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ナースが知りたい!くすりの知識 骨吸収抑制と骨形成促進を同時にもたらす骨粗鬆症治療薬 ロモソズマブ(商品名イベニティ)

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ご近所のお母さんが、ママさんバレーボールの練習で転んで尻もちをついたら、腰椎圧迫骨折をしてしまったらしいです。
まだ40歳代なのに、かなり骨密度が低下していたみたいです。

その骨密度低下が病的なラインを越えてくれば、骨粗鬆症ということになるわね。
今回は、2019年3月に発売された、既存薬とは異なる作用機序の骨粗鬆症治療薬ロモソズマブ(商品名イベニティ)を紹介するわ。

スクレロスチンを阻害して骨吸収抑制&骨形成促進

骨粗鬆症は、加齢などの影響で骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収が優位になることで骨量が減少するとともに、骨微細構造が変化して骨強度が低下し、ちょっとしたことでも骨折してしまうほどの状態になる疾患よね。
高齢化の進展に伴って骨粗鬆症は増加傾向にあり、40歳以上の日本人女性の4~5人に1人が骨粗鬆症になっているともいわれているわ。
特に転倒により大腿骨頸部骨折を起こせば、しばらくは移動が大幅に制限されることになり、悪くするとそのまま寝たきりの状態になるリスクもあるわよね。

従来、骨粗鬆症の薬物治療には、活性化ビタミンD製剤、骨吸収抑制薬(ビスホスホネート製剤など)、骨形成促進薬(副甲状腺ホルモン製剤)という3種類の薬剤が使われてきたのだけれど、ロモソズマブはこれらとは違った作用機序でアプローチするの。

骨細胞が産生するスクレロスチンという糖蛋白質は、破骨細胞による骨吸収を刺激するとともに、骨芽細胞による骨形成を抑制する働きをしているのだけれど、ロモソズマブはスクレロスチンに結合して、その働きを阻害するの。
その結果として、骨吸収抑制と骨形成促進の効果が同時にもたらされるというわけ。

また、副甲状腺ホルモン製剤は骨形成を促進するだけでなく骨吸収も促進するため、長期間投与すると骨の表面部分を覆う皮質骨に複数の小さな孔ができることがあるのだけれど(皮質骨の多孔化)、ロモソズマブはこのリスクもないとされているわ。

効能・効果

骨折の危険性の高い骨粗鬆症

用法・用量

通常、成人にはロモソズマブ(遺伝子組換え)として210mgを1ヵ月に1回、12ヵ月皮下投与する。

本剤は毎月1回、12ヵ月間の投与で、想定される効果が得られるとされているわ。
それなりに長期間にわたる通院治療となるから、途中で治療から離脱しないよう、医療従事者として患者さんを励ましていく必要があるかもしれないわね。
なお、投与が予定から遅れてしまった場合は、できるだけ速やかに投与を行い、その投与を基点としてあらためて1ヵ月間隔で投与していくことになるわ。

使用上の注意、副作用

本剤は血清カルシウム値を低下させる可能性があるので、治療中は適宜カルシウムを補給しながら投与を続ける必要があるの。
同じ理由で、低カルシウム血症の患者さんには投与禁忌だし、重度の腎機能障害の患者さん、透析を受けている患者さんは低カルシウム血症をきたしやすいので慎重投与とされているわ。

重大な副作用としては、低カルシウム血症のほか、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、大腿骨転子下および近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が報告されているわ。
比較的軽微な副作用(N=3744)としては、関節痛(1.9%)、注射部位疼痛(1.3%)、注射部位後半(1.1%)、鼻咽頭炎(1.0%)があったということよ。


1つの薬剤で骨吸収抑制と骨形成促進の効果を発揮するなんて、いいとこ取りの一石二鳥ですね。

そうだけど、そもそも骨粗鬆症にならないため、適切な食事と運動を心がけたいものね。

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参考文献
イベニティ 添付文書.
※効能・効果・使用上の注意等、医薬品の最新情報につきましては、各製品の添付文書等をご参照ください。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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