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日本心不全学会ガイドライン委員会による「心不全患者の栄養評価・管理に関するステートメント」~看護師の役割は?

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2018年10月、日本心不全学会は「心不全患者における栄養評価・管理に関するステートメント」を公表。高齢者や生活習慣病の増加で心不全患者は増えており、慢性心不全の急性増悪の予防、あるいは急性増悪後の病態安定期における栄養療法や評価が非常に重要となります。心不全患者の栄養管理と、看護師の役割について紹介します。

慢性心不全の再発・増悪の予防

2007年に施行された改正医療法によって医療計画制度がスタートし、医療連携体制を構築する重点疾患が定められました。4疾患を対象に始まり、2018年度からスタートした第7次医療計画では、5疾患(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)となっています。第7次からは、「急性心筋梗塞」から「心筋梗塞等の心血管疾患」に名称が変更となり、心不全等の合併症等を含めた医療提供体制の構築などが推進されています。

心血管疾患は、急性心筋梗塞の発症から突然死につながるケースが多く、急性期の死亡率減少を目指した医療体制の構築が一つの課題となっています。一方で、慢性心不全患者は再発・増悪により、入院を繰り返すなかで身体機能が低下していきます。1年間で慢性心不全患者の約20~40%が再入院するともいわれており、この再発・増悪を防ぐことも重要な課題となっています。

慢性心不全の再発・増悪を防ぐためには、発症後早期のリハビリテーションや栄養療法などが欠かせないものであり、今回公表された「心不全患者における栄養評価・管理に関するステートメント」では、心不全患者の栄養療法に関して、その意義や各職種の役割が示されています。

心不全チーム医療としての栄養療法

栄養療法のポイントのひとつは、従来の心不全患者に対する栄養指導での摂取エネルギーの制限からの転換です。海外の報告で6ヵ月以上経過観察した心不全患者の7.5%以上の体重減少が独立した予後悪化因子であることが示され、国内においても同様の報告がなされたことを受けて、BMIの維持がはかられるようになっています。また、高齢者では低栄養によるサルコペニア・フレイル・カヘキシーなどの問題もあり、単に体重減少やBMIで低栄養をはかるのではなく、患者さんを中心に、多職種が連携して病態に応じた栄養療法を進めていくことが重要となります。

〈急性期〉

栄養療法の目標:
早期に栄養状態を把握し、経腸栄養、静脈栄養、経口摂取など、患者さんの状態に合わせた適切な手段で栄養補給を行う

〈慢性期〉

栄養療法の目標:
退院後に患者さん自身で栄養管理ができるようにプロセスマネジメント環境を整える
⇒(1)患者さん自身に栄養療法の意義を十分に理解してもらう
 (2)必要な栄養摂取行動に関する情報を提供する
 (3)実施状況と栄養状態を継続的にモニタリングする

〈各職種の役割〉

医師 多職種コーディネーター、病態把握、心不全治療
看護師 生活状況と課題のアセスメント・調整、患者・家族への指導
理学療法士 筋力、姿勢、サルコペニアの評価、改善
作業療法士 食事動作、活動、調理の評価、改善
言語聴覚士 摂食嚥下の評価、改善
MSW 保健・医療の相談、調整、援助
歯科衛生士 咀嚼機能の安定化、口腔衛生
管理栄養士 栄養状態の判定、栄養管理、指導
薬剤師 服薬指導・薬剤管理

心不全の栄養療法における看護師の役割

病棟看護師は退院後の生活を見据えて、栄養療法を患者さん自身や家族が在宅復帰後に実行できるかどうか、その判断材料となる情報収集やアセスメントを行い、他職種と共有のうえ検討していきます。患者さん自身の栄養療法に対する理解や家族の協力が得られるかどうかの見極めや、患者さん自身が在宅復帰後にどのような生活を望んでいるのか、病気をどのように捉えているのか、不安に感じていることや思いなどを傾聴することも看護師の重要な役割です。そのなかで問題点をともに整理していくことが、患者さんが自らこれまでの生活を振り返り、行動を修正する転機になります。慢性心不全の再発・増悪を防ぐためには、指導が一方的にならないように介入していくことが重要です。

また、退院後の外来通院で関わる看護師は、心不全の徴候や症状のモニタリング、食事摂取の状況などを評価して、食欲や認知機能の低下などをアセスメントします。

このほか、「心不全患者における栄養評価・管理に関するステートメント」では、重症心不全患者さんの入院前の評価や経管栄養から経口摂取への移行時の栄養管理、NSTとの連携などが示されています。入院前から在宅まで慢性心不全の管理に欠かせない栄養療法について、他職種の役割も理解したうえで協働することが重要です。

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参考
厚生労働省:第7次医療計画について

日本心不全学会:心不全患者における栄養評価・管理に関するステートメント

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