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「がんロコモ」の治療でQOL向上 がん診療+他診療科の連携進む

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複数の疾患を抱えている人、原疾患の影響で障がいを抱えている人、さまざまなタイプの患者さんに対応する診療科連携のなかで近年注目されているのが、がん診療と他診療科の連携です。がん患者のQOL向上で重要視されている「がんロコモ」への対応をはじめ、近年活発化するがん診療と他診療科の連携について紹介します。

診療科の垣根をなくす「キャンサーボード」

がん診療連携拠点病院の指定要件にもなっているキャンサーボード。これは、診断が困難な症例や治療方針に苦慮するがん患者さんに対し、複数の診療科、他職種からなるメンバーによるカンファレンスを指します。他診療科の専門医や他職種と話し合いの場を設けることで適切な治療や療養生活の質の向上を目指すものです。さらに医療機関によってはがん化学療法のレジメン登録やマニュアル作成など、がん診療に関するあらゆることを話し合う場としても活用されています。

がん診療は、患者さんの生命を救うだけでなく、退院後の生活、患者さんの希望に沿った医療を提供するための意思決定支援が重要視されるようになっています。がん治療に伴う副作用や合併症に対しても、「がんだから仕方ない」と考えず、他診療科との連携によって専門的かつ異なる視点で最適な医療を提供する取り組みが進められています。

いま話題の「がんロコモ」とは?

がんサバイバーが増加するなかで、がんになっても生活ができる、動ける身体を維持することが重要となっています。しかし、2007年に日本整形外科学会が提唱した「ロコモティブシンドローム」(=ロコモ)と同様に、がんの症状や治療に伴う痛みやしびれ、筋力低下も運動器の障がいを引き起こし、移動機能が低下します。日本整形外科学会では、がんに伴う運動器の障がいや移動機能低下を「がんロコモ」と名づけました。

高齢者のロコモ同様に、進行することで日常生活に影響が及び、要介護のリスクが高まります。治療の進歩に伴ってがんが治っても、その後の生活ががんロコモによって不自由となってしまうことを避けるためにも、がん専門医と整形外科医の連携が重要となります。

〈がんロコモの主な原因〉

  • がんの骨転移などによる痛み、骨折、麻痺など
  • 長期のがん療養、安静に伴う筋力低下
  • がん化学療法による神経障害(副作用)
  • ホルモン療法や副作用治療に使用するステロイドによる骨粗鬆症(骨折リスク)
  • 手術や放射線治療による運動器の障がい
  • がん患者さんのロコモティブシンドロームの合併と進行 など

運動器を専門とする整形外科医は、痛みを取るだけでなく、装具治療や手術、リハビリテーションなどを行いながら移動機能の維持、回復を目指します。がん治療開始前に介入し、早期にリハビリテーションを開始することで、機能の維持が期待できます。がんロコモへの取り組みは、看護師や理学療法士、作業療法士などの他職種との連携が重要で、患者さんの希望に沿った生活の質の向上への寄与が期待されています。

「腫瘍循環器学」の学会も発足

このほか、がん領域との連携では、循環器領域とのコラボレーションによる「腫瘍循環器学」が注目されています。2017年には日本腫瘍循環器学会も設立され、2018年11月には第1回の学術集会が東京都港区の浜松町コンベンションホールで開催されました。

がんは日本人の死因第1位で、心疾患が第2位です。その2大死因となる疾患の合併も増えているといわれており、抗がん薬のなかには心臓への障がいを引き起こすものも多く、血栓症のリスクも高いといわれています。また、がんが原因で起こる脳卒中(トルソー症候群)なども知られています。

現在、がん専門の医療機関には循環器医が不在であるケースも多く、学会設立によって早期診断に向けた研究や地域のなかでの連携、診療ガイドラインの作成などが進められていくものとみられます。

看護においても、がん治療に伴う心血管合併症や治療による影響などを理解することが、がん治療後の生活支援に欠かせないといえるでしょう。がん化学療法の副作用である嘔吐による脱水や、術後の深部静脈血栓塞栓症を防ぐなどの対策も看護師の重要な役割です。

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参考
厚生労働省:がん診療連携拠点病院等の整備について

日本整形外科学会:もっと知ろう! 「ロコモティブシンドローム」

日本腫瘍循環器学会

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