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WHOで「ゲーム障害」が新たな疾病に~予防や早期発見、治療は?

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2019年5月に世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を新たな疾病として正式に認定しました。国内でもゲームへの依存者は増えており、その大半は未成年だといわれています。ゲーム障害への対応について紹介します。

“行き過ぎ”が問題となる「依存症」

「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」は、国や地域の違いによらず、疾病や死亡のデータを集積して分析するために世界保健機関(WHO)が定めているものです。

分類ごとの統計データは、国内でも基準として扱われており、医療機関の診療録の管理などに使われています。その分類が2019年5月に改定されることが決まり、新しいICD-11は、2022年から使われます。

そこで話題となったことのひとつが、依存症のなかに「ゲーム障害」が疾患として追加されたことです。時間や頻度を自分で制御できない、ほかの活動よりもゲームを最優先する、ほかの活動よりもゲームを優先させる程度が甚だしい、問題が生じているにもかかわらず続ける状態が12ヵ月以上続き、社会生活に重大な支障が及ぶなどして問題が生じている状態をいいます。

今回、WHOがICD-11で「ゲーム障害」を精神疾患のひとつと認定したことで、対象者への早期介入につなげることが期待されています。

●「依存」と「行動嗜癖」の違いは?

通常、「依存」はその対象が物質である場合に使われるもので、「アルコール」「薬物」などがその代表です。一方、通常は多幸感をもたらすはずの行動が行き過ぎ、その結果さまざまな問題が生じた状態を「行動嗜癖(アディクション)」といいます。ギャンブルや買い物などが挙げられます。
これまで行動嗜癖はICD-10に収載されておらず、ギャンブル依存が「病的賭博」として「習慣および衝動の障害」に含まれていました。「病的賭博」は「ギャンブル障害」として、「ゲーム障害」とともにICD-11に「物質使用および嗜癖行動による障害」に含まれることになりました。今後研究が進められていくなかで、ギャンブル、ゲーム以外の行動嗜癖も収載される可能性があります。

生活に困りごとが生じることが問題

依存症への対策は国内でも注目度が高まっていますが、その介入ポイントとなるのは、いつも頭から離れない、やめようとしてもやめられない、本人や家族が苦痛を感じているなど、生活に困りごとが生じているかどうかという点です。

ゲーム障害でいえば、課金額が収入を大きく超えてしまい、家族に隠れて借金をしたり、お金の工面に手段を選ばなくなったりすることがあります。また、ゲームの時間を何よりも優先して学校や仕事を休んだり、その言い訳に嘘をついたりすることで家族との関係が悪化するなどの例があげられます。さらに食事をとらなくなったり睡眠時間を削ったりすることで、心身の健康状態にも影響が及びます。

過去には、海外でインターネットのオンラインゲームをやり続けたことでエコノミークラス症候群になったとみられる事例が報道されたり、家族間のトラブルに発展したりと、ゲームへの依存がもたらす健康被害は国内外で問題となっています。しかし、いまだにわかっていない点も多く、単に「ゲーム=悪」という偏見を生まないためにも、精神的、身体的影響についてはエビデンスの構築が必要とされています。

本人と家族が支援の対象に

ゲーム障害に限りませんが、依存の患者さんは他の精神障害や生活習慣病を抱えているケースもあるため、医療者は全人的な視点でとらえることが重要となります。

また、家族がゲーム障害を正しく理解することが大切で、家族が正しい対応を学ぶことで依存から脱却できるケースもあるといわれています。
ゲーム障害の人は「ゲームをしたい」という思いと同時に、「このままではいけない」という思いを抱えているケースが少なくありません。身近な存在である家族が強制的にゲームを排除したり正論をぶつけたりすることは、反発につながりやすく、医療者などの第三者のかかわりがポイントとなります。

一方、ゲーム障害の患者さんを持つ家族は、その対応に困り、疲弊しているケースが多いといわれています。医療者は家族もケアの対象として受容的な姿勢で対応することが求められます。

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参考
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