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義歯(部分義歯・総義歯)のケアのポイント|クイズで学ぶ看護手技

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高齢の患者さんでは義歯を使っている方は少なくありませんが、意外とお手入れが難しいですよね。
慣れていないと、取り外すだけでも一苦労です。

70歳以上の約8割が部分義歯または総義歯を使っているという話もあるから、自信を持って対応できるようにしておきたいわね。

Question1 義歯の清潔保持に関して誤っているのはどれ?

1.臭いが気になったので、熱湯消毒を行った。
2.付着した歯石は、歯科医師に依頼して除去してもらった。
3.柔らかい義歯用ブラシを用いてブラッシングした。

細菌の繁殖を防ぐため、徹底的にきれいにしたくなりますね!

Answer 1

解説

義歯の歯垢である「デンチャープラーク」は、唾液に含まれる蛋白により形成された皮膜に微生物が付着・増殖したもの。
そのままにしておくとカンジダなどの細菌が繁殖していき、誤嚥性肺炎などにつながるおそれもあります。
そのため、毎日の義歯ケアは重要ですが、義歯床の多くは「レジン」という樹脂で作られており、物理的刺激や熱に弱い性質があります。
高温の熱湯、あるいは高濃度の漂白剤などで消毒するとダメージを与えてしまいかねません。

一般的な歯垢と同じように、デンチャープラークも放置しておくと歯石に変わってしまいます。
硬くなった汚れをブラシで除去することはできず、無理に落とそうとすると義歯を傷付ける可能性もあります。
歯石ができてしまったら歯科医師に依頼し、専門的な道具で除去してもらう必要があります。

洗浄の際は柔らかい義歯用ブラシを使い、ぬめりがなくなるまで全体をブラッシングします。
このとき、研磨剤の入った歯みがき剤を使うのはNG。
義歯の表面に細かい傷を無数に付けることになり、それが微生物の温床となりかねません。
ブラッシングで汚れを落とした上で、少なくとも週に1~2回は義歯洗浄剤に漬け置くことで、細菌の繁殖を防ぐようにしましょう。

Question2 取り外した義歯の保管に関して正しいのはどれ?

1.水気を拭き取り、風通しの良い場所に置いた。
2.清潔な水(水道水)の中に漬けておいた。
3.患者の羞恥心に配慮するため、ティッシュペーパーに包んで本人の枕元に置いた。

義歯は乾かしたほうがよかったのかな……。

Answer 2

解説

義歯の素材であるレジンは吸水性の樹脂で、乾燥に弱いという性質があります。
水気を切った状態で長時間放置すると、ひび割れや破損、変形(縮み)などの原因になりかねません。
取り外した義歯は、清潔な水(水道水でOK)または義歯洗浄剤に漬けて保管するようにしましょう。
ただし、義歯洗浄剤の中には長時間の漬け置きに向かないタイプもあるため、説明書をよく確認してから使用してください。

羞恥心に配慮するのは大切なことですが、ティッシュペーパーなどに包んでしまうと、ごみと間違って捨てられてしまうおそれがあります。
細かな調整が必要な義歯を仕上げるためには通常2か月程度かかる上、保険診療の場合は製作から6か月間は新しい義歯を作ることができません。
万が一、義歯の破損や紛失があった場合は、患者さんに多大な負担を与えることを覚えておいてください。

Question3 義歯を使用している患者に対する声かけとして誤っているのはどれ?

1.新しい義歯へ早く慣れるよう、「しばらくは就寝時も装着しておきましょう」と勧めた。
2.義歯を使いたがらない患者へ、「義歯を使うと転びにくくなりますよ」とアドバイスした。
3.会話中に義歯が外れた患者へ、「歯科で調整してもらいましょう」と提案した。

義歯を嫌がる患者さんも多いけれど、どうアプローチすればいいのかな……。

Answer 1

解説

義歯を作ったばかりの段階では、違和感を訴える患者さんも少なくありません。
慣れるまでのしばらくは、食事も軟らかいものを中心にするなど工夫が求められます。
ただし、就寝時も義歯を装着したままにすると、装着で負担がかかる粘膜や骨を休ませることができません。
また、就寝時には唾液の分泌が低下するため、より口腔内に細菌が繁殖しやすくなります。
小さな部分義歯を付けたまま寝てしまうと誤飲のおそれもあるため、特に注意が必要です。

「義歯=高齢者」というイメージから、積極的に使いたがらない患者さんもいるでしょう。
しかし、適切な栄養摂取などのために義歯は欠かせないものです。
また、しっかりと歯を食いしばることができるようになって顎位が安定し、転倒リスクを軽減できるという研究報告もあります。
患者さんの心理面に配慮しつつ、義歯のメリットをアピールできるといいですね。

義歯をベストな状態で使い続けるためには、歯科医師による定期的なメンテナンスが必要です。
傷や痛みがあるときはもちろん、食事や会話がうまくできなかったり、そうした際に義歯が外れてしまったりする場合は、速やかに歯科医師へ相談することを勧めてください。


ちなみに、正しく義歯を使えば認知症の発症リスクを下げられるという研究報告もあるのよ。

義歯は本人のQOLの維持・向上のために欠かせない「体の一部」と考えて、正しく取り扱う必要がありますね。

ナースフルでは働く看護師さんを応援しています。
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監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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