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さあ、夏本番! 熱中症の予防・対処のポイント

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いよいよ厳しい暑さが本格化するこの時期。熱中症で搬送されてくる患者さんをケアしたり、電話相談などに応じたりするケースも増えてきたのではないでしょうか。また、職場以外の場所で熱中症に倒れた人と遭遇するかもしれませんし、もしかするとあなた自身が倒れるかもしれないのです。この機会に、今さら聞けないけれど重要な熱中症の基礎知識を再確認しておきましょう。

熱中症の3段階の重症度&必要な対応

今年も熱中症のシーズンがやって来ましたね。
消防庁の統計によると、去年(2018年)5~9月の間に全国で約9万5000人が熱中症のために救急搬送され、そのうち160人が亡くなったそうです1)
医療従事者としては、まずはこのことの重大さを知っておかなくてはなりませんね。

熱中症の患者さんに接したときは、重症度に応じた適切で迅速な対応が大切よ。
「熱中症診療ガイドライン2015」(日本救急医学会)に記載されている熱中症の新分類と、それぞれの対処法を理解しておきましょう2)

参考資料
1)消防庁: 平成30年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況.
2)日本救急医学会: 熱中症診療ガイドライン2015.

I度:現場での応急処置と見守りが必要な軽症群

  • 症状:めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りなど(意識障害はない)
  • 対応:基本的には現場(できるだけ涼しい場所)で安静にし、体表の冷却と水分・ナトリウム補給を行う

→症状が改善しない場合は、医療機関への搬送が必要

II度:医療機関で診察すべき中等症群

  • 症状:頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
  • 対応:医療機関で診察の上、体温管理を実施(経口での水分・ナトリウム補給が難しい場合は点滴)

→判断に迷う場合や意識レベルが低下している場合は、III度とみなすことが多い

III度:入院加療が必須の重症群

  • 症状:中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常などの臓器障害を呈する
  • 対応:入院加療、場合によっては集中治療が必要

ナースなら理解しておきたい熱中症の基礎知識

1.まずは正確に情報を聞き取ろう

重度の熱中症というと「体温が40℃以上ある」「発汗が停止している」といった点に注目しがちですが、必ずしもそのような症状がみられるとは限りません。
バイタルサインの測定に加えて、患者さんの自覚症状や、症状が出たときの状況(場所、気温、湿度、活動内容、水分摂取の状況など)を確認することが大切です。
季節や環境という状況だけで熱中症だと決め付けず、正確な情報収集を意識しましょう。

2.高齢者や子どもは特に注意!

熱中症で救急搬送される人のうち、約半数が65歳以上の高齢者ともいわれています。
高齢者は体温調整機能が低下している上に基礎疾患を有しているケースが多く、症状が重症化しやすい傾向にあります。
また、小児は発汗能力が成人より低く、高温になる地面から近い距離にいることもあって、熱中症リスクが高いとされています。

熱中症予防のために指導すべきポイント

1.水分摂取の方法

熱中症の徴候がみられたら、食塩とブドウ糖を含み、小腸からの水分吸収を促す経口補水液を摂取します。
近ごろはドラッグストアでも手に入りやすくなりました(ただし、通常のコンビニエンスストアでは販売されていません)。
緊急時には、水1Lに塩3g(小さじ0.5杯)と砂糖40g(大さじ4.5杯)を溶かして経口補水液を作ることができます。

特に高齢者は、自分では脱水に気づきにくく、自発的な水分補給に積極的でないケースが少なくありません。
その人の嗜好を加味した上で、「起床時や入浴前などタイミングを決めて水分を摂る」「食事には汁物をつける」「ゼリーやフルーツを食べる」などの方法を提案してみましょう。

2.温度調整の方法

暑い屋外で活動しているときばかりでなく、室内で安静に過ごしていたとしても、熱中症になることがあります。
夏季の間、基本的にはエアコンの使用が必須と考え、室温は28℃くらいになるよう調整しましょう。
エアコンが苦手な場合は扇風機を併用し、冷たい風が身体に直接当たらないようにすると、ずいぶん不快感が軽減されます。
なお、エアコンの設定温度と実際の室温は、必ずしもイコールではありません。
特に温度変化を感じにくい高齢者の場合は、本人の体感だけに頼るのではなく、温度計を使って室温を確認したいところです。


熱中症も他の疾患と同じように、早期発見・早期治療だけでなく予防するための働きかけが大切ですね。

そうね。たとえば訪問看護師の方であれば、患者さんの居宅での過ごし方が、熱中症予防の観点から問題ないかどうかを再チェックしてみるなど、身の回りに熱中症リスクにつながるものがないか、確認してみましょう。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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