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「エンドオブライフ・ケア援助士」とは?高齢者増加のなかでQOD向上が重要に

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高齢者が増加するなかで、患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)向上を目指した看護がより重要となっています。なかでも近年注目されているのが終末期を迎える患者さんへの対応。最期までその人らしく生きることを支える看護師への専門的な学びの機会が増えています。そのひとつである「エンドオブライフ・ケア援助士」の認定資格を紹介します。

医療と看護に求められるQOLとQODの向上

戦後、日本の医療は生命の維持、延命を目標に “Cure”が追求されてきました。それによって医療技術は目覚ましい進歩を遂げましたが、平均寿命が大きく延伸するなかで、その中心は“Care”へと移り変わっています。患者さんを中心として多職種が連携し、身体だけでなく精神的・社会的な健康にも目を向けて、慢性疾患や障害を抱えながらも地域でその人らしく、QOLを向上させるためのかかわりが求められるようになりました。その取り組みにおいて看護師の果たす役割は今後もさらに大きくなっていくでしょう。

さらに近年注目されているのがQOD(Quality of death:死の質)です。医学的にみて終末期と判断された高齢者が、治療を受けるかどうか、治療をいつまで続けるのか、最期をどこで迎えるのか、自分らしい「死」とはどのようなものか、医療者がその意思決定を支援して療養をサポートするものです。

この流れに呼応して、厚生労働省では2007年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」(2018年「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に改訂)、2018年には「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」を公表。日本老年医学会は2012年に「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン 人工的水分・栄養補給の導入を中心として」を公表しました。2014年には日本救急医学会、日本集中治療医学会、日本循環器学会による「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン」を示すなど、終末期の意思決定支援と医療者の対応に関するガイドラインの整備も進めてきました。

エンドオブライフ・ケアの充実のために

人生の最終段階にさしかかると、患者さんは加齢や疾患に伴う身体機能が低下し、これまでのように家庭や社会のなかで自分の役割が果たせなくなることがあります。すると精神的なつらさ、経済的な問題や残される家族に対しての思い、死が近いことによる心の揺れなどに直面します。そのなかで、QODを高めてその人が望む穏やかな最期を迎えるためのケア、またその家族に対する援助がエンドオブライフ・ケア(ELC)です。

そのなかで、看護師に期待される役割は、終末期にある患者さんの痛みや症状のマネジメントと意思決定の支援です。患者さんの生活、これまで歩んできた人生を尊重してその人が望む治療や療養、看取りの場などの決定を支援します。対人援助のなかでも終末期は個別性が高く、援助者にはその人の意思決定を遂行するための社会や地域の資源、ケアの知識など、多くのことが求められます。看護師としての知識や経験を発揮して、多職種と連携しながらエンドオブライフ・ケアを実践したいという人向けの学びの機会として作られたのが、エンドオブライフ・ケア協会のエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座です。

この講座では、人生の最終段階に共通する自然経過や苦しむ人への援助、意思決定支援、在宅や介護施設における症状緩和、多職種連携などについて2日間の集合研修で学びます。講座は全国各地で開かれており、2日間通して参加ができない人は、e-ラーニングの受講と2日目の集合研修のみでも可能となっています。資格を問わず、現場での実践経験が1年以上ある人なら誰でも受講ができ、講座の開催機会も多いため、自分の都合に合わせて集中的に学べるのが大きなメリットといえるでしょう。開催地によっても異なりますが、受講者のなかで最も多いのが看護師でおよそ半分を占めています。

地域での活動を広げるきっかけにも

エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を受講した人が1年以内に現場での実践をふまえて課題レポートを提出すると、エンドオブライフ・ケア援助士の認定資格を取得できます。

また、資格を取得して実践するだけでなく、地域でエンドオブライフ・ケアを伝えていく役割も重要です。エンドオブライフ・ケア協会員で臨床経験が5年以上あり、協会のスタータープログラムに参加するなどの条件を満たした人は、協会にELCファシリテーターの申請ができます。ファシリテーターになると、協会のプログラムを使った地域での学習会の指導者になることができます。

協会認定の資格ではありますが、学習会は各地域で行われており、継続的な学習もしやすい環境にあります。エンドオブライフ・ケアの実践で困ったことや苦手に感じていることがある人は、学ぶことで次の実践につながるヒントや向き合い方を理解できるのではないでしょうか。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
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参考
エンドオブライフ・ケア協会

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