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高齢者に増加する「てんかん」その症状と認知症との関係

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脳の神経細胞が過剰に興奮して意識障害や痙攣などの発作を起こす「てんかん」。1,000人に5~18人が発症するといわれており、決して稀な病気ではありません。発症年齢も乳幼児から高齢者まで幅広いのが特徴です。高齢者の増加に伴って高齢者のてんかんが増えているといわれています。その特徴と合併症、認知症との関係について紹介します。

てんかんの原因と分類

てんかんは、脳の神経細胞(ニューロン)が外部からの刺激がないにもかかわらず電気刺激を受けた状態になっててんかん発作が起こる病気です。原因が不明な特発性てんかんが約6割、原因が明らかな症候性てんかんが約4割といわれています。

てんかん発作は、過剰な興奮が起こった場所や電気刺激の広がりによっても症状が異なります。高齢になってから発症するてんかんは、部分てんかん(側頭葉てんかん)が多く、小児や若年者のてんかんに比べ、発作が起きていることも周囲から気づかれにくいのが特徴です。

〈高齢者てんかんの症状の特徴〉

複雑部分発作 ・1点を凝視したまま反応しない、あるいは減損する
・口や手の自動症(口をもぐもぐさせたり、手を叩いたりなどの無意味な行動)
単純部分発作 ・上行性上腹部不快感
・未視感(いつも経験していることが未経験のように感じる)、既視感(未経験なのに過去に経験したような感覚)などの精神症状

別の病気と間違えやすい高齢者のてんかん

高齢者のてんかんは、非けいれん性で様々な症状が出ること、麻痺などが起こるときも1~2分の短い時間であることから、別の病気との区別がつきにくいのも特徴です。

〈高齢者のてんかん発作との鑑別となる病態〉

心血管障害 失神、けいれん性失神、心不全、不整脈など
脳血管障害 一過性脳虚血発作(軽度の意識障害を伴う場合)など
片頭痛 脳底型片頭痛など
薬物中毒 アルコール離脱、各種中枢神経作用薬など
感染症 急性脳炎、慢性脳炎、寄生虫感染症、敗血症など
代謝性疾患 低血糖、高血糖、電解質異常、甲状腺機能障害、ポルフィリア、高炭酸血症など
睡眠異常症 レム睡眠異常症、周期性四肢運動障害、夢遊症、夜驚症など
精神科的疾患 心因性非てんかん性発作、うつ病、解離性障害、遁走、双極性障害、不安神経症など
一過性全健忘 (反復することもある)
認知症 アルツハイマー病など

日本てんかん学会ガイドライン作成委員会報告:高齢者のてんかんに対する診断・治療ガイドライン

高齢者のてんかん注意点は?

高齢者のてんかんは、認知症との区別がつきにくいケースも多くあります。てんかんの場合、発作時以外の状態が安定しているときと発作時の差が大きく、記憶があるときとないときが混在する、意識が数分間途切れることがある、自動症(口をもぐもぐさせたり、手を叩いたりなどの無意味な行動)があるなど、認知症とは異なる症状が出ます。

ただし、脳血管疾患やアルツハイマー病と診断されている人でてんかんを合併することも多く、なかでも脳血管障害を発症した人は、1年以内にてんかん発作が起こる危険率が一般人口の23倍にものぼるといわれています。

通常のてんかんでは、発作を繰り返さないケースもあるため、初回発作後に治療を開始するケースばかりではありませんが、高齢者は発作が再発しやすいため、最初の発作後から薬物療法に入ることもあります。薬物療法で注意が必要となるのが、多剤併用による薬物相互作用です。慢性疾患で服用している薬の種類を把握したうえで抗てんかん薬を選択し、発作が抑えられる最低量から開始します。若年で発症し、継続的に抗てんかん薬を服用している患者さんに対しても、薬剤の種類、量ともに抑えるように調整します。

高齢者では、認知症があるなどの理由で患者さん自身がてんかん発作を把握できないケースも少なくありません。また、家族などの介護者は、突然患者さんが無意味な動きをしていたら、不安になって動きを止めようとするでしょう。しかし、行動の抑制は抵抗につながり危険なこともあります。介護者に対しては、発作時に周囲に危険なものがあれば取り除き、注意深く観察することなど、発作時に取るべき対応を指導して、日ごろから入浴時の発作に備えて湯量は少なめにする、転倒による怪我を防ぐために保護帽を着用してもらうなど、その人のてんかん発作のタイプに応じて、具体的な対策を伝えることが重要となります。

てんかんは、治療によって発作が抑制できれば日常生活に支障はありません。不安なく過ごせるように患者さんや家族に正しい知識と対応を伝えましょう。

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参考
日本てんかん協会
日本てんかん学会ガイドライン作成委員会報告:高齢者のてんかんに対する診断・治療ガイドライン
厚生労働省:知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス「てんかん」

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