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最新看護手技キャッチアップ 創傷ドレッシング材の交換頻度はどれくらい?

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かつては良しとされていた看護手技に、こだわりすぎてしまう場面はありませんか?今回は「創傷ドレッシング材の交換」をテーマに、現在の正しい対応方法について考えます。事例をもとにみていきましょう。

【事例】
縫合した手術創の創面に当てておいたガーゼを確認したところ、多少の滲出液はみられたものの感染は認められなかった。
念のため、抜糸が済むまでガーゼを数時間置きに交換し、そのたびにポビドンヨードで創傷を消毒した。

傷口から細菌が入らないよう、しっかりと消毒した上でガーゼ交換しているわけですから、問題ないような気もしますが・・・。

確かに入念にケアしているようだけれど、本当に患者さんのためになっているのかしら?
周術期の創傷ケアについて知っておきたいポイントを押さえておきましょう。

創傷の上皮化が完成するまでは閉鎖!

手術創は、いわゆる急性創傷に当たります。
術直後より、わずかな血液や滲出液を出しながらも、創部の治癒が始まります。
縫合により一時的に閉鎖した創面が上皮細胞で完全に覆われるのは24~48時間後
つまり、それまでの間は、傷口から細菌が侵入する可能性があるわけです。
したがって、上皮化が完成するまでの間は、創部を感染から守る必要があります。

かつての手術創ケアでは、皮膚の常在菌などによる感染を防ぐとして、ポビドンヨードなどによる消毒と滅菌ガーゼでの保護を、抜糸が済むまで実施するのが一般的でした。
しかし近年では、不用意な細菌への曝露を避けるため、閉鎖後48時間はドレッシング交換を行わないようになっています。
CDCガイドラインでも「滅菌ドレッシングで24~48時間被膜し、保護する」ことが推奨されています。

この変化の背景には、消毒に関する考え方がアップデートされたことも影響しています。
すなわち、細菌が付着していたり増殖していたりしても、人体に害を及ぼさない限りは「感染」とはみなさないということです。
消毒薬を安易に使用すると、創傷の治癒に必要な炎症細胞や線維芽細胞などを傷付け、治癒を妨げてしまうという側面も指摘されています。
消毒薬の使用を検討するのは、炎症の4徴候(腫脹、疼痛、発赤、局所熱感)が認められ、感染が成立してからにしましょう。

創面が乾燥することによる問題とは?

上記に加えて、適切なドレッシング材を選択するという視点も重要です。
従来、創面を保護するために滅菌ガーゼを当てることが一般的に行われてきました。
しかし、ガーゼは滲出液を過度に吸収してしまうため、創面が乾きやすいという特徴があります。

これには2つの問題点があります。
一つは、創面にガーゼが張り付きやすいため、交換時に患者さんが痛みを感じやすいこと。
もう一つは、ガーゼが滲出液を過度に吸収することにより、皮膚の再生が妨げられ、創傷を治りづらくさせてしまうことです。

近年では、創部を湿潤環境に保つことで治癒を促進するmoist wound healing(湿潤環境下療法)という方法が一般的になってきました。
上皮化が完成するまでは、ポリウレタンフィルムやハイドロコロイドといった適切なドレッシング材を用いて湿潤環境を保つことが大切です。

ただし、あまりにも滲出液が多すぎると、かえって治癒を遅らせてしまうケースもあります。
その場合は、ポリウレタンフォームやハイドロポリマーなどを使ったドレッシング材を採用し、余分な滲出液を吸収するとよいでしょう。


創傷の様子を確認するためにも閉鎖を解除したくなりますが、上皮化するまでは我慢ですね。

その後、ドレッシング材は不要となるケースが多いけれど、傷口が見えるのを患者さんが嫌がる場合は、ガーゼなどで保護してもいいと思うわ。

NG看護手技

  • 抜糸するまでの間、手術創は頻回に消毒し、ガーゼも清潔なものに交換し続ける。

OK看護手技

  • 創面の上皮化が完成するまで(閉鎖後24~48時間)のうちは、滅菌ドレッシングで創面を保護し、原則として交換しない。

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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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