リクルートの看護師転職パートナー ナースフル

閉じる

明日役立つ手技から働き方、医療ニュースまで、看護に活かせる情報をお届け ナースフルマガジン

夏季に流行する感染症「手足口病」「伝染性紅斑」 「風疹」にも引き続き警戒が必要

最新ナースコラム > 医療の最新ニュース

当コンテンツは株式会社 リクルートメディカルキャリアが運営する「ナースフル」というサイト内のコンテンツです。
もし、当コンテンツに関してご不明な点がある場合は、こちらの運営者情報ページからお問い合わせください。


例年、夏季に流行する「手足口病」が6月時点で過去10年の中で最多の患者数となり、2018年から流行が続く「風疹」も2019年に入ってからの累積患者数が2,000人に迫っています(2019年6月末現在)。夏季にかけて注意が必要な感染症について、2019年の流行状況を紹介します。

小児に多い「手足口病」や「伝染性紅斑」

手足や口に水疱性の発疹ができる手足口病は、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71(EV71)、コクサッキーウイルスA10などが原因で起こる感染症です。

飛沫感染や接触感染、経口感染(糞口感染)によって感染が拡大し、乳幼児を中心に集団感染するケースが多いのが特徴です。有効なワクチンがなく、症状に応じた対症療法となりますが、近年は重症化しやすいとされるエンテロウイルス71(EV71)による手足口病が流行しています。
7月下旬が流行のピークとなる年が多く、手洗いの励行など、感染予防を徹底することが重要となります。

また、B19ウイルスへの感染が原因となる伝染性紅斑も小児がかかりやすい感染症のひとつです。感染経路は飛沫感染や接触感染で、予後は良好とされますが、妊婦がいる家庭では子どもから母親に感染するケースもあり、妊婦が感染すると流産や死産、胎児水腫のリスクがあるといわれています。

伝染性紅斑は、4~6年ごとの周期で流行が報告されているのが特徴です。2015年の大きな流行から4年が経っており、すでに報告数が高値となっていることから、警戒が必要な感染症のひとつです。

このほか、夏季にはプール熱やヘルパンギーナなどの感染症が増えます。冬のインフルエンザ流行時期に比べて咳エチケットや手洗いの励行など、個人の感染対策が徹底されにくい時期でもあります。医療機関内での周知徹底が重要です。

夏に増える感染症

夏季は、食品などを介して感染する病気も増えます。代表的なものが腸管出血性大腸菌感染症です。その原因菌はベロ毒素を産生する大腸菌で、O-157がよく知られています。2019年は過去5年間の同じ時期に比べ2番目に多く、集団発生事例では、保育施設や飲食店などからの報告があります。

無症候や軽度の下痢、腹痛など、軽い症状ですむこともありますが、重篤になると溶血性病毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)や脳症などを発症することがあります。HUSは、溶血性貧血や血小板減少、急性腎不全を引き起こし、致死率は1~5%といわれています。

夏季は、海外旅行をする人が増えることもあり、食べ物や水、蚊などを介した感染症への注意喚起が大切な時期でもあります。海外で注意しなければならない感染症は地域によっても異なり、なかには予防接種をしていないと入国が認められないこともあります。
他の患者さんへの感染拡大を防ぐためにも、ワクチン接種や帰国後に感染に気付いたときの対応などをポスターで掲示するなど、地域の人への周知をはかることが重要です。

妊婦への風疹感染予防対策が急務の課題

2018年以降、特に風疹患者さんの数が増えており、2019年1~6月までの累計報告数は1,793人にのぼっています。また、大きな問題となっているのが先天性風疹症候群です。

風疹は2008年に全数届出になり、2014年以降は先天性風疹症候群の報告はありませんでした。しかし、2019年に入ってから複数の患者さんが報告されています。厚生労働省では、「風しんに関する特定感染症予防指針」のなかで、「早期に先天性風疹症候群の発生をなくすとともに、令和2年度までに風疹の排除を達成すること」を目標に掲げています。

厚生労働省では、抗体の低い1962年4月2日から1979年4月1日生まれの男性を対象に、混合ワクチンの接種を呼びかけています。男性が風疹に感染した場所で最も多いのが「職場」で、女性の罹患者は家族が感染源となるケースが多いとされています。特に妊婦がいる家庭で対象となる男性がいる場合には、抗体検査を勧めるなどの働きかけが必要です。

風疹そのものは感染症としてよく知られていますが、その影響については知らない人も少なくありません。「自分が」罹患するだけでなく、家族、特に妊婦に感染させるリスクが高いこと、妊婦が感染した場合には胎児に先天性心疾患、難聴、白内障などの障害が及ぶことに対しても十分に説明することが重要です。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
転職についてお悩みの方はこちらのフォームよりご相談ください。

参考
厚生労働省:手足口病に関するQ&A

国立感染症研究所:伝染性紅斑

国立感染症研究所:腸管出血性大腸菌感染症

国立感染症研究所:風疹急増に関する緊急情報(2019年)

TOPへ