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事例で学ぶ看護技術 有効期間が過ぎたワクチンの接種

看護あるある 手技Q&A > 与薬・薬剤 編

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インフルエンザワクチンの接種シーズンになりましたが、今年もワクチンの在庫不足が話題になっていますね。
ちなみに、インフルエンザワクチンに関連するインシデントもあるのでしょうか?
有効期間を過ぎたワクチンを患者さんに打ってしまったという報告があるわ。
どうしてそのような事故が起こったのか、事例をみていくことにしましょう。
●今回の事例:
2007年度分のインフルエンザワクチンを卸業者に返品するため、薬剤部が払い出し部署の在庫品の製造番号確認を行い、卸業者に連絡したところ、2006年度分の製造番号のワクチンが見つかった。
インフルエンザワクチンの接種者のカルテを確認したところ、2006年度分のワクチンを接種した患者が7人いた。
調査の結果、薬剤部へ返却されたワクチン6本が再び払い出され、使用されていたことがわかった。

薬剤の確認事項に「有効期限」は含まれている?

リコ:
ワクチンの有効期間なんて、これまで意識したことがありませんでした。
特にインフルエンザワクチンは、インフルエンザの流行時期に合わせて秋から冬にかけて扱うものですよね。
使用する直前に納品され、在庫がたまることなく使い切っているはずでは?

ヨシミ師長:
薬品名や使用量、そして患者名は確認する習慣ができていても、使用期限までチェックしている医療従事者は少ないかもしれないわね。
とはいえ、この事例のように使用期限が過ぎたワクチンが払い出されることもありうるわけだから、油断は禁物よ!

リコ:
病院なら薬剤部が、クリニックなら師長や事務担当者が在庫を管理してくれています。
だからこそ実際に患者さんに使用する看護師は、「仕入れの段階で確認済みだろう」と思い込んでしまいがちですね。

ヨシミ師長:
ワクチンの中には「新しい型」に移行するものもあるわ。
例えば日本脳炎のワクチンは、特定の疾患との因果関係が示唆されたことから、培養方法を変えた新型のワクチンが使用されることになったの。
それなのに「新型ワクチンと思い込み、使用期限の過ぎた旧型ワクチンを接種してしまった」という事故も複数報告されているから注意が必要よ。

自然に有効期限をチェックできる仕組みを考えよう

ヨシミ師長:
それでは、有効期限切れのワクチン接種を防ぐためには、どのような対策が考えられるかしら?

リコ:
これまでの事故報告で挙げられた対策は、あらかじめ薬剤部が実施するものと、ワクチン使用時に行うものに大別できるようです。
薬剤部が行う対策としては、
・購入時に期限チェックして表に記載する
・毎月の棚卸し時に期限の迫ったものには印をつける
・ワクチン管理台帳を設け、入出庫管理および接種者の登録管理を行う

といった点が挙げられていますね。

ヨシミ師長:
ワクチン使用時には、
・予防接種マニュアルを遵守して有効期限の確認をする
・ワクチンの払い出しは当日使用するものだけにする
・接種中止になったものは当日のうちに薬剤部に返納する

といったことが考えられるわね。
ワクチンの入っていた箱を患者さんと一緒に見ながら、薬剤名と使用期限を確認している施設もあるそうよ。

リコ:
患者さんへの説明の一環と考えて、使用期限の確認も一緒に行うわけですね。
できるだけ多くの人の目を通してチェックすれば精度が上がりますからね。

ヨシミ師長:
使用期限の日付によって保管場所を分けるという方法もあるわ。
例えば、ワクチンを保管するエリアを「○年1~6月」「○年7~12月」と使用期限に応じて区分けしておくの。
ワクチンを収納するときは、どちらのエリアになるのか判断するため、使用期限を見る必要があるわよね。

リコ:
なるほど、自然と確認行動につながる仕組みを整えておくわけですね。
「○年1~6月」のエリアのものから使用すれば、使用期限が過ぎたワクチンの在庫もたまりにくくなりそうです。

ヨシミ師長:
実際の現場では、すぐに使いたいときのために薬剤部へ戻さず、多少は手元にストックしておきたいと思うこともあるんじゃないかしら。
現場の実情に合わせて相応の利便性を確保しつつ、それでもきちんと使用期限を確認できる方法を、部署全体で検討していきたいわね。

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参考資料
日本医療機能評価機構:医療事故情報収集等事業 第23回報告書(平成22年7~9月).

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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