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「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定ガイドライン」“地域で最期までその人らしく”を実現するために

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成年後見制度の利用促進にあたって、「障がい者や認知症の人の特性に応じた適切な意思決定支援の指針を」という声に応え、厚生労働省が2018年6月に「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」を公表。認知症の人の意思決定の基本的な考え方や配慮すべきことを整理した本ガイドラインのポイントをご紹介します。

本人の意思を尊重した意思決定支援の原則

認知症の患者は、見た目には意思決定が困難だと思われることが少なくありません。しかし、その人を支える周囲は、認知症の患者自身が意思決定をしながら尊厳をもって暮らしていくこと、その原則を守ることが重要です。

認知症の患者が意思決定を言葉で伝えられない場合でも、身振りや手振り、表情の変化を読み取ることで、その意思を確認できることがあります。支援をする際には、非言語的な意思表出を読み取る努力を最大限に行うことが求められます。

また、意思決定能力自体が低下している場合には、これまでかかわってきたなかで知り得た価値観や健康観、生活歴などを踏まえて、本人が望むことを推定し、チームで話し合います。ガイドラインでは、「本人の示した意思は、それが他者を害する場合や、本人にとって見過ごすことのできない重大な影響が生ずる場合でない限り、尊重される」としています。本人にとって明らかに不利益な選択といえるものや回復困難なほど重大な影響が生じる場合、例えば所有する財産を処分することで、認知症の患者本人が基本的な日常生活すら維持できない場合などを除いては、本人の意思を尊重することが原則となります。

こうした意思決定支援においては、その人の認知能力を把握することが重要です。説明の内容の理解力、認識力、論理的な判断力、意思表明可能かどうかの適切な評価が欠かせません。

意思決定支援のプロセスを理解する

認知症患者の意思決定支援で重要となるのが、意思決定支援チームによる会議(話し合い)です。そこには本人、家族、医療者、介護職、成年後見人など、その人を支える人たちが参加します。サービス担当者会議や地域ケア会議を兼ねて行うことで、日常生活のあらゆる意思決定を共有することができます。

支援を決定するうえでチームでの共有が欠かせないのは、本人の意思を尊重する原則に立ちその意思決定が適切なプロセスを踏まえているかどうかの確認です。

〈日常生活・社会生活等における意思決定支援のプロセス〉

人的・物的環境の整備

  • 意思決定支援者の態度
    (本人意思を尊重する態度、安心感のある丁寧な態度など)
  • 意思決定支援者との信頼関係や立ち会う者との関係性への配慮
    (本人との信頼関係など)
  • 意思決定支援と環境
    (緊張や混乱が起こらないような環境づくり、時間的なゆとりなど)

意思形成支援のポイント

  • 本人の意思形成の基礎となる条件の確認(情報、認識、環境)
  • 必要に応じて、その都度繰り返し相手にわかるように比較や要点、図や表を用いて説明する
  • 本人が正しく理解し判断できているかの確認

意思表明支援のポイント

  • 意思表明場面における環境の確認など
  • 意思表明の時期やタイミングへの配慮(最初の表明にしばられずに適宜確認)
  • 表明内容の時間差、複数人での確認
  • 本人の信条、生活歴や価値観など、周辺情報との整合性を確認する

意思実現支援のポイント

  • 意思実現にあたって、本人の能力を最大限に活かすように配慮する
  • チームによる支援、社会資源の利用など、利用できるさまざまな手段の検討
  • 形成・表明された意思の客観的合理性に関する慎重な検討と配慮

※「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定ガイドライン」より一部抜粋

家族や地域にもガイドラインの周知を

意思決定支援チームの会議の開催は、支援方法に困難や疑問を感じたとき、意思決定のプロセスを確認するときなど、チームの誰からの提案によっても開催できます。こうした過程を繰り返して本人の意思を尊重した支援を実現することが、認知症の人の自らの意思に基づいた日常生活・社会生活の実現につながります。

また、このガイドラインは、支援を行う家族や地域の人にもその内容を理解してもらうことが重要となります。
同時に家族は認知症患者の意思に向き合い、悩み、場合によっては本人の意思と家族の意思が対立することもあります。医療や介護の専門職は、家族も支援の対象者として考え、本人の意思を尊重するという原則を守るうえで必要な社会資源の情報を提供したり、家族が不安にならないように支援をしたりすることが重要となります。

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参考
厚生労働省:認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン

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