携わる看護師の役割はさらに重要ね。憧れだけでは務まらない現場だけど、関心が高い人にとっては学ぶことも多いわ。

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2018/3/29~3/31にナースフルサービスの看護師会員を対象に「看護師の働く場所と働き方アンケート」を実施。有効回答数3,361名のうち、ハイケア系ユニットで働く会員114名の回答をもとに作成。

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