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最新看護手技キャッチアップ 下痢の際の陰部洗浄はどのくらいの頻度で行う?

仕事に役立つ看護手技 > 生活介助・ケア 編

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かつては良しとされていた看護手技に、こだわりすぎてしまう場面はありませんか?今回は「下痢の際の陰部洗浄」をテーマに、現在の正しい対応方法について考えます。事例をもとにみていきましょう。

【事例】
おむつを着用している高齢の入院患者において、数日前から下痢便がみられるようになった。
看護師は、患者の不快感を軽減するため、おむつ交換のタイミングに合わせて毎回陰部洗浄を実施し、陰部の清潔を保つことに努めた。

下痢便がお尻に付いていたら、本人は気持ちが悪いですよね。
看護師として「早く洗ってきれいにしてあげたい」と思うのは自然なことでは?

確かに陰部洗浄は大切なケアだけれど、1日に何度も行ったらどうなるかしら?

頻回な陰部洗浄が皮膚トラブルの原因に!

便や尿による皮膚の汚染は、患者さんの不快感を招くだけでなく、様々なトラブルの原因にもなります。
特に下痢便(軟便または水様便)のリスクは少なくありません。

まずは、便に含まれる消化酵素などにより化学的刺激が生じ、皮膚がダメージを受けること。
そのため、褥瘡のリスクも上昇します。
また、おむつ内の蒸れた環境は、細菌が増えやすい条件がそろっていること。
そのため、院内感染の引き金となる可能性もあります。
皮膚に付いた下痢便は、スタンダードプリコーションで感染予防を図った上で、できるだけ早く取り除く必要があります。

しかし、おむつ交換のタイミングなどに合わせて「頻回な陰部洗浄」を行うことは望ましくありません。
1日に何度も陰部洗浄すれば、身体が必要とする皮脂まで過剰に取り除いてしまうからです。
また、拭くことによる機械的刺激が増えることで、皮膚の角質層が損傷してしまうからです。

皮脂が減り、傷付いた皮膚は、バリア機能が低下し、排泄物の刺激による影響をより受けやすくなってしまいます。
その結果、発赤や掻痒感といった皮膚トラブルを招くこともあるのです。

迅速&愛護的なケアで皮膚を守ろう!

それでは、患者さんに下痢便がみられる場合は、どのようにケアすればよいのでしょうか。
まずは、陰部洗浄は「1日1回」が基本であることを意識しましょう。
皮膚洗浄剤をよく泡立ててこすらないよう愛護的に洗うこと、人肌程度のぬるま湯を用いて十分に泡を洗い流すことがポイントです。

もちろん、陰部洗浄のタイミング以外では便を放置する・・・というわけではありません。
ガーゼなどで力を加えて拭き取るのではなく、下痢便の付いた部分にぬるま湯を当てて洗い流し、皮膚を押さえるように拭けば十分です。
ただし、便が皮膚に付いてから時間がたつと取り除くのが難しくなるので、できるだけ早く対応するようにしましょう。

予防的なスキンケアの一環として、保護クリームなどを使用するのも効果的です。
下痢便に悩む患者さんの皮膚を保護するためには、撥水効果の高い製品が望ましいでしょう。
すでに皮膚のびらんなどがあって滲出液が確認できたときは、先にストーマ用品である粉状皮膚保護剤を塗布してから、亜鉛華単軟膏を厚めに塗り重ねます。


そもそも、なぜ下痢便が出ているのかを考え、効果的な排便コントロールにつなげる視点も必要よ。

より良い排泄ケアとともに、根本的な解決を図ることも忘れないようにします!

NG看護手技

  • 下痢便を確認したら、1日に何度でも陰部洗浄を行って皮膚の衛生を保つ。

OK看護手技

  • 陰部洗浄は1日1回を基本として、それ以外のタイミングではぬるま湯などを用いて下痢便を洗い流す。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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