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看護師の仕事場図鑑vol.10 透析医療の看護師の仕事

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糖尿病患者さんの増加も影響し、国内の慢性透析患者数は33万人を超えました※1。また、救急医療の現場でも緊急透析が実施されるケースがあり、透析の知識は急性期病院から透析専門のクリニックまで幅広い領域で必要とされます。今回の「看護師の仕事場図鑑」は、透析に携わる看護師の声を紹介します。

※1 日本透析医学会:わが国の慢性透析療法の現況 2017年末の慢性透析患者に関する集計

透析に携わる看護師の働き方

血液透析療法は多岐にわたり、急性腎不全や慢性腎不全患者さんの心不全や脳卒中治療時などの救急対応から、慢性腎不全患者さんの維持透析まで、病態に応じた療法が選択されます。

アンケートでは、透析に従事する看護師の約7割が1次~3次までの救急指定病院に勤務していました。急性期病院で維持透析を行う施設はありますが、透析患者さんは高齢化が進み、合併症が増加しているため、その治療のために入院しながら維持透析を受ける患者さんも増えています。

そのほか通常の維持透析は地域の専門クリニックで対応していることが多いのが透析の特徴といえるでしょう。急性期病院から地域の透析専門クリニックまで、専門性が高い医療でありながら働く場の選択肢が多いのは、メリットのひとつです。

今回のアンケートでは、2次救急指定病院に勤務する看護師が最も多く、5割近くを占めていました。

血液透析は週3日が基本で、主に月・水・金、火・木・土の2つのローテションで患者さんに対応します。午前と午後で4時間透析を行う施設が多く、仕事を持ちながら透析を受ける患者さんを対象に夜間透析やオーバーナイト透析などを一部専門クリニックで実施しています。
そのため、外来の維持透析を行っている場合は夜勤がなく、アンケートでも6割以上が「日勤のみ」と回答しています。オンコールも「なし」と回答している看護師が8割以上を占めているのも特徴といえるでしょう。

〈休日・休暇〉

今回のアンケートでは、日曜日と平日1日の週休2日と回答した看護師が多く、救急指定病院でも透析がない日曜日が休日固定となっている看護師が多いのが特徴といえます。

〈家庭との両立のしやすさ〉


平均3.2点(n=37)

勤務が「日勤のみ」と回答した看護師は「家庭との両立のしやすさ」の評価が高い傾向がみられました。透析は患者さんの急変などがない限り、開始時間と終了時間がある程度見込める点がメリットです。家庭と両立する看護師にとっては長く勤務しやすい環境ではありますが、夜勤やオンコールがある施設では病棟勤務と変わらないことがマイナス面でしょう。

維持透析のスケジュールはある程度固定され、日勤のみのケースも多いことから、家庭との両立に向いているといえるわね。ただし、夜勤やオンコールがある医療機関の場合は、透析の特徴である働きやすさのメリットはあまり感じられないかもしれないわ。
透析の専門クリニックの場合は日勤のみの勤務がほとんどですが、夜間透析やオーバーナイト透析を実施している施設の場合はシフト勤務となるため、転職を考える場合にはあらかじめ診療体制をチェックしておきましょう。

透析看護師の仕事内容

透析看護師の役割は、透析開始時の穿刺、終了後の返血をスムーズに行うこと、シャント管理や透析中の血圧の状態の確認など、安全に透析が行われているかの注意深い観察です。そのほか、患者さんの全身管理のために体重や食事内容などを聞き取り、指導するなど、患者さんの生活全般にまで深く関わっていくことが求められます。

服薬指導は薬剤師、栄養指導は管理栄養士と、専門職がかかわることも多くなっていますが、なかには看護師が生活指導から服薬管理、栄養指導など幅広く対応する場合もあります。糖尿病が原疾患の場合は神経障害などのリスクも高いため、フットケアや運動療法の知識・スキルも求められるでしょう。

国内では腎代替療法のほとんどが血液透析であるために、週3日の維持透析で外来通院する患者さんと長年にわたってかかわることができるのが透析看護師の特徴です。透析歴が長い人では40年ほどの患者さんもいらっしゃいます。

透析が他の外来や病棟と大きく異なるのは、医師や臨床工学技士と連携して治療を行う点でしょう。特に臨床工学技士とは業務が重なる部分もあるため、連携・協力が欠かせません。他職種とのコミュニケーション、チーム医療が早くから浸透していた分野といえます。

透析中は抜針事故などが起こらないように患者さんの観察をしたり、血圧低下などによる体調の変化に留意したりすることが重要です。近年では認知症のある高齢の患者さんが増えているため、多くの患者さんを一斉にみる看護師にとっては負担が増えているのも実情といえるでしょう。

〈1日のスケジュール例〉

●日勤

7:50  出勤
8:00  情報収集、外回り準備
8:30  申し送り
9:00  患者入室、体重測定、バイタルチェック、穿刺準備、介助、記録
10:00 患者さんの状態をチェック
11:00 昼食
12:00 患者さんの状態をチェック
13:00 返血、帰室の準備
14:00 午後の患者入室、穿刺、介助、次の日の準備、ベッドメイキング、記録
15:00 午後の患者さんの状態をチェック、記録
16:00 次の日の準備
16:45 勤務終了

(40歳代・女性・3次救急指定病院勤務・日勤のみ常勤の一例)

週3日、1日4時間以上となる透析は、患者さんにとって身体的にも精神的にも負担となります。患者さんにとっての看護師は身近な相談相手であり、看護師にとっても患者さんとの十分なコミュニケーションは指導に活かすことができます。また、透析は患者さんとの関わりが長年にわたるため、一人ひとりの患者さんと深く関われる看護がしたい人にはやりがいがある職場といえます。

主な患者さんのタイプ

慢性腎不全患者で透析を受ける患者さんは、さまざまな原疾患を持っており、年齢にも幅がありますが、40~80代の中高年以降の患者さんが多いといえます。
近年は導入年齢も高く、透析医療の質が向上していることで透析歴が長い患者さんが増えています。認知症患者さんや介護が必要な患者さんなどに対する老年看護、終末期看護などの知識も求められるようになっています。

必要となるスキル・知識

バイタルチェックから穿刺、透析装置の操作、返血、プライミングなどの透析業務全般に関する知識やスキルをはじめ、食事指導や体重管理、足の観察やフットケア、運動療法など、多岐にわたる知識、スキルが必要とされます。

患者さんの生活スタイルによって注意すべき点も変わってくるため、患者さんと十分にコミュニケーションをとり、その人の生活に合わせた指導を行うことが重要です。看護師の指導内容に関心を持ってもらうためにも、信頼関係の構築は欠かせないといえるでしょう。長期間、同じローテションでベッドも決められている透析室がほとんどで、患者間のトラブルが起こることもあります。こうしたトラブルにも柔軟な対応ができる看護師が求められます。
また、透析患者さんは合併症のリスクが高く、急変時対応も欠かせないスキルです。

透析室で働くメリット・デメリット

〈メリット〉

透析室で働く最大のメリットは「日勤のみ」の職場が多い点でしょう。アンケートでも、「仕事と家庭の両立」をメリットにあげる人が多くみられました。残業も少なく、子育て中や介護中の看護師にとっても勤務にメリハリがある点が魅力のようです。

▼実際に働く看護師さんの声「透析看護のここがよかった!」

  • 透析医療に興味があった。患者さんの人生や生活に寄り添える看護ができる。専門的な知識や技術が身につき、出産、子育てをしながら長く働ける(20歳代・女性・2次救急指定病院)
  • 透析室は日曜が必ず休みなので予定が立てやすい。残業が少なくママさんナースが働きやすい環境(20歳代・女性・2次救急指定病院)
  • 新卒で配属されたが、夜勤がなくスタッフ数も多いので、子どもの病気など、急な休みにも対応してもらえる(30歳代・女性・3次救急指定病院)
  • 託児所もあって子育てと両立できる。症例も豊富で学びも多く、学会発表もできる(20歳代・女性・2次救急指定病院)
  • コミュニケーションで得た情報を看護実践に活かすことができる(30歳代・女性・3次救急指定病院)
  • 患者さんと長く関わることができる。透析患者さんは合併症が多いので、さまざまな疾患への対応も学べる(40歳代・女性・2次救急指定病院)
  • 患者さんと長く付き合うことができ、人生観や価値観を深く知ることができる。患者さんへの指導の成果がみえる。指導がうまくいかないときも何度もトライができ、一部の臓器ではなく、患者さんの生活や生き方を含めた全体像がみられる(30歳代・女性・2次救急指定病院)
  • 慢性疾患の患者さんと向き合える。腎臓病療養指導士やフットケア指導士の資格取得など、スキルアップの機会が多い(50歳代・女性・救急なし一般病院)

〈デメリット〉

透析は専門性が高い一方で、病棟業務とは異なる点が多く、最新の医療情報が得られにくくなったり、業務に大きな変化がないことでモチベーションの低下が起こりやすかったりする点がデメリットとして考えられます。

▼実際に働く看護師さんの声「透析看護のここが悩みどころ…」

  • 人手が少なく忙しい。患者さんのセルフケア不足、家族支援の難しさを感じる(40歳代・女性・2次救急指定病院)
  • 透析室はオープンフロアで話が筒抜けで、患者さん同士、患者さんと医療者間のトラブルが起こりやすい。特定の患者さん同士が距離を置かないといけない場合、スタッフの配置にも考慮しなければいけない(20歳代・女性・2次救急指定病院)
  • 透析は特殊な治療で他の病棟スタッフに多忙な業務を理解してもらえない(40歳代・女性・救急なし一般病院)
  • 正職員が少なく、勤務年数が短くても責任ある仕事がまわってくる。病棟よりも夜勤が長く家族と過ごせる時間が短い(30歳代・女性・1次救急指定病院)
  • わがまま、傲慢な患者さんにもずっと対応をしなければならない(30歳代・女性・救急なし一般病院)
  • 新しい看護技術が身につかない(20歳代・女性・2次救急指定病院)

透析看護に向いている人は?

患者さんとじっくり向き合えるのが透析看護の最大の魅力ともいえます。慢性疾患を持つ患者さんのケアに関心があり、患者さんの生活に寄り添う看護がしたい人にとってはやりがいのある職場といえるでしょう。機械操作に抵抗がないことも大切なポイントです。
一方で、業務のサイクルは同じなので、自ら学ぶ姿勢がないとモチベーションを保つのが難しいともいえます。
透析技術認定士、腎臓病療養指導士や慢性腎臓病療養指導看護師、フットケア指導士、腎不全看護認定看護師など、透析看護のスキルアップができる資格にチャレンジするなど、自己研鑽が大切となります。

透析は末期腎不全患者さんにとって生命を維持するうえで欠かせない治療である一方、透析を受けることでそれまで同様に日常生活を送ることもできます。だからこそ長く患者さんの全身状態を維持することが重要であり、看護師による患者指導の成果が見えやすいといえます。
週3日、1回4時間以上の透析は患者さんにとって負担が大きく、精神的なケアも含めて看護師の果たす役割は大きいといえるでしょう。コミュニケーション能力を発揮して、患者さんに寄り添う看護が求められます。

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2018/3/29~3/31にナースフルサービスの看護師会員を対象に「看護師の働く場所と働き方アンケート」を実施。有効回答数3,361名のうち、透析医療に携わる会員37名の回答をもとに作成。

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