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チーム医療が継続的な治療につながる「CKD診療ガイドライン」のポイントは?

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慢性腎不全(CKD)患者さんが増加するなか、厚生労働省は「腎疾患対策検討会」を立ち上げ、腎機能異常の重症化予防と透析導入阻止、合併症予防などを目標とした対策を進めてきました。CKD診療のなかで重要な役割を果たすのが「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」で、2009年の公表以降、2013年、2018年と改訂が行われています。

注目される糖尿病性腎臓病の患者さんへの対応

2008年に厚生労働省の検討会が設置された当時、透析導入患者さんは年々増加していました。対策が進められるなかで、導入患者さんは横ばいから微増へと転じていますが、その背景のひとつにガイドラインに基づいたCKD診療の充実があるといえるでしょう。

2018年に公表されたガイドラインでは、専門医だけでなく、非専門医(かかりつけ医)にもその利用を広げることを想定し、専門医への紹介基準も示されています。

また、本ガイドラインで最も注目されるのは、糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)の概念が採用されている点です。DKDに対しては、2017年に日本糖尿病学会と日本腎臓学会が共同で「糖尿病性腎臓病克服宣言:STOP-DKD」宣言を採択するなど、その対策の強化が求められている分野です。

●押さえておきたい「DKD」
糖尿病性腎症(DN)は、微量アルブミン尿を呈して顕性蛋白尿に至り、腎機能低下、末期腎不全へと進行するのが疾患の特徴です。しかし近年、この典型的な経過をたどらず、蛋白尿が陰性で糖尿病が部分的に関与する腎障害の患者さんが増えています。この蛋白尿陰性で進行する腎障害のことをDKDといいます。加齢などの影響や肥満や脂質異常、高血圧、動脈硬化などを合併しているのが特徴です。

またガイドラインのなかでは、IgA腎症や多発性嚢胞腎(PKD)など、糖尿病と直接関連しない腎疾患の患者さんが糖尿病を合併した場合も含む糖尿病合併CKD(CKD with diabetes)についても紹介しています。

腎障害の進展抑制と透析導入の遅延を目指して

ガイドラインでは、看護師の役割についても紹介されています。CKDの患者さんは食事療法や薬物療法が基本となりますが、その継続には患者さん自身が生活習慣を変える必要があり、患者教育は治療の大きなポイントとなります。

ガイドラインでは、推奨C2(効果の推定値に対する確信は限定的:弱く推奨する・提案する)ではあるものの、腎臓専門医と専門看護師によるチーム医療が透析導入を遅延させる可能性があります。そのためCKDステージG3b以降の患者さんに対する多職種によるチーム医療の実施を提案しています。多職種による患者指導は、各職種が異なる視点で繰り返し指導することによる成果の向上が期待され、チーム医療がCKD進行の抑制に有効であることを示唆する大規模な観察研究もあります。

日本腎臓学会、日本腎不全看護学会をはじめとする4団体が2018年に腎臓病療養指導士制度を立ち上げました。CKDの療養指導の専門知識を学んだ多職種の活躍が腎障害の進展抑制、さらには透析導入の遅延につながることが期待されます。

高齢のCKD患者さんの背景を理解

CKD診療においても、高齢患者さんへの対応は重要な課題のひとつです。ガイドラインのなかでは、高齢者を75歳以上と定義し、フレイルや低栄養の防止など全身状態の管理についても紹介しています。

CKD患者さんはサルコペニアの合併頻度と進行速度が健常高齢者を上回っていることがわかっており、フレイルの一因でもあるサルコペニアを防ぐことは、CKD診療のなかでも大きなポイントといえるでしょう。高齢のCKD患者さんは食事制限の影響で低栄養になるリスクを抱えており、それがフレイルの進行にもつながります。75歳以上の高齢CKD患者さんのフレイルは腎機能予後、生命予後、透析導入の増悪因子であり、CKD診療や看護において高齢者の全身状態の管理は欠かせないものといえるでしょう。ただし、ガイドラインでは栄養や運動による介入効果については不明であるとしており、今後の研究成果が待たれます。

そのほか、ガイドラインでは高齢CKD患者さんの降圧目標、血糖管理、脂質低下療法などについても明記されています。いずれも個別性が高く、患者さんごとにその目標が設定されます。主治医がどのような観点で管理目標を個別に設定しているかを理解することで患者さんへの生活指導に役立てることができるのではないでしょうか。

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参考
日本腎臓学会:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン

厚生労働省:腎疾患対策検討会報告書~腎疾患対策の更なる推進を目指して~

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